医療保険の通院保障は必要なし?通院のみの保険もある?通院に保障は必要かシュミレーション
通院保障とは読んで字のごとく、通院した時に受け取れる保険金のことです。
しかし、ただ単に通院しただけでは受け取れないのが一般的で、各保険会社の所定の要件を満たしている必要があります。
今回の記事では、
「通院保障ってどんな時に適用されるんだろう?」
「そもそも通院保障って入っておいた方がいいのかな?」
等の疑問を持っている方に向けて、
・通院保障の対象になる条件
・通院保障の具体的な保障内容
・保険会社別の通院保障の詳細
について詳しく解説していきます。
この記事を読んでいただければ、通院保障に加入するメリットや、具体的な適用条件、会社ごとの保障内容を理解できるようになるので、ぜひ読み進めてみてください。
それでは本文に参りましょう。
目次
医療保険の通院保障は必要なし?通院するのに必要な平均費用をシミュレーション
通院にかかる費用としてまず考えられるのが通院するための往復の交通費、そして病気や怪我を治すために治療と併用して使われる薬代です。
また、ガン治療には抗がん剤が必須になりますし、通院している日の食事代や家事代行などを頼んだ場合の諸経費なども通院するために必要な費用として加味できます。
通院保障の対象はどこまで?風邪や整骨院、リハビリは通院保障の対象か
通院保障は大まかにどの範囲まで保障されるものなのでしょうか?
風邪をひいてしまった場合や整骨院での治療など身近なものから病気や怪我によるリハビリまで様々な想定されるパターンごとに見ていきましょう。
入院なしで通院だけするのは通院保障の対象になる?
結論からお伝えすると残念ながら通院のみで給付金がもらえる医療保険はほぼ存在しないようです。
理由はお伝えしているように入院を経てからの通院(もしくは入院に向けた事前通院)が通院保障の対象となる要件になっている保険会社がほとんどだからです。
でも、中には入院していなくとも通院保障が受けられる保険があるようです。
例えばガン保険であればガンの三大治療である手術・放射線治療・抗がん剤治療を目的として通院する際に適用される場合もあります。
風邪で通院するのは通院保障の対象になる?
基本的に、ただ風邪をひいて医療機関を受診しただけでは通院保障の対象にはなりません。
例えば風邪が重症化して入院し入院給付金を受け取るなどした後に所定の期間内に、所定の日数通院した場合は通院保障が適用されるかもしれません。
いずれにしても保険会社が設定している通院保障が適用される条件(通った医療機関、入院日数、通院が入院から所定の期間内で行われているかなど)がきちんと満たされている事が必須条件となります。
ケガのリハビリは通院保障の対象になる?
風邪による通院よりも怪我のリハビリは保障の対象になる可能性が高いと言えます。
何かしらの事故にあって骨折や脱臼・捻挫や打撲をおってしまった場合に治療を目的として通院した場合、保険会社の所定の要件を満たしていれば保障の対象となります。
ただし事故による入院を経ていたとしても、むちうち症と腰痛は入院の原因となった外傷との因果関係が説明できない症状として分類されているので保障の対象外としている保険会社がほとんどなので注意してください。
整体院に通うのは通院保障の対象になる?
整骨院や接骨院での治療のための通院が保障になる保険会社はありますが、整体院への通院が保障になっている保険はありません。
そもそも整骨(せいこつ)・接骨(せっこつ)・整体(せいたい)の3つは読みも非常によく似ている事から混同されがちですが、それぞれに違いがあります。
まず、整骨院と接骨院は柔道整復師によって開業されています。この柔道整復師とは国家資格を取得し骨折、脱臼、打撲、捻挫などの怪我に対して手術や投薬以外の方法でアプローチする人たちの事で、はりや灸、いわゆるマッサージ(按摩)と呼ばれる手技手法を使っています。
つまり定義付けとしては整骨院と接骨院はほぼ変わらないものになりますが、整体院だけは違います。
整体院は筋肉や骨の歪みとバランスを整える事に着目している院がほとんどで、いわゆるマッサージによる血行促進やほぐしを用いて体の調子を整えてくれます。
整体院は開業や働くのに国家資格や特別な資格は必要ないので無資格でも開業できるのが特徴です。
つまり国家資格をもった柔道整復師法によって定義される場所での施術は通院保障の対象に入りますが、整体院はいずれの定義にも当てはまらないので保障の対象外となるのです。
うつ病の通院は通院保障の対象になる?
病気や怪我による入院が基本条件となっている民間保険会社の通院保障ではうつ病に備える事は難しく、通院していても保障の対象外になってしまいます。
うつ病で働けなくなってしまった場合に給付金が出る就業系の保険はありますが、医療保険の保障でうつ病に備えるのは少し無理があるようです。
うつ病に対する備えをしたければ、公的制度を利用する事を視野に入れてください。
会社を休んだ場合に標準報酬日額の何割かを支給してくれる傷病手当や、精神科の通院をしている人に対して医療費を軽減してくれる自立支援医療というものがります。
実際にうつ病を発症した後にこれらの公的制度を利用する方がコスト面を考えても安く済みそうです。
ガンは通院保障の対象になる?
ガンは現代人が備えておくべき病気の一つで医療保険を見ていてもガンに対して重点的に備えている商品が沢山あります。
女性特有の病気やガン(子宮筋腫や乳がん)への注意喚起も高まっていて、それらに特化した商品も増えています。
つまり、ガンは通院保障の対象となる代表的な病気の一つと言えます。
また、近年は入院日数を減らし通院しながらの治療を積極的に取り入れていて、入院の前に通院で投薬や治療を開始するケースも珍しくありません。
ガンに特化した医療保険を選びたいなら、この入院前の通院も保障に入っている医療保険を選ぶといいでしょう。
手術後の通院は通院保障の対象になる?
ここは各保険会社の商品設計によって違うので一概に言えませんが、病気にしても怪我にしても入院を伴わない日帰り手術をした後の通院は通院保障の対象となりません。
入院をしていても入院日数が5日以上となって初めて通院保障の対象となる保険会社もありますし、通院も所定の日数の範囲内で、一定の期間内である事が必須という保険会社がほとんどなので注意が必要です。
医療保険の通院保障はどこまで保障される?交通費や食事代は通院保障の対象か
通院保障は医療保険が定める所定の条件を満たした場合に給付される保障です。
1回の通院に対して通院保障が適用されるかについては厳しい審査がありますが、通院給付金が何にいくら使われたかの使途まで問われる事はありません。
むしろ通院にかかる交通費や食事代(同行者がいる場合はその人の分も)のような諸経費をカバーしてくれるのが通院保障なので有効活用できるといいですね。
通院保障が日額でいくら支払われるかも加入するプランによって決まっていたり、自身で事前に決めている部分なので、給付が決まってから金額が変動する事もまずありません。
医療保険20社の通院保障を徹底比較
ここで実際に各保険会社の医療保険に付加できる通院保障にはどんなものがあるか見ていきましょう。
支払い要件も違えば、会社によって保障の始まるタイミングや重視している保障のポイントが少しずつ違います。
通院保障にスポットを当てて比較検証してみましょう。
アフラックの医療保険の通院保障
近年の医療事情として「入院が短期化し、入院前後の通院が増えている現状」に対する準備をコンセプトにしているのがアフラックの医療保険です。
一生涯の医療保険、女性特有の病気にフォーカスした医療保険、50歳以上の介護に対する備えを見越した医療保険、既にアフラックの医療保険に加入している人のための保険の4つがあります。
それぞれの通院保障は支払事由も共通しているで、細かく比較するポイントをあげるとすればそれぞれの保険が想定している加入者に特徴があるという点ではないでしょうか。
ちゃんと応える医療保険 EVER(一生涯使える医療保険)
病気や災害(不慮の事故による)による入院前後の通院を最高30日間まで保障してくれます。
終身タイプなので所定の状態に陥った場合は以後の保険料を払わなくとも保障が継続されます。
病気や怪我の治療が目的の通院が対象で、お医者さんが直接患者宅に来てくれる往診の場合でも適用されます。
(薬の受け取りだけのように治療を行っていない場合は対象外。)
入院が始まる前日から60日以内~退院日の翌日から120日以内が保障期間になります。
何回か入院した場合でも退院後180日以内に再度入院した場合はそれらの入院を1回とみなします。
その場合、最初の入院前日の60日~最後の入院の翌日120日までという長い期間が保障の対象期間となります。
また、病気ないし不慮の事故による入院給付金と重複しての支払いはないという点もポイントです。
ちゃんと応える医療保険 レディースEVER(女性特有の病気にも備えられる医療保険)
入院前60日~退院後120日以内の期間であれば最高30日まで通院を保障してくれる点はEVERと変わりありません。
大きく変わる点としては女性がかかる可能性のある特有の病気になった場合に、上乗せで入院保障がつくという点です。
EVERは正常分娩が保障されていないのに対し、妊娠出産に伴う合併症も保障の範囲内に入っている分、女性にとって手厚い準備がされている保険といえます。
ただし、妊娠8ヶ月(28週)以降の人は申し込みをすることができないので注意が必要です。
ちゃんと応える医療保険 介護EVER(介護状態を想定した医療保険)
EVERとレディースEVER同様、最高30日まで入院前60日と退院後120日の通院を証してくれる点は変わりありません。
満50歳以上でしか加入ができないという点と、
ちゃんと応える医療保険やさしいEVER(既往症がある人でも入りやすい医療保険)
一度、入退院を経験した人向けの医療保険で、他の保険に比べても加入する際の告知内容がソフトなのが特徴です。
今現在、通院しているという人でも3つの質問が『いいえ』であれば加入できる医療保険です。
こちらもスタンダートタイプのものから女性特有の病気・介護状態を想定した医療保険と共通で、入院前60日と退院後120日の通院を最大で30日間保障してくれます。
満20歳~満85歳までの人が加入対象になっているので、健康に不安を抱える人にとっては魅力的な医療保険です。
アフラックはご紹介した4つの保険すべてで、むちうち症や腰痛は原因となる事象と症状との因果関係を証明しづらい症状(他にも何かしらの自覚症状がない場合)は保障の対象にはならないので注意してください。
オリックス生命の通院保障
オリックス生命は基本的に契約者の身に万一の事があった場合の死亡保障を手厚く考えているためか、販売されている保険のほとんどが死亡保障に備えるものです。
その中でも3つ通院保障となる特約が付加できる保険がありました。
約款に定めてある所定の治療であればがんにかった時にはかなり手厚い保障が受けられるので、家系的にがんに対して不安をかかえている人にとっては魅力的な商品になると思います。
通院保障は一時金という形で退院するタイミングをもって支給されるタイプの保険となります。
医療保険 新CURE(シンプルな入院保険)
がんと診断された場合に通院給付金が受け取れる『がん通院給付金』と、主契約の病気にかかった場合または不慮の事故による入院で入院給付が支払われる入院を経た後に生きて退院した場合に支払われる『通院治療支援一時金』というものがあります。
がん通院給付金は支払いも2パターンあります。
がんにかかって退院から1年間の通院期間の最大60日間支払ってくれる場合と、約款に定められている手術・放射線の照射・温熱療法・抗がん剤治療のための通院であれば支払日数は無制限です。
※ただし、経口投与できる抗がん剤は保障の対象外となります。
また、加入時に重度三疾病一時金特約またはがん一時金特約を予め付けておく必要があります。
通院治療支援一時金は病気や怪我はもちろんがんや心疾患、脳血管疾患にかかってしまい入院した後に生存して退院した時に通算50回まで一時金が支払われる特約があります。
入退院を繰り返す場合は、最後の退院から181日が経過していないと新たな入院とみなされません。
通院支援一時金の支払いが通算50回を超えるか病気と事故による入院給付金の支払いが通算1,000日になった場合にはこの特約は消滅してしまいます。
医療保険 新CUREレディ(女性特有の病気にも対応してくれる医療保険)
帝王切開などの通常分娩以外に伴う手術も保障してくれますが、妊娠中から加入する場合はこれらの異常妊娠と異常分娩は保障の対象には入りません。
がん保険ビリーブ
ホルモン剤と生物学的製剤(生きている体が生成する物質を薬品として使うもので、日本では主にリウマチの治療薬として使われている)は対象には入らないので注意が必要です。
上記2つの保険も基本的には新CUREと変わらない保障内容ですが、それぞれ専門的に用意された保険にはなるので、ご自身の体の状況を考えた上で必要に応じて選ぶといいでしょう。
かんぽ生命の通院保障
かんぽ生命の通院保障は『疾病通院保障』と『傷害通院保障』の2つの名称で特約として販売されています。
かんぽ生命も基本的に用意されている保険のラインナップは死亡保険になるので医療保険単体での販売はありません。
その代わり、特約という形で死亡保険に上乗せする形で怪我や病気による入院費用に対して備える医療特約があります。
住友生命の通院保障
住友生命にも特約で通院特約があります。
病気または不慮の事故で入院をしたという事が条件になるのと、災害入院特約・疾病医療特約・入院治療重点保障特約が保障しているそれぞれの給付金が支払われる入院をした時点で保障の対象となります。
退院日の翌日から120日以内の通院を1回の入院あたり最大で30日分保障してくれます。
通算700日分まで保障の範囲が行き届いています。
住友生命における通院の定義は医師による治療か柔道整復師による施術が大前提で、往診も含みます。
医療法や柔道整復師法に基づいている施設であれば、日本の国内だけではなく国外にある病院や診療所、施術所も保障の対象に入ってきます。
こちらも各保険会社と同様美容整形などの通院や薬の受け取りのみといった通院は保障の対象外となります。
むちうち症と腰痛も因果関係が証明できない症状にあたるので保障の対象外です。
ソニー生命の通院保障
ソニー生命にも医療保険の保障内容を強化する仕様で通院医療特約という名前で通院保障が準備されています。
こちらはメインとなる主契約の入院給付がおりる入院をした後に通院すれば、退院日の翌日から120日以内・最大30日の通院を保障してくれます。
ただし、入院期間が4日以内になってしまった場合は通院給付金を受け取る事はできません。
抗がん剤治療特約も通院保障に対応していて、がん給付の対象となった所定の抗がん剤治療を受けた場合に通院給付が支払われます。
しかし、特約を付加してから90日の待ち期間を経過しないと特約の保障が実行されないという点と、一ヶ月に1回しか支払われない(通算120ヶ月が限度)点は押さえておきましょう。
損保ジャパン日本興亜の通院保障
損保ジャパンは損害保険会社なので扱っている保険も生命保険ではなく損害保険になります。
なので、生命保険会社とは保険の適用されるシチュエーションが根本的に違います。
まず、損保ジャパンの場合は『THEクルマの保険』という自動車保険にプラスして付加できる『人身傷害保険』という特約になります。
これは契約した車に乗っている人(自身とその家族が対象)が事故で怪我をした場合の入院と通院が合わせて5日以上となった場合に入通院定額給付という形で保険金を支払ってくれるものです。
チューリッヒの通院保障
チューリッヒは通院に対する保障も特約という形でいくつかの保険に付ける事ができます。
付けられる保険は『終身ガン治療保険プレミアムDX』、『終身医療保険プレミアムDX』、『終身医療保険プレミアムDX Lady』、『3大疾病保険プレミアムDX』の4つでそれぞれ保険の主契約の特徴からカバーされる通院保障の内容も少しずつ違います。
終身ガン治療保険プレミアムDX(ガン治療に特化した保障内容で多岐にわたる治療を保障)
この保険はガンと診断された後に抗がん剤もしくはホルモン剤による治療を受けた段階で10~30万円(5万円単位で計算)、自由診療による抗がん剤もしくはホルモン剤による治療の場合は2倍の金額を、12ヶ月を限度に支払ってくれます。
更にガン通院特約を付加する事で、入院した日の前日から遡って60日以内~退院した日の翌日から365日以内の(120日までを限度とする)通院であれば通院保障として日額5,000円~3万円(1,000円単位で計算)を支払ってくれ仕組みになっています。
終身医療保険プレミアムDXと終身医療保険プレミアムDX Lady
この2つの保険は3大疾病のみならず7大疾病になった場合の入院は日数の上限はなく終身で保障してくれる保険です。
(Ladyの方には乳がん、子宮がん、流産や帝王切開もプラスで保障してくれる内容になっています)この2つの保険には退院後通院特約というものを付ける事ができ、退院した日の翌日から120日以内の通院であれば1日5,000円の退院後通院給付金を支払ってくれます。
1回の通院は最大30日を限度としていますが、通算1,095日まで保障してくれます。
3大疾病保険プレミアムDX(終身ガン治療保険プレミアムの3大疾病バージョン)
この保険は終身ガン治療保険と一緒で主契約がガンに対しての備えができるのか、3大疾病(ガン・急性心筋梗塞・脳卒中)に対応しているかの違いです。
所定の放射線治療もしくは抗がん剤治療も保障内容が同じで基本的な抗がん剤とホルモン剤治療は月額10~30万円(5万円単位で計算)、自由診療による抗がん剤とホルモン剤治療については2倍の月額が支払われます。
3大疾病通院給付金もあって、これも基本的には入院が前提条件の上に入院した日の前日から遡って60日以内、退院した日の翌日から365日以内の通院であれば保障してくれるという内容になっています。こちらは退院後に通院した日数は120日までの保障となります。
日本生命の通院保障
日本生命の通院保障は通院給付金として準備されています。
契約者が不慮の事故か病気による入院給付の対象となった場合に、退院した日の翌日から120日以内に治療を目的として通院した場合に支払われます。
こちらも美容整形はもちろん薬の受け取りだけの通院は保障の対象外となります。
1回の入院に対して最大30日まで通院給付は受け取る事ができます。
入院給付の対象は5日以上の入院となっている点には注意が必要です。
入院給付と通院給付の請求は別で行う必要があるので保険金請求の際は忘れないようにしましょう。
手続きに使う診断書(証明書)も日本生命所定の書類があるのでそちらに必ず記入してください。
損保ジャパン日本興亜ひまわり生命の通院保障
先ほどご紹介した損保ジャパン日本興亜の子会社でこちらは生命保険会社になります。
この会社にも通院保障となる特約があってそれが付けられるのが『終身医療保険・健康のお守り』、『女性のための入院保険フェミニーヌ』、『限定告知医療保険 新・健康のお守りハート』、『終身医療保険 新・健康のお守り 経営者プラン』の4つがあります。
終身医療保険・健康のお守り(スタンダードな病気や怪我への保障を準備する医療保険)
こちらの保険に通院保障を付加したい場合はオプションという形で、医療用通院特約と医療用がん外来治療給付特約という2つの特約が用意されています。
医療用通院特約は病気や怪我が理由の入院をして退院した日の翌日から180日以内にした通院が保障されます。
ただし、一度入退院して給付を受け取った後に再度入院となった場合は注意が必要です。
同じ理由(つまり病気の再発など)で180日以内に再度入院した場合は前回の入院と同一とみなされ保障の対象にはあてはまりません。
※医療用通院特約と医療用がん外来治療給付特約は同じ被保険者に対して一緒に付ける事が出来ません。
医療用がん外来治療給付特約は保険の保障期間が開始してからがんと診断された場合、通院や往診を保障してくれる特約です。
1年間で最大120日分の通院を保障してくれますし、1年を経過する段階で手術や放射線治療が継続して必要と認められた場合、新たに1年間給付金の支払いが延長される仕組みになっています。
(通算の支払い限度は設定されていません。)
※この特約は医療用がん診断給付特約と一緒に契約することが必須条件ですが、医療用通院特約と重複して契約する事はできません。
また、医療用がん外来医療給付には90日の免責期間があり契約後91日目以降に保障が開始される点にも注意が必要です。
女性のための入院保険フェミニーヌ(3年ごとにお祝い金が受け取れる医療保険)
この保険にはオプションという形で医療用通院特約が付けられます。
これも病気や不慮の事故によって入院した退院日の翌日から180日以内の通院が保障の対象となっています。
1回の入院で最高30日を保障してくれて、三大疾病による通院なら通算回数は無制限で保障してくれます。
新・健康のお守りハート(持病の悪化や再発にも備えられる限定告知タイプの医療保険)
3つの告知事項に答えれば加入できる保険で、持病があって健康に不安を感じている人でも比較的入りやすい保険です。
病気や怪我による入院から退院した場合、退院の翌日から180日以内にした通院を保障してくれる限定告知医療用通院特約というオプションをつける事ができます。
こちらも1回目の入院から180日以上経過していないと新たな入院としてみなされないのがポイントですが、1回の入院に対する通院で最大30日を通算1,000日まで保障してくれます。
つまり、通院期間の180日以内にまとまってではなく複数回バラバラに通院した場合でも限度日数の30日までは保障してくれるという仕組みになっています。
フコク生命の通院保障
フコク生命の通院保障は通院特約という形で用意されています。
入院して入院給付を受け取った事が前提になっていて、新通院特約・通院特約(01)というタイプであれば入院する前日から遡って60日~退院した日の翌日から120日以内の通院を保障してくれます。
通常の通院特約であれば入院する前の60日間は保障の対象に入らず、入院して退院した日の翌日~120日以内の通院を保障してくれるようになっています。
接骨院と整骨院への通院は、通院している施設が柔道整復師法に基づいている施設であるという点と、骨折や脱臼や捻挫や打撲の治療を目的としているという2点を満たしていればお支払いの対象に入ります。
マニュライフ生命の通院保障
マニュライフ生命には4つの保険がありその中でも医療保険はこだわり医療保険with PRIDEという1つだけです。
通院に対する保障は特約という形で準備されていて病気や怪我による入院を経て退院した後に通院給付金が受け取れます。
マニュライフ生命では非喫煙者に対しては別の保険料率を適用していて、少しでも健康的に日々を過ごせている人にお得な保険料となるよう設定されています。
三井住友海上の通院保障
三井住友海上も損害保険会社になるので車の保険に通院の保障があらかじめ付加されているか、特約を別に選んで付けるかという選択になります。
基本的には契約している車に乗っている時に事故で自分自身や同乗者が怪我をしてしまった時に保障してくれる人身傷害保険を車の保険とセットで加入するというイメージです。
もし、この人身傷害保険にセットで加入したくない場合には搭乗者傷害特約・搭乗者傷害倍額払特約・搭乗者傷害特約(人身傷害保険とセットで加入する事もできます)の3つの特約が別に用意されています。
病気が原因の通院には使えませんが、傷害一時金特約というものを付けていれば事故にあった日から180日以内に治療をして入院か通院した場合に給付が出る特約もあります。
こちらは治療日数に基づいて給付されて、1日~5日未満の治療であれば1万円、5日以上であれば10万円の保険金が給付されます。
メディケア生命の通院保障
メディケア生命は住友生命のグループ会社です。
通院保障は特約で準備されており、付加できる医療保険は4つあります。
『医療保保険はメディフィットA』…保険料をおさえ医療と特にがんに備えておきたい人のための保険、『メディフィットA女性専用パック』…女性がかかりやすい病気やがんをサポートしてくれる保険、『メディフィットPlus』…保障は生涯続いて保険料も上がらず所定の要件を満たせば一時給付金を1年に1回受け取れる保険、『メディフィットRe』…3つの告知事項だけで加入できるので持病があるなどの健康に不安を抱えている人向けの保険。
これら4つの保険に通院治療特約を付加すれば病気や不慮の事故で入院、入院給付金を受け取ったのちに退院した日の翌日から180日以内(がんが原因の入通院であれば退院した日の翌日から5年以内)にした通院が保障の対象です。
1回の通院につき最大30日まで、通算1,000日までを保障限度としています。
もし、入通院の原因ががんなのであれば前述の支払い限度を超えて給付金を支払ってくれます。
楽天生命の通院保障
楽天生命も通院は通院給付金か一時金を出すスタイルで保障しています。
医療保険だけでも8種類あって病気や怪我による入院を保障するシンプルなものから、女性向け、持病がある人向けのプランなど様々なものが用意されています。
がんに対する保険だけでも3種類、合計11種類が医療保険としてラインナップされています。
一泊二日の短期入院だけに対する備えや、三大疾病のみに保障内容を限定する事で保険料を抑えているなど多様化する入通院のスタイルに備える事が可能です。
スタンダードな医療保険であれば入院して退院した後の入院1回につき最大30日(通算1,095日まで)を保障してくれます。
金額は入院給付日額の60%で、女性向けの『あんしんプラス』や、持病を持つ人に向けた『スーパーたよれる医療保険』すべてに共通しています。
大同生命の通院保障
大同生命も生命保険会やですが、TVCMでもおなじみの個人だけではなく経営者に向けた生命保険を積極的に取り扱っているイメージのある会社です。
実際、険商品を見ていても万が一の備え…つまり死亡保障や病気や怪我、介護状態に陥るなどした働けなくなった場合を想定した商品が充実しており、通院保障単体の特約は準備されていません。
その代わり、入院給付金や手術給付金を使って通院にも備えましょうというスタイルをとっています。
ちなみに個人で契約した場合の一般的な死亡保険金は~3,000万円程度で、~5,000万円用意していればかなり手厚い保障と言えます。
企業経営者ともなると死亡保険金はだいたい1億円を準備するところからスタートとなります。
会社の規模にもよりますがそれだけ従業員への給料や会社の運転資金に充填するお金を確保する必要があり、そこから通院など諸々の諸経費を捻出する事になるのでしょう。
第一生命の通院保障
第一生命も通院特約があって保険に加入した時期によって4つの種類に分かれています。
分かれていても保障内容は一緒で、病気や不慮の事故による入院を5日以上経験した場合に通院した日数分給付金が支払われます。
ジャストという名称の商品がこの特約を付けられる医療保険で、特定の病気や入院や介護といったケースに備えておけます。
がん保険もありますがこちらは第一生命ではなくアフラックの商品を窓口販売しているようです。
プルデンシャル生命の通院保障
プルデンシャル生命は外資系の生命保険会社でこちらも死亡保障などの万が一の場合に備える保険が多いイメージのある保険会社です。
通院保障は通院給付金として準備されていてプルデンシャル生命の規定によると入院給付金が受け取れるような入院をして退院した日から120日以内の通院が保障となっています。
病院はもちろん整骨院と接骨院も保障の対象に入るようです。
(骨折・脱臼・捻挫・打撲の治療のためにかよう柔道整復師が開業している所定の施術所に限る)
メットライフ生命の通院保障
メットライフ生命には終身医療保険が3つ『終身医療保険フレキシィS』、『終身医療保険フレキシィS(女性専用タイプ)』、『終身医療保険フレキシィゴールド』があります。
他の保険会社と同様、ノーマルと女性専用タイプのフレキシィSの2つは入院と手術の2つをカバーしてくれる基本保障にオプションで先進医療特約や特定の病気に対して保障を手厚くできる特約が準備されていて、通院特約もその中の1つです。
退院後の通院を保障してくれて、たった1日だけの通院であったとしても基本契約で定めた入院日額の何割かを日額で支払ってくれる仕組みになっています。
メットライフ生命にはもう1つ『リターンボーナスつき終身医療保険』というものがあります。
これは契約してから保険金を請求する事がなければ(途中で入院や手術をした場合はもちろん入院給付金や手術給付金で保障)受け取り回数は契約時の年齢やプランによりますが保険料の払い込み期間中5年ごとにお祝い金3万円が受け取れ、さらに保険期間終了時に生存還付金が受け取れるようになっています。
この保険にも退院した後の通院に備えて特約で給付金を準備する事ができます。
県民共済の通院保障
県民共済の通院保障は交通事故や不慮の事故で通院した場合の通院を保障してくれます。
病気で通院した場合は保障の対象外となり、通院日数が14日以上~90日以内になった場合に給付金がおりるようになっています。
(通院日数が14未満なら、入院日数と合算して14日以上になれば事故にあった日の当日から180日以内の通院を保障してくれます。)県民共済なのでご想像の通り掛け金も安くすみますが、その分、受け取れる保険金や保障されている日額もとても少額なもので、民間の保険会社が日額3,000円~保険のプランによっては6,000円受け取れるものが多い中、県民共済は最小プランで日額750円~最大でも日額3,000円に留まっています。
JA共済の通院保障
JA共済にも入院を経た場合の通院に対して支払われる共済金を準備できる特約がありましたが、こちらは平成22年4月1日以降の契約には付けられなくなってしまいました。
まとめ
各保険会社がおすすめする保障内容は保険会社それぞれの考え方が反映されています。
この記事では通院保障にスポットを当てて各保険会社の商品内容を比較しているのでどうしても死亡保障を手厚く準備しようという考え方の生命保険会社はデメリットしかないように映りますが、決してそういう訳ではありません。
大事なのは病気や怪我をしてしまうリスクが自分にどの程度あるかを考えるという点と、それ以上にそうなった場合の費用をどの程度、自身で負担できそうなのかを事前に計算し把握しておく事です。
極端な話、もしご自身の貯蓄でカバーできそうなのであれば月々の保険料を支払うよりも貯蓄に回すお金を増やしたほうが得策かもしれませんね。
逆に家系的に罹患の恐れが高い特定の病気がある場合は事前にこういった医療保険や特約を活用して準備しておくと安心できます。
それぞれの商品の違いをきちんと把握しておけば問題ありません。