オーストラリアの治安は悪い?良い場所は?外務省発表のデータを元に分かりやすく解説
皆さんはオーストラリアに行ったことはありますか?
オーストラリアに訪れる人々の目的は、旅行、仕事、留学など様々です。
オーストラリアの治安も気になるところです。
オーストラリアは、日本より多くの犯罪が発生している状況です。
地域によって日本人がどういった被害に遭っているかは異なりますが、スリや置き引き、強盗、自動車の盗難などが多く発生しています。
さらに、犯罪が多い場所、つまり治安が悪い場所も地域によりますが、首都キャンベラや、シドニーの繁華街、オペラハウスといった有名観光地、ビーチなどとなっています。
こういった場所では、手荷物を肌身離さず持つことが大事ですし、現金を持ち歩く際には少なくするといった工夫も必要です。
さらに、夜は出歩かないこと、自動車は管理人のいる安心できる駐車場に停めることなどの対策を講じることも重要です。
さらに、オーストラリア政府はテロ事件に警戒しており、警戒レベルを5段階中3番目の「起こりそうである」にしています。
かかりやすい病気に関しては、日差しが強いため熱射病などに注意しなければなりません。
海でのケガにも気を付けたいです。
万が一オーストラリアで事件など緊急事態が発生したときには、国内共通の「000」にかけることになります。
ただし、これは緊急の場合のみです。
日本語の通じる病院の電話番号も記載しています。
ぜひ参考にして、充実した滞在にしましょう。
目次
オーストラリアの治安は良いのか悪いのか
オーストラリアは、日本とは反対の南半球にある、面積が非常に大きい国です。
東側には首都のキャンベラやシドニー、メルボルンといった有名な都市が密集しています。
シドニーは特に有名でオペラハウスが世界的な観光地となっています。
オーストラリアの首都がシドニーだと思っていた人も多いのでないでしょうか。
私も幼いころはそう思っていました。
このような有名観光地の他にも、オーストラリアは自然豊かで、カンガルーやコアラといったかわいい動物たちに触れ合うこともできるのも魅力です。
南半球にあるため、日本とは季節は逆になります。
そのため、夏のクリスマスも楽しめます。
さらに、英語を学びに留学する人や、ワーキングホリデーで訪れる人も多いのも特徴です。
オーストラリアには、様々な目的を持って世界中から人々が訪れるのです。
そんな魅力的なオーストラリアですが、治安は良いのでしょうか?
オーストラリアに長年の友人がいますが、治安は良いと言っています。
外務省によると、オーストラリアには危険情報は発令されていません。
国土が広いですが、どの地域においても出ていません。
以降、オーストラリアの治安は本当に良いのか、犯罪の発生状況や巻き込まれやすいトラブル等について、詳しく解説していきます。
オーストラリアにおける犯罪発生状況について
初めに、どのような犯罪が多く起こっているのかについて、解説していきます。
ここでは、オーストラリア首都特別地域、ニューサウスウェールズ、クイーンズランド、ビクトリアに分けて見ていきます。
それぞれの地域で、数値の算出方法が異なりますので、一概には比較できませんが、参考としてご覧ください。
①オーストラリア首都特別地域(ACT)
この地域には、首都のキャンベラがあります。
日本でも、首都の東京は犯罪が多いですが、オーストラリアも首都のあるACTでは、犯罪が多いのでしょうか。
2017年のACTにおける発生件数は、16,276件でした。
具体的に見ると、この中で多いのが窃盗の9,470件であり、次に侵入盗の2,586件、暴行傷害の2,341件となりました。
窃盗は1日に換算すると、およそ26件となります。
ACT自体は面積が小さいにもかかわらず、これだけの窃盗が起きているのです。
②ニューサウスウェールズ(NSW)
この地域には、有名なシドニーがあります。
オペラハウスを中心に、世界中から多くの観光客が集まります。
NSWの2017年の人口100,000人あたりの発生件数を見ると、暴行傷害が一番多く、790.9件となりました。
ちなみに、単純に比較できませんが、日本では42.8件です。
NSWは国土が広い地域ですが、この中でもやはりシドニーやその周辺での件数が非常に多くなっています。
観光客の多い場所で、犯罪も多く発生しているのです。
③クイーンズランド(QLD)
クイーンズランドは、オーストラリアの右上・北東を占める地域です。
ケアンズやブリスベンといった都市があり、聞いたことのある人もいるのではないでしょうか。
オーストラリアを訪れる日本人のうち、その多くがここクイーンズランドを訪れています。
フライト時間が他の地域と比べて短いことも、関係しているのでしょうか。
クイーンズランドの2017年7月から1年間の認知件数は、149,843件でした。
この中で圧倒的に多いのが窃盗で、122,139件と全体の80%を占めています。
1日でおよそ335件起きていることが分かります。
④ビクトリア(VIC)
ビクトリアは、右下・南東にある比較的小さな地域です。
この地域にあるメルボルンは、「世界で一番住みやすい都市」と言われています。
留学やワーキングホリデー目的で訪れる日本人も多いです。
2017年の発生件数は、117,137件でした。
暴行や傷害、侵入窃盗が多く、どちらも約44,000件発生しています。
さらに、性犯罪も比較的多いです。
参考サイト⇒在オーストラリア日本国大使館「安全の手引き」、在シドニー日本国総領事館「シドニー安全の手引き」、在ブリスベン日本国総領事館「安全の手引き」、在メルボルン日本国総領事館「安全な生活のために」
オーストラリアで日本人や観光客が巻き込まれやすいトラブルや事件
次に、各地域で日本人が巻き込まれやすいトラブルについて、解説します。
①オーストラリア首都特別地域(ACT)
ACTでは、実際に自動車の盗難や、車上荒らし、家宅侵入による日本人の被害が報告されています。
観光客の中でも、車に乗ったり、友達の家に泊まるといった人もいるかもしれません。
自分はそこに住んではいないから関係ない、と油断してはいけません。
観光に来た人の中には、繁華街に行きたい!という人もいると思います。
そういった場所では、お酒による傷害事件も起こっていますので、巻き込まれないように注意しなければなりません。
②ニューサウスウェールズ(NSW)
シドニーのあるこの地域では、どういった日本人の被害が報告されているのでしょうか。
実際の日本人の被害としては、スリやひったくり、置き引きといった窃盗や盗難が多く起こっています。
具体的には、レストランでの置き引きの被害や、ホテルでシャワーを浴びている最中に、貴重品を盗まれたというケースです。
犯行は、1人だけとは限らず、数名のグループによるものも報告されています。
人の多く集まっている場所であれば、犯人たちは隠れやすく狙いやすいのです。
また、NSWでも繁華街において暴力事件も多発しており、残念ながら死亡した例もあります。
③クイーンズランド(QLD)
窃盗の件数は圧倒的に多いこの地域では、やはり日本人もスリ、ひったくり、置き引きといった窃盗の被害に遭っています。
レストランやビーチで、荷物を置いたままその場を離れてしまい、戻ったころには盗まれているケースや、夜中に突然暴行を加えられ、貴重品を奪われるといった恐ろしいケースも発生しています。
さらに、QLDの南にあるゴールドコーストでは、自動車の盗難も報告されています。
日本ではあまり自動車の盗難はニュースになりませんが、オーストラリア・ゴールドコーストでは、自動車の管理に特に気をつけなければなりません。
④ビクトリア(VIC)
ビクトリアでも、日本人を狙った置き引きやスリが多く発生しています。
具体的には、カフェで食事中にバッグを盗まれるケースや、路上パフォーマンスに夢中になって見ている隙にスリに遭うケースなどです。
日本では見られないような路上パフォーマンスを見ているのを狙って、犯人は犯行に及ぶのです。
さらに、大人の男性、女性による犯行だけではなく、子どもを連れた大人たちが犯行に及ぶケースもあります。
子ども連れだからといって油断はできません。
さらに、ワーキングホリデーに来た人が勤め先の賃金や家賃などのお金のトラブル悩まされることも度々あります。
参考サイト⇒外務省海外安全ホームページ「安全対策基礎データ」、在シドニー日本国総領事館「シドニー安全の手引き」、在メルボルン日本国総領事館「安全な生活のために」
オーストラリアで特に注意が必要な治安が悪い場所
次に、地域別に治安が悪い場所をご紹介します。
①オーストラリア首都特別地域(ACT)
先ほど、ACTにおける犯罪の発生件数を見ましたが、発生率でいうと、やはり首都キャンベラが高くなっています。
さらに、キャンベラの北西にあるBelconnen(ベルコナン)、南にあるTuggeranong(タガーアノン)のショッピングセンターなども発生率が高い傾向にあります。
こういった地域での自動車の盗難・車上荒らし、家宅侵入には気を付けましょう。
在オーストラリア日本国大使館の「安全の手引き」から、現地の警察のホームページに飛ぶことができ、どのような犯罪がどこで何件発生しているか分かるようになっています。
ただし、英語表記です。
②ニューサウスウェールズ(NSW)
先ほど述べたように、この地域ではシドニーの犯罪発生率が高くなっています。
日本人の被害の多いスリや置き引きなどは、このシドニーにあるオペラハウスや、その周辺のロックス、ダーリングハーバー付近で発生しています。
この周辺はシドニーを訪れる人であれば、散策する場所であると思います。
日本人が多いからといって油断はできません。
③クイーンズランド(QLD)
先述したように、QLDにおいて、置き引きやスリはレストランなどの飲食店やビーチなど人の賑わう場所で発生しています。
さらに、ゴールドコーストにおいては、自動車の管理をいつも以上に徹底しましょう。
④ビクトリア(VIC)
VICにおいて、犯罪発生件数の多いのは、メルボルンです。
メルボルンに行ったらぜひ訪れたいフリンダース・ストリート駅や、州立図書館などは、夜になると治安が悪くなります。
バーの夜の利用にも気を付けましょう。
参考サイト⇒外務省海外安全ホームページ「安全対策基礎データ」、在オーストラリア日本国大使館「安全の手引き」、在メルボルン日本国総領事館「安全な生活のために」
オーストラリアでの防犯対策について
次に、知っておきたい防犯対策についてです。
以下5つのトラブルに遭わないための防犯対策をまとめてみました。
①すり、置き引き、ひったくり
このような被害に遭わないためには、第一に「自分の手荷物を肌身離さず持つ」ことです。
レストランやビーチ、ホテルなどでは、食事をしたり、海に入ったり、手続きをしたりすることで、自分の手荷物に意識が行かないことが考えられます。
まずは、自分の手荷物は自分で守ることを徹底しましょう。
レストランで席を取るときも、友人に頼らず、自分で管理しましょう。
さらに、現金を持ち歩く際には、最小限にすることが大事です。
外国人から見ると、日本人は現金を多く持ち歩いている認識を持たれています。
万が一、狙われた場合でも、被害を最小限に抑えられるように努めましょう。
さらに、外出中には周りに怪しい人々がいないか、確認することも重要です。
複数の人が自分に近づいてきたときには、速やかにその場から離れましょう。
子どもにも注意しましょう。
②強盗
まずは、「夜は出歩かない」「治安の悪い場所には行かない」ことが重要です。
夜は昼よりも周りの様子がよく見えなくなるため、不審な人が近づいてくるのが分かりづらい状況です。
先ほど解説した治安の悪い場所は、あらかじめ地図アプリなどで場所を確認し、そこを回避するようにしましょう。
③飲酒による傷害・暴行
まずは、夜の繁華街での飲酒は控えましょう。
特に週末になると事件が発生しやすくなっています。
旅行でオーストラリアに来た場合、フライトの疲れも出てきますし、慣れない土地でストレスがたまることも十分に考えられます。
そういったときには、酔いも回りやすいので、トラブルに巻き込まれないためにもできるだけ繁華街での飲酒は避けましょう。
④自動車の盗難
オーストラリアで車を利用する際には、管理人がいる駐車場を利用しましょう。
そして、管理人の目の届きやすい位置に停める工夫も必要です。
⑤車上荒らし
車上荒らしを防ぐためには、車から少しでも離れる際には、貴重品は肌身離さず持ち歩くようにしましょう。
車の外から車内に何かあるのが見えてしまうと、狙われやすくなってしまいます。
さらに、車を停める際には、防犯カメラの下など、犯人が犯行に及びにくい場所に停めるなど工夫しましょう。
この工夫は、自動車の盗難の対策にもなります。
参考サイト⇒外務省海外安全ホームページ「安全対策基礎データ」、在メルボルン日本国総領事館「安全な生活のために」、在シドニー日本国総領事館「シドニー安全の手引き」、在ブリスベン日本国総領事館「安全の手引き」
オーストラリアに滞在している時に特に注意するべきこと
次に、オーストラリア滞在中に特に注意すべきことについてです。
これまで解説してきたように、様々な犯罪に遭わないために、対策を講じることも大事です。
その他にも注意するべきことを1つご紹介します。
それは、テロ事件に警戒することです。
先述したように、日本の外務省の発令する1~3危険レベルはオーストラリアには出ていません。
ただ、現地では、テロ警戒レベル「起こりそうである(PROBABLE)」を発令している状況です。
最近では、2018年の11月にメルボルンで死者が出るテロ事件が発生しています。
テロ事件自体を私たちが防ぐことは困難です。
ただ、テロに巻き込まれないために、起こりやすいと考えられる場所に行くことを控えたり、滞在時間を短くすることは十分出来ます。
標的になりやすい場所は、人の多く集まる観光地やレストラン、ショッピングモール、コンサート会場、教会や政府の関連施設です。
旅のプランを立てるときには、そういった場所の滞在時間を短くするなど工夫しましょう。
参考サイト⇒外務省海外安全ホームページ「オーストラリア:メルボルンにおけるテロ事件発生に伴う注意喚起」
オーストラリアで特に注意をするべき病気とケガ
次に、オーストラリアで注意するべき病気とケガについてです。
オーストラリア滞在中には、以下に注意しましょう。
①熱射病、脱水症状
オーストラリアは、紫外線が強く日照時間も長い地域です。
肌が焼けやすいのに加えて、熱射病で頭が痛くなったり、めまいを起こす可能性もあります。
外出する際には日焼け止めクリームや帽子をかぶり、十分に紫外線対策をしましょう。
水も持ち歩き、こまめに水分を取りましょう。
②ビーチなどでのスポーツによるケガ
ビーチで遊ぶことを考えている人は多いかと思います。
泳いだり、ダイビングをする際には、深いところまで行かないこと、ガイドとダイビングするなど、安全に十分配慮しましょう。
さらに、猛毒のクラゲに刺される被害も出ています。
最新の情報を収集するように努めましょう。
参考サイト⇒外務省海外安全ホームページ「安全対策基礎データ」、外務省海外安全ホームページ「【安全情報】猛毒クラゲの大量発生」
オーストラリアの衛生面での心配点
次に、オーストラリアの衛生面についてです。
オーストラリアでは、特に衛生上問題となっていることはありません。
オーストラリアで何かあった際の連絡先と対処方法
最後に、事件に巻き込まれたり、体調を崩した際の連絡先をご紹介します。
・緊急の場合
<警察・消防・救急>オーストラリア全域共通の番号「000」となっています。
無料でかけられます。
繋がったら、何があったのか正確に伝えましょう。
単に相談したいなどの場合には、この番号にはかけずに、お近くの警察などに連絡しましょう。
・日本語が通じる病院(一部)
<タウンホール・クリニック>「1800-355-855」
シドニーにある年中無休の病院です。
<ノースブリッジ・メディカル・プラクティス>「9958-7140」
NSWにある病院で、土曜日も診察しています。
その他、大使館と総領事館の連絡先をご紹介します。
<在オーストラリア日本国大使館>「02-6273-3244」
<在シドニー日本国総領事館>「02-9250-1000」
<在ブリスベン日本国総領事館>「07-3221-5188」
<在メルボルン日本国総領事館>「03-9679-4510」
参考サイト⇒外務省海外安全ホームページ「安全対策基礎データ」、在シドニー日本国総領事館「シドニー安全の手引き」
まとめ
以上、オーストラリアの治安でした。
オーストラリアは、留学生やワーキングホリデーで訪れる人が多いため、どうしても「治安は良い」印象を持ってしまいます。
大切なのは、そういった思い込みをやめて、実際の日本人の被害例や治安の悪い場所について知り、対策を講じることです。
行動を起こさなければ、意味がありません。
オーストラリアの自然、文化、食を存分に楽しむためにも、ぜひ日本にいる段階でしっかりと不安のないように準備をしていきましょう。