30代の個人年金の選び方~FPが教える月額の平均と男性女性別おすすめ個人年金保険2019
「30代で個人年金保険に加入するのって早すぎるかな?」と疑問をお持ちではないでしょうか?
結論から伝えますと、30代からの個人年金保険加入が早すぎるということはありません。
公的年金だけでは将来ゆとりある生活を送ることが難しい今、30代から個人年金保険へ加入する人の数は増えています。
早いうちからコツコツ積み立てていけば、老後の安心につなげることができますよ。
本記事では、30代の方へ向けて、個人年金保険に加入することのメリット・デメリットや選び方をお伝えします。
30代におすすめの個人年金保険もご紹介しますので、ぜひご自分に適した個人年金保険選びの参考にしてみてください。
目次
30代は何割くらい、いくらくらい個人年金保険料を支払っているのか
平成30年の調査によると、個人年金保険の加入率は「21.9%」。
世帯主の年代別に見てみると、30~34歳が18.6%、35〜39歳が20.0%とあり、30代の約2割が個人年金保険に加入していることがわかります。
また、個人年金保険の世帯年間払込料は「平均20.1万円」であり、平成18年からほぼ横ばいという結果が出ています。
参考サイト⇒公益財団法人 生命保険文化センター|平成30年度「生命保険に関する全国実態調査」<速報版>
30代から個人年金保険を準備するメリット
30代から個人年金保険を準備するメリットは次のとおりです。
1.貯蓄が苦手な人にもコツコツ継続しやすい
2.預貯金で積み立てていくよりも受取額が多い
3.所得控除を受けることができる
4.生きている限り年金を受け取ることができる(終身年金タイプの場合)
5.老後の資金計画が立てやすい(定額タイプの場合)
銀行の預貯金と比較し、個人年金保険のほうが「継続しやすいうえに、多く受け取れる」というメリットがあります。
銀行の預貯金は中途解約や引き落としが簡単にできてしまうため、生活費が不足したり急な出費があったりした時につい手を付けがちです。
対して個人年金保険のほとんどは中途解約すると元本割れするため、加入者にとっては中途解約のハードルが高いと言えます。
結果的に、貯金が苦手な人にもより継続しやすいという仕組みになっているのです。
受取額についても、個人年金保険のほうが銀行預貯金より有利です。
現在、銀行の普通預金金利は0.01%程度。対して個人年金保険の受取率は、約101.0〜108.0%程度です。
さらに、個人年金保険に加入することで節税効果も期待できます。
納税者が生命保険料、介護医療保険料及び個人年金保険料を支払った場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。これを生命保険料控除といいます。
引用_生命保険料控除|国税庁
生命保険料控除は、年間の支払額に応じ最大4万円の所得控除を受けることができます。
30代から個人年金保険を準備するデメリット
次に、30代から個人年金保険を準備するデメリットについても確認しておきましょう。
1.中途解約すると元本割れする
2.インフレに対応できない(固定金利タイプの場合)
3.為替変動による元本割れリスクがある(外貨建てタイプの場合)
デメリット1つ目は、中途解約すると元本割れしてしまうということ。
中途解約自体はいつでもすることができるのですが、解約によって支払われる返戻金は、払込保険料の合計より少ない金額になります。
また、個人年金保険のタイプによっては、インフレに弱かったり、為替変動の影響を受けて元本割れしてしまったりする点に注意が必要です。
男性・女性や独身・既婚別の支払保険料目安と受取金額シミュレーション
生命保険文化センターの発表によると、夫婦2人で「ゆとりある老後生活」をするためには「月額平均34.9万円」が必要です。
また、この調査に参加した回答者の約8割が「自分の老後の日常費を公的年金でまかなえるとは思わない」と回答しており、公的年金以外の自助努力の必要性を感じています。
また、65歳以上単身世帯における1ヶ月の消費支出は「月額平均152,791円」という統計結果が出ています。
参考サイト⇒生命保険文化センター|平成28年度 生活保障に関する調査《速報版》
参考サイト⇒e=Stat|家計調査 / 家計収支編 単身世帯 詳細結果表
公的年金の受給額は平均約20万円
そもそも公的年金っていくらくらい受け取れるものなのでしょう?これが分かっていないと、自助努力の目安もわかりませんよね。
厚生労働省の資料によりますと、厚生年金と国民年金それぞれの全国平均受給額(月単位)は、以下のとおりです。
・厚生年金……147,051円
・国民年金……55,615円
・合計……202,666円
勤務年数などによって異なりますが、定年まで会社勤務した場合(厚生年金を納めた場合)であれば、公的年金からは「毎月約20万円」が受け取れることがわかります。
ここまでの内容をざっくりとおさらいしましょう。
・夫婦2人の老後生活費は月額約35万円
・単身世帯の老後生活費は月額約15万円
・公的年金でまかなえる金額は1人あたり月額約20万円
以上の数字を1つの基準とし、個人年金保険の必要性、支払保険料の目安、受取金額のシミュレーションをおこなっていきます。
30代独身男性に個人年金は必要?支払い保険料の目安と受取金額シミュレーション
30代独身男性の場合、1ヶ月の老後の生活費は公的年金でまかなうことができますので、必ずしも個人年金保険加入が必要だとは言えません。
ただ、公的年金から受け取れる金額が支出に満たない場合、貯蓄が一切ないという場合、ゆとりある生活をおくるために上乗せたい場合などは、個人年金保険へ加入しておくと安心です。
【シミュレーション結果】
・契約年齢:35歳
・性別:男性
・保険料払込期間:60歳まで
・年金受取開始年齢:65歳
・月払保険料:15,000円
・受け取れる年金額(10年間):12万円
30代既婚男性に個人年金は必要?支払い保険料の目安と受取金額シミュレーション
30代既婚男性の場合、公的年金でまかなえる生活費と夫婦2人がゆとりある老後生活をおくるための費用との間には約15万円のひらきがあります。
この金額をカバーする貯蓄および収入の当てがなければ、個人年金保険へ加入しておいたほうが良さそうです。
【シミュレーション結果】
・契約年齢:35歳
・性別:男性
・保険料払込期間:60歳まで
・年金受取開始年齢:65歳
・月払保険料:24,000円
・受け取れる年金額(10年間):88万円
30代独身女性に個人年金は必要?支払い保険料の目安と受取金額シミュレーション
女性は男性よりも平均寿命が10年ほど長いため、その分の生活費も考慮しなければなりません。
また、統計上では男性よりも非正規職員の割合が多いため、受け取れる年金額は平均の20万円よりさらに下がる可能性が高いです。
ですので、不足が予測される分は個人年金保険などでカバーしましょう。
30代独身女性が同世代平均の保険料を備えたい場合、月々15,000円の支払いで以下の結果となります。
【シミュレーション結果】
・契約年齢:35歳
・性別:女性
・保険料払込期間:60歳まで
・年金受取開始年齢:65歳
・月払保険料:15,000円
・受け取れる年金額(10年間):12万円
30代既婚女性に個人年金は必要?支払い保険料の目安と受取金額シミュレーション
公的年金に加入している夫が亡くなった場合、妻は遺族年金を受け取ることができます。
条件によって受給額は異なりますが、子どもが独立しており65歳以降であれば、妻は月額107,796円を受給できます。
公的年金を受け取ることができるので月々の支払いを少なく検討するのであれば、以下のようなシミュレーションが可能です。
【シミュレーション結果】
・契約年齢:35歳
・性別:女性
・保険料払込期間:60歳まで
・年金受取開始年齢:70歳
・月払保険料:5,000円
・受け取れる年金額(10年間):99万円
参考サイト⇒公益財団法人 生命保険文化センター|公的な遺族年金の仕組みについて知りたい
30代の個人年金保険選びのポイント
個人年金保険の世帯年間払込料は平均20.1万円、月額16,500円となっています。
個人年金保険の払い込みは長期にわたり、中途解約すると元本割れしてしまいます。
老後のゆとりある生活のためにも、無理なく継続できる金額を設定したいですね。
個人年金を選ぶ際は「年金の種類」「保険料の支払方法」「返戻率」の3点を確認しましょう。
まず、「年金の種類」には大きく分けて以下の4つがあります。
・確定年金……被保険者の生死にかかわらず、契約時に定めた期間(例:5年、10年など)、年金を受け取れる。
・終身年金……被保険者が生きている限り年金を受け取ることができ、死亡により終了する。確定年金よりも保険料は高い。
・有期年金……被保険者の生存を条件として、契約時に定めた期間を限度に年金を受け取れる。
・夫婦年金……夫婦のどちらかが生存している限り、年金を受け取れる。
次に、「保険料の支払方法」には大きく分けて以下の2種類があります。
・月・半年・年ごとに支払う……コツコツと無理なく支払っていくことができます。半数以上の加入者がこの支払い方法を選択しています。
・一時払い……まとまったお金が必要ですが、その分保険料が安くなります。2割近くの加入者がこの支払い方法を選択しています。
最後に、「返戻率」です。
返戻率とは、払い込んだ保険料と受け取る年金額の比率のこと。
たとえば、100万円払い込んで110万円を受け取ることができる保険の返戻率は110%です。
将来受け取る年金額をなるべく増やしたい場合は、この数字を比較します。
30代におすすめの個人年金保険ランキング
ここからは、30代におすすめの個人保険をご紹介します。
1位:年金かけはし|明治安田生命
2位:たのしみ未来|住友生命
3位:こだわり個人年金|マニュライフ生命
4位:ソニー生命保険の年金保険|ソニー生命
5位:みらいのカタチ年金保険|日本生命
それぞれの個人年金保険の特徴と基本情報についてお伝えします。
1位:年金かけはし|明治安田生命
年金の種類 | 5年・10年確定年金 |
保険料の支払方法 | 月払い・年払い
口座振替のみ |
「年金かけはし」の特徴は、なんといっても返戻率が高いこと。35歳男性が65歳まで月々20,000円ずつ払い込んだ場合の返戻率は104.0%。
据置期間を設定しておけばさらに返戻率を高めることができますよ(上記条件の場合、返戻率は104.8%)。
据置期間とは、払い込み満了から受取開始までの期間です。
たとえば、35歳から契約して60歳で払い込み満了となる場合、そのまま60歳から年金を受け取るよりも5年間の据置期間を置いて65歳から受取開始することで返礼率をアップすることができます。
「年金かけはし」で個人年金保険を始める場合は、据置期間の設定を検討してみてくださいね。
参考サイト(リンク)⇒明治安田生命
2位:たのしみ未来|住友生命
年金の種類 | 5年・10年・15年確定年金 |
保険料の支払方法 | 月払いのみ
口座振替・クレジットカード払い |
「たのしみ未来」の特徴は、自由な商品設計が可能なことです。
ライフプランにあわせて保険料払込期間、据置期間を自在に設定できることにくわえ、受取方法も自在に選ぶことができます。
たとえば、年金支払開始時に、年金受取りにかえて年金原資を一時金として受け取るといったことも可能です。
他の保険にも言えることですが個人年金保険は途中解約するとほぼ元本割れしてしまいます。
無理なく継続することを重視したい方は、払込期間が自由に設定できる「たのしみ未来」を検討してみてはいかがでしょうか。
参考サイト(リンク)⇒住友生命|たのしみ未来
3位:こだわり個人年金|マニュライフ生命
年金の種類 | 5年・10年確定年金
保証期間付終身年金(10年) |
保険料の支払方法 | 月払い・半年払い・年払い
口座振替・クレジットカード払い |
付加できる特約 | 個人年金保険料税制適格特約 |
「こだわり個人年金」の特徴は、外貨建てなので円建ての個人年金保険よりも基準積立利率が高いということ。
外貨は米ドルもしくは豪ドルのいずれか1つを選択できますが、2019年1月現在の利率を見てみると、米ドル3.00%、豪ドル2.10%となっています。
「外貨建てってことは為替変動の影響で毎月の保険料が変動するんじゃないの?」と疑問を抱くこともあるかと思いますが、毎月の払込保険料は変動しません。
ただ為替変動による損失のおそれがあり、受け取る年金額が払い込んだ金額を下回ることもあります。
「多少のリスクを取ってでも、高返戻率をめざしたい」と考える方は、外貨建の「こだわり年金保険」を検討してみてはいかがでしょうか。
参考サイト(リンク)⇒マニュライフ生命|こだわり個人年金保険(外貨建)
4位:ソニー生命の個人年金保険|ソニー生命
年金の種類 | 5年・10年・15年確定年金
保証期間付終身年金(10年・15年) |
保険料の支払方法 | 月払い・半年払い・年払い
口座振替・クレジットカード払い |
※上表は「5年ごと利差配当付個人年金保険」概要です
「ソニー生命の個人年金保険」は、「5年ごと利差配当付個人年金保険」と「変額個人年金保険」の2種類があります。
「5年ごと利差配当付個人年金保険」の特徴は、契約後6年目から5年ごとに配当金が支払われるということ。
ただし、運用実績によっては配当金が支払われないこともあります。
「変額個人年金保険」の特徴は、資産の運用実績に応じて年金額が変動します。
基本保険金額の支払については保証がありますが、株価や金利・為替などの変動で損失が生じるおそれがあります。
「元本割れなく確実に貯めたい」という方は「5年ごと利差配当付個人年金保険」、「多少のリスクを受け入れて高返戻率をめざしたい」という方は「変額個人年金保険」を検討してみてはいかがでしょうか。
参考サイト(リンク)⇒ソニー生命|個人年金保険
5位:みらいのカタチ年金保険|日本生命
年金の種類 | 5年・10年・15年確定年金
保証期間付終身年金(10年・15年) |
保険料の支払方法 | 月払い・年払い
口座振替・クレジットカード払い |
「みらいのカタチ年金保険」の特徴は、欲しい保証や特約を組み合わせることで自分にぴったりのプランを組めるということ。
「老後に向けた資産形成をしたい」「生活費への備えを確保したい」「死亡保障を充実させたい」といったさまざまなニーズに対し、13種類の保険から自由に選ぶことができます。
「自分に合った個人年金保険に入りたい」と考えている人は、「みらいのカタチ年金保険」を検討されてみてはいかがでしょうか。
参考サイト(リンク)⇒日本生命|みらいのカタチとは?
まとめ
公的年金だけではゆとりある老後の生活は難しいと考え、30代から個人年金保険へ加入する人が増えています。
個人年金保険は長期にわたって払い続けるものですので、自分の欲しい保障を継続が可能な範囲で選ぶ必要があります。
本記事でご紹介した個人年金保険を参考に、30代の今から生活費の備えやリスクに対する準備を始めておきましょう。