火災保険の家財補償はいくら必要?目安の家財補償金額と対象範囲をFPが解説

2024.07.16

火災保険

火災保険の家財補償はいくら加入していますか?

「建物が火災になった場合に家具など補償してくれる保険でしょ?そんなに掛け金が変わらないのであればやや多めがいいのかな?そもそも必要なのかな?」と考える方もいるでしょう。

実は家財補償には目安となる家財簡易評価という基準が有ります。

保険各社により内容には若干差がありますが、単身者なら300万円、夫婦に子供2名なら

1000万円というのが目安です。

今回の記事はこの家財補償内容について解説していきます。

火災保険に家財保険は必要?必要なし?

結論から言えばこの家財保険は加入することのメリットは大きく、オプションとして初めから加入する前提で契約をされている方がほとんどです。

厳密に言えば持ち家にお住まいの方は火災保険のみを選択することもできますが、家財補償を付けるかどうかは金額で数千円~10,000円前後の為かワンセットで加入されるようですね。

賃貸物件にお住まいの方なら契約時に100%加入となっているので皆さんご加入されていることでしょう。

家財とは

家財補償で補償されるものは、衣類や家具・家電用品など生活に必要なものです。

ただし、自動車などは補償されず自動車保険などで補償を受けることになります。

また書画・骨董・宝石類など1点で30万以上ものはあらかじめ明記して保険会社に届けておく必要があります。

高額な商品だけに届けがないと補償を受けられなかったり、また減額される場合もあります。

火災保険の補償対象になる4つの物

具体的な生活用品をあげてみましょう。

・テレビや冷蔵庫、洗濯機など生活に欠くことのできない家電商品

・衣類・寝具

・タンス・チェスト・テーブル・棚・仏壇など一般家庭に置いてある家具

・書画・骨董・宝石類・美術品

など1点30万以上の高額商品も届けておけば補償されます。

火災保険の補償対象にならない4つの物

・自動車

→火災が起きて自動車が被害にあっても自動車は補償されません。

この場合は自動車保険の車両保険にて補償するしかありません。

・現金・株券など
・庭木など植物など
・原付バイク

賃貸アパートやマンションも家財保険の補償対象になる?

補償対象になります。

賃貸物件に住んでいる方は契約時に2年契約で15,000円~20,000円程度での火災保険に加入しているはずで、その中には家財保険も含まれています。

細かい補償の範囲は各社多少の違いがありますので、現在賃貸物件にお住まいの方は契約書を見てください。

家財保険がおりる7つのケース

家財保険はいろんな場合を想定して補償をしています。

以下にあげるものは火災保険での家財補償の対象になるものです。

ただ、補償範囲が各保険会社やその契約により差があるので詳しくは保険会社やご契約をされている契約書を見てみてください。

・火災

火災における家財や建物の焼失破損は補償されますが、被害程度により補償金額がことなります。

・落雷

落雷で建物の一部が壊れた、または落雷のショックで家電商品が壊れた場合にも補償を受ける事が出来ます。

・破裂・爆発

プロパンガスや何らかの要因で爆発事故が起きた場合も火災保険の対象になります。

・風災・雪災・雹災

台風や大雪による被害、または雹による屋根や雨樋の被害は補償を受けることができ

ます。

・物体の落下・飛来・衝突

隣家より瓦などが落ちて窓が割れた場合などが補償されます。

・盗難・騒擾

泥棒により家財を盗んだ場合や何かの騒動に巻き込まれて建物や家財が破損されたときです。

・水漏れ・水災

建物の給水設備が壊れて水漏れした場合なども補償対象になります。

家財保険がおりない4つのケース

家財保険で広い範囲をカバーできることが分かっていただけたと思います。

では家財保険がおりないケースを4つ紹介しておきましょう。

・経年劣化によるところの破損
・後天的な改築などによる雨漏りなどで家財が傷んだ場合

→太陽光パネルや改築直後から雨漏りがした場合などは補償されません

・地震など自然災害が要因とされるもの

→自然災害補償を契約に付加されているのであれば補償されます。

・故意による破損

他の補償の対象になるものや、居住者側に問題がある場合は補償の対象外になるので注意が必要です。

家財保険のメリット

家財保険は補償範囲が広く、保険に加入しておくと何かと便利という印象を持たれたのではないでしょうか。

最近の家財保険の補償範囲は以前よりも拡がっています。

上記にあげた家財保険の補償範囲は一般的な物なのですが、追加契約や補償範囲の広い家財保険に加入すると、例えば部屋の模様替えをしてうっかりミスでテレビを倒して破損してしまった。

という場合でも補償されるようになりました。

自損でも補償されるのは安心ですね。

また火事以外でも、いろんな場合で家財が破損したりしてもこのような家財保険に加入すればいざという時安心です。

補償の範囲を広げる事で、不測の事態に備えることができる。

これが1番のメリットでしょう。

家財保険のデメリット

火災保険のみと比較して保険料が数千円~10,000円程度高くなることでしょうか。

毎年のことなのでこのあたりがデメリットと言えるかもしれません。

また、火災やなんらかの被害で自宅に保険してある現金や株券などは補償対象外なので

このあたりもデメリットと言えるでしょう。

家財保険の日常生活賠償特約について

最近、日常生活賠償特約もいろんなケースで注目されるようになってきました。

少額保険ではLINE保険などがいろんな場合を想定した日常生活賠償特約の保険を発表されています。

一般的な日常生活賠償特約の内容をお伝えしますね。

・飼い犬が他人にケガをさせてしまった。
・ショッピング中に商品を壊してしまった。
・自転車で走行中に歩行者にぶつかってケガをさせてしまった。

こんな日常的な事故での補償があります。

むしろめったに起きない火事や落雷などよりこちらの方が起きる可能性が高いような気がしますね。

上記のケースでも、被害内容に合わせて補償してくれるのがこの日常生活賠償特約です。

日常生活賠償特約は火災保険だけでなく、先にあげた少額保険のLINEやまた自動車保険のオプションに付随しています。

最近は、クレジットカードでも契約によりあらかじめこの日常生活賠償特約が付帯している場合も多くあります。

意外に利用範囲が広いものですね。

家財保険の借家人賠償契約について

次に賃貸物件にお住まいの方が加入されている借家人賠償契約について解説します。

借家人賠償契約(あるいは特約とも呼びます)は火災保険に付帯しているオプションです。

そして借家人賠償契約の内容は、部屋を借りている借家人が原因で部屋や建物を破損してしまった場合、オーナーに建物を補償するための契約です。

そのため借家人は部屋を借りる契約の際には火災保険にほぼ強制的に加入させられます。

それは契約事項としての条件にもなっており、現実にはこの保険加入を拒否した場合には

部屋の契約はできません。

借家人は契約期間中に部屋を使用し家賃を支払い、退去時には経年劣化以外の破損は現状復帰する義務があります。

また契約期間中に火事を出した場合はその損害を補償しなければなりません。

損害金は高額になります、その被害を補填するために借家人は火災保険に加入しているのです。

家財保険の金額目安はいくら必要かシミュレーション

家財保険の金額の目安は家財簡易評価金額が目安として利用されています。

宅建協会より引用

上記の図を見てください。

単身者や家族形態によりおおよその家財評価の目安になっています。

上記の簡易表は各社損保会社も採用しており、家族構成や部屋の面積によって保険金の金額が算出されています。

モデルケースで被害にあった場合の損害をシュミュレーションしてみましょう。

モデルケース1

落雷により家電製品が破損した場合

落雷により玄関のカードキー破損費用 150,000円
冷蔵庫破損買換え費用        140,000円
エアコン買換え費用         115,000円
修理完了するまでにかかった費用   135,000円

合計                540,000円

家財保険から支払いをうけました。

やはり一時これだけの金額を支払うのは大変です。

モデルケース2

大雪による雨樋の修理

足場             150,000円
補修費            200,000円

合計             350,000円

実はこの金額は私自身が受けた損害です。

昨年の大雪の後に2階の雨樋が落ちかけているのを見つけて、すぐ契約している火災保険会社へ連絡し担当者が来ました。

何枚か写真をとって、修理の見積もりを要求されたのでいつもお願いしている地元のリフォーム会社へ依頼して見積もりをだしてもらった金額が上記です。

ほぼ全額が補償されることが分かりますね。

家財保険が必要な人2つのタイプ

家財保険が必要な人は、

・持ち家に住んでいる人
・賃貸物件に住んでいる人

などほぼすべての方に当てはまると思います。

家財を補償して貰わなくても大丈夫という人はいないのではないでしょうか?

家財保険がいらない人1つのタイプ

先にお伝えしたとおり、普通に家に住み暮らしているという状況なら家財保険は必要だと思います。

家財保険がいらない人は「空き家を所有している人」でしょう。

昔親や祖父が住んでいて空き家になっている、こんな場合ならば家財保険は不要です。

家財保険の保険金請求方法

先にご案内したとおり、保険請求は事が起きたときすぐに連絡することです。

また被害を受けた場所を写真などとっておくことや修復までに必要な費用が発生した場合も領収書などを保管しておきましょう。

手続きとしては、保険担当者へ連絡して内容を説明する。

担当者が現地に来たり、見積もり等などの書類を要求するので必要書類を整えて提出する。

保険担当者は稟議にはかり、全額補償するかあるいは一部保証かを算定して加入者へ連絡し補償金額を指定口座に振り込んで終了となります。

私自身の体験ですが、保険会社の対応は非常に迅速でした。

書類を提出して3日ほどで全額補償の連絡が来て、指定口座への振り込みは決定から1週間ほどで入金の確認がとれました。

まとめ

今回は火災保険の特約である家財保険についてご説明してまいりました。

火災保険は加入するが、家財保険は本当に必要?という疑問をお持ちの方もいたと思いますが、実際に補償範囲の広さや被害に合った場合の補償金額の大きさなどを考えると加入は必要と考えています。

不測の事態はいつ起きるかわかりません。

むやみに高額な保険加入をする必要はないと思いますが、家財保険は年間でも数千円から高くても10,000円前後です。

この金額で補償されるのであれば、割安と考えるべきでしょう。

実際に補償された時はやはり「加入していてよかった・・」と感じます。

この記事が皆様への参考になれば幸いです。

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