学資保険で将来100万円準備する方法~FPが教える学資保険100万円シミュレーション
学資保険で将来100万円を準備しようとした場合、月々の保険料は4,500円前後となります。
子供が多くいる方や、家計の現状を考えると学資保険の受取金を100万円に設定したいという家庭も多くあることが調査で明らかにされています。
そうしたニーズに応える保険会社もある一方で、受取金額が100万円に設定できず、最低受取金額が160万円や210万円という保険会社があるのが現状でもあります。
この記事では、学資保険の受取金の平均額や受取金を100万円とした場合に教育資金は足りるのか、そして受取金総額を100万円や各保険会社の受取金最低金額に設定したシミュレーション詳細をご紹介します。
そして、保険料を一括で支払った際には返礼率は月払よりも返礼率はぐんとあがります。
各保険会社の学資保険を一括で支払った場合、どれだけお得になるのかもシミュレーションしましたので、参考にしてみてください。
目次
学資保険は平均いくらかけるの?
学資保険にかける月々の掛け金や、満期受取金の平均はいくらになるのでしょうか。
リサーチ機関や各保険会社が行った調査をまとめると、以下になります。
・月払保険料の平均:1万円〜2万円
・満期受取金の平均:200万円〜300万円
保険料に関しては、月々1万円から2万円の範囲で家計のやりくりをしながら無理なく支払っていくというスタイルが最も多い結果となりました。
また、満期学資金は、最もまとまった教育資金が必要な大学入学時の費用として200万円から300万円を準備しておく家庭が多いことも明らかにされています。
学資保険の受取金が100万円は少なすぎる?
学資保険の受取金が100万円だと少なすぎるということは決してありません。
掛け金や受取金の少なさから加入をためらう必要はなく、子供と親の将来にプラスになるというのであれば加入を検討しましょう。
ただし、大学進学を考えると、教育資金の全てを学資保険の受取金100万円でまかなうということは現実的に厳しいと言えます。
学資保険以外の貯蓄方法や祖父母の援助、奨学金制度の利用など色々な手段を活用しながら、教育資金が足りなくなるかもしれないという不安は解消していきましょう。
以下に、各保険会社の学資保険で100万円を貯めるシミュレーションをしてみました。
郵便局のかんぽ・JA共済・ソニー生命の3社は受取金総額を100万円に設定できましたが、ニッセイ・明治安田生命・フコク生命は最低受取金額が100万円以上でした。
ですので、受取金を100万円に設定できなかった3社は、最低受取金総額でシミュレーションしています。
郵便局かんぽ生命の学資保険で100万円を貯めるシミュレーション
【契約条件】
・契約者(親):30歳 男性
・被保険者(子供):0歳 男の子
・払込期間:18歳まで
・満期年齢:21歳
・満期受取金:100万円
【シミュレーション結果】
・月払保険料:4,850円
・払込保険料総額:1,050,000円
・返戻率:約95.2%
かんぽ生命の学資保険は、満期の年齢を21歳で払込期間を18歳までにした場合には、大学入学時から毎年25万円ずつを年金のような形で受け取るようになります。
大学入学時に受取金100万円を一括でもらうようにもでき、そうすると月払の保険料は4,880円とほんの少し高くなります。
医療保障も月額350円を上乗せすると加入することができます。
JA共済の学資保険で100万円を貯めるシミュレーション
【契約条件】
・契約者(親):30歳 男性
・被保険者(子供):0歳 男の子
・払込期間:18歳まで
・満期年齢:22歳
・満期受取金:100万円
【シミュレーション結果】
・月払保険料:4,611円
・払込保険料総額:995,976円
・返戻率:約100.4%
JA共済の学資保険は、中学校・高校・大学と進学時期に合わせたプランを選ぶことができます。
シミュレーションは、大学進学に合わせたプランで保険料は月々4,611円で返戻率も100%以上になります。
契約者に万一のことがあった際に、それ以降の保険料の払い込みが免除になる保障を外すと月額保険料は4,566円とさらに安くなり、返戻率は101.3%に上がります。
ソニー生命の学資保険で100万円を貯めるシミュレーション
【契約条件】
・契約者(親):30歳 男性
・被保険者(子供):0歳 男の子
・払込期間:18歳まで
・満期年齢:22歳
・満期受取金:100万円
【シミュレーション結果】
・月払保険料:4,458円
・払込保険料総額:962,928円
・返戻率:約103.8%
ソニー生命の学資保険は返戻率の高さに評判があり、受取金総額を100万円に設定できる3社のなかでも最も保険料が安く、高い返戻率となりました。
また、ソニー生命は受取金総額が最低50万円から設定できますが、その場合は払込期間が10歳までとなります。
払込期間を18歳までにしたいという場合には、受取金最低総額は75万円です。
その場合のシミュレーションは以下になります。
ソニー生命の学資保険で50万円を貯めるシミュレーション
【契約条件】
・契約者(親):30歳 男性
・被保険者(子供):0歳 男の子
・払込期間:10歳まで
・満期年齢:22歳
・受取金総額:50万円
【シミュレーション結果】
・月払保険料:3,885円
・払込保険料総額:466,200円
ソニー生命の学資保険で75万円を貯めるシミュレーション
【契約条件】
・契約者(親):30歳 男性
・被保険者(子供):0歳 男の子
・払込期間:18歳まで
・満期年齢:22歳
・受取金総額:75万円
【シミュレーション結果】
・月払保険料:3,343円
・払込保険料総額:722,088円
・返戻率:約103.8%
受取金総額を50万円にすると、払込期間が10歳までと制限があり、結果として返礼率が良くなります。
50万円というと少ないように感じられるかもしれませんが、学資保険は教育資金の貯蓄でもあると同時に資産運用という側面も持ち合わせています。
現在は少額から始めることができる投資商品も多くありますが、額面割れの可能性というリスクを伴います。
その点、学資保険は途中解約しない限りそうしたリスクはほぼ避けられる安心安全の資産運用とも言えますから、50万円でも加入する価値はあります。
ニッセイの学資保険で210万円を貯めるシミュレーション
【契約条件】
・契約者(親):30歳 男性
・被保険者(子供):0歳 男の子
・払込期間:17歳まで
・満期年齢:21歳
・受取金総額:210万円
【シミュレーション結果】
・月払保険料:10,136円
・払込保険料総額:206,744円
・返戻率:約101.5%
ニッセイの学資保険は受取金の最低総額が210万円でしたので、その金額でシミュレーションしました。
ニッセイは年金型の学資保険で、このシミュレーションですと大学入学時に75万円を受け取り、それ以降は毎年35万円ずつ受け取っていくようになります。
なお、ニッセイには学資保険の他に「こども保険」という教育資金の貯蓄に加えて、親や子供の病気やケガなど万一の事態に備える保障が手厚くできるタイプのものもあります。
契約者である親が死亡した場合に以後の保険料が免除になる「契約者保障保険料払込免除特約」や、「こども総合医療保険」を組み合わせることが可能です。
このこども保険の受取最低総額は、130万円になります。
明治安田生命の学資保険で160万円を貯めるシミュレーション
【契約条件】
・契約者(親):30歳 男性
・被保険者(子供):0歳 男の子
・払込期間:15歳まで
・満期年齢:21歳
・満期受取金:160万円
【シミュレーション結果】
・月払保険料:8,651円
・払込保険料総額:1,557,180円
・返戻率:約102.7%
明治安田生命の学資保険は、受取金の最低総額が160万円です。
またこの金額の場合、払込が15歳までと限定されています。
受取金額と払込期間の短さから、月払保険料は他社と比較すると高くなります。
しかし、返礼率を見ればわかる通り保険料が割高であるということではなく、受取金額と払込期間に制限があるためにこのような結果となりました。
明治安田生命は学資保険の貯蓄性を重視しており、高い返礼率を保つために受取金の最低額が他社よりも高く、
払込期間も制限を設けています。
フコク生命の学資保険160万円を貯めるシミュレーション
【契約条件】
・契約者(親):30歳 男性
・被保険者(子供):0歳 男の子
・払込期間:11歳まで
・満期年齢:22歳
・満期受取金:160万円
【シミュレーション結果】
・月払保険料:11,483円
・払込保険料総額:1,515,756円
・返戻率:約105.5%
フコク生命は。明治安田生命と同じく受取金の最低総額が160万円です。
受取金を160万円にすると払込期間は11歳までになります。
ですので、明治安田生命よりも払込期間が短くなるため保険料は11,483円と高くなります。
払込期間を長くしたいという場合には、14歳までに期間を設定すると受取最低金額が180万円、17歳にすると200万円という制限がフコク生命にはあります。
やはり、明治安田生命と同様に高い返礼率を保つために受取金と払込期間に制約があるようです。
学資保険の受取金100万円を一括で支払うとどれくらいお得になるかシミュレーション
学資保険は、保険料を支払う期間が短ければ短いほど返礼率が良くなります。
一括で払い込むことも可能で、払込方法のなかでそれが一番お得です。
もしも、一括で払い込むことができる金銭的な余裕があるということであれば、おすすめの支払い方法です。
保険料を一括で保険会社に預かってもらい、それを保険会社が月々決まった額で引き落としていく形の「前期前納払」という支払方法が学資保険にはあります。
この支払方法は保険料払込免除特約も適用されるので、万が一親である契約者が死亡した場合には引き落とされていない保険料が返還され、受取金も予定通り受け取ることができます。
以下では、受取金を100万円に設定することができるかんぽ生命・JA共済・ソニー生命の3社で保険料を前期前納払で支払うとどれだけお得になるのかシミュレーションをしました。
郵便局のかんぽ生命の場合
【月払】
・払込保険料総額:1,050,000円
・返戻率:約95.2%
【前期前納払】
・払込保険料総額:1,024,976円
・返戻率:約97.6%
かんぽ生命は、月払でも前期前納払でも返礼率は100%を下回ります。
しかし、支払い方法を前期前納払にすると月払よりも25,024円お得になり、返礼率は2.4%上がります。
JA共済の場合
【月払い】
・払込保険料総額:995,976円
・返戻率:約100.4%
【前期前納払】
・払込保険料総額:905,279円
・返戻率:約110.4%
JA共済は、前期前納払にすると月払いよりも90,697円お得になり、返礼率は10%良くなります。
各保険会社のなかでも、JA共済は支払い方法を前期前納払にすると返礼率がぐんと上がります。
この返礼率は、学資保険という枠にとらわれず、金融商品というくくりのなかでも高い数字と言えるでしょう。
ソニー生命の場合
【月払い】
・払込保険料総額:962,928円
・返戻率:約103.8%
【前期前納払】
プランナーにご確認下さい。
ソニー生命は月払いよりも前期前納払いの方が、37,899円お得です。
返礼率は4.2%上がる結果となりました。
いくら貯めるかも重要だけど、無理なく支払いが出来るかどうかはもっと重要
子供の教育資金を貯める際、子供が将来どんな選択をしても金銭面で支えてあげたいですよね。
そう考えた時にいくら教育資金を貯めるのかはとても大切なことになりますが、学資保険の場合には無理のない保険料の設定がそれよりも重要なこととなります。
その理由は、もし無理な保険料を設定して支払いができなくなってしまい途中解約をしてしまうと、受取金がそれまで支払った保険料の総額よりも大幅に減ってしまう可能性が大きいからです。
せっかく子供の将来のために月々無理をして保険料を支払ったにも関わらず、受取金が支払った保険料の総額を下回るようでは、銀行に預金をした方が良かったと結果的に後悔してしまうことになりかねません。
ですから、子供の将来を考えるとともに、家計の現状や今後のライフプランに沿った無理のない保険料を設定して、途中解約をすることのないようにしましょう。
まとめ
学資保険で100万円を準備するのには、月々4,500円前後の保険料を支払うこと、また一括で保険料を支払うと返戻率が大幅に上がることをこの記事ではご紹介しました。
また、保険会社によっては受取金の最低総額が100万円以上の会社もありましたが、そのシミュレーションも参考になりましたでしょうか。
子供の未来のために教育資金を貯めることはとても重要なことですが、一方で今の生活を無理なく楽しむことも親だけでなく子供の成長にとってとても大切なことです。
そう考えると、受取金が100万円でも銀行よりも返戻率の良い学資保険に加入する価値は大いにあると言えます。
ですので、学資保険に加入する際は、受取金の総額とともに、保険料を無理のない範囲に設定することを心がけましょう。