学資保険300万円は多すぎ?学資保険で300万円準備する方法とシュミレーション

2024.07.16

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学資保険の受取額を3,000,000円で考えているお父さん、お母さんは多いと思います。

そこで気になるのが、「果たして3,000,000円で足りるのか?」ということです。

大学入学費用に充てるために受取額3,000,000円で加入すると、「どのように受け取るか」で足りるか足りなくなるかは変わってきます。

この記事では、大手保険会社5社の学資保険に3,000,000円で加入した場合、入学費用として18歳のときにどのくらいの金額を受け取れるか、ご紹介していきます。

さらに、3,000,000円とした場合に保険料は毎月いくらになるのかも払込期間別に解説していきます。

ぜひ学資保険のプラン選びの参考にしてみてください!

目次

学資保険、満期受取金が300万円は妥当?

学資保険に加入する際に、満期受取金はいくらにすればいいのかな?と迷う人は多いと思います。

保険会社によって設定できる金額は異なりますが、多くの会社で3,000,000円で設定できるプランを取り扱っています。

「他の人はいくらで加入しているのかな?」「そもそも教育費はいつ、いくらかかるのかな?」「大学入学時にはどのくらいのお金が必要になるのかな?」

まずは、こういった疑問を一緒に解決していきましょう!

学資保険みんなはいくらの受取設定にしている?

学資保険の満期受取金はいくらで設定している人が多いのでしょうか?

ソニー生命によると、1番多いのが2,000,000円で、2番目に多いのが3,000,000円となっています。

3,000,000円同様、多くの会社で2,000,000円も取り扱っています。

ちなみに3番目に多いのが1,000,000円となっています。

受取金額が変われば、保険料も大きく変わります。

後ほど、3,000,000円に設定した場合の月々の保険料例もご紹介しますので、参考にしてみてください。

参考サイト⇒ソニー生命「学資金準備スクエア」

教育費は「いつ」「いくら」かかるのか?教育資金はいくら必要なのか?

教育費は「いつ」「いくら」かかるのでしょうか?

幼稚園から大学までの教育費を文部科学省と生命保険文化センターのデータをもとにまとめてみました。

①幼稚園(3歳~5歳の3年間)

公立 私立
3歳 210,073円 479,775円
4歳 212,400円 438,832円
5歳 259,644円 526,778円
総額 682,117円 1,445,385円

公立の幼稚園では、3年間でおよそ680,000円、私立ではおよそ1,450,000円が必要になります。

公立では、5歳時に1番多くかかり、全体の38%となっています。

私立でも5歳時に1番多くかかり、全体の36%となります。

公立と私立で最も差が出るのが、「学校教育費」でその中でも「授業料」に大きな差が生じています。

具体的には、私立の方がおよそ150,000円も高くなっています(平成28年度の1年間で)。

「学校納付金等」も私立の方がおよそ30,000円高い状況です。

②小学校

公立 私立
1年生 342,640円 1,842,650円
2年生 270,917円 1,275,934円
3年生 289,272円 1,365,914円
4年生 310,908円 1,464,090円
5年生 345,078円 1,557,348円
6年生 375,358円 1,658,692円
総額 1,934,173円 9,164,628円

公立の小学校では6年間でおよそ1,930,000円、私立では9,160,000円かかります。

公立では6年時に1番多くかかり、全体の20%を占め、私立では1年時に1番多くかかり、こちらも全体の20%を占めています。

さらに、私立小学校1年時の1,842,650円が、私立幼稚園から高校までの各学年の中で1番高い金額となっています。

公立と私立の小学校で1番差があるのはこちらも「学校教育費」となっており、800,000円の開きがあります(平成28年度の1年間で)。

私立の「学校教育費」は870,408円(平成28年度の1年間で)となっており、そのうち「授業料」が461,194円となっています。

③中学校

公立 私立
1年生 469,153円 1,572,110円
2年生 392,774円 1,156,873円
3年生 571,163円 1,250,538円
総額 1,433,090円 3,979,521円

公立の中学校では3年間でおよそ1,430,000円、私立では3,980,000円かかります。

公立では3年時に1番多くかかり、全体の40%を占めています。

なお、公立の幼稚園から高校の各学年の中で1番かかるのが、この中学校3年時です。

私立では1年時1番多くかかり、全体の40%を占めています。

中学校でも公立と私立で差が大きいのが「学校教育費」で、860,000円の開きがあります(平成28年度の1年間で)。

私立の「学校教育費」は997,435円(平成28年度の1年間で)となっており、そのうち「授業料」が425,251円、「納付金等」が261,545円となっています。

④高校

公立 私立
1年生 516,662円 1,275,991円
2年生 471,549円 976,188円
3年生 363,125円 857,626円
総額 1,351,336円 3,109,805円

公立の高校では3年間でおよそ1,350,000円、私立では3,110,000円になります。

公立では1年時に1番多くかかり、全体の40%を占め、私立でも1年時に1番多くかかり、全体の40%を占めています。

公立と私立で1番差があるのが「学校教育費」で、私立の方がおよそ480,000円高くなっています(平成28年度の1年間で)。

私立の「学校教育費」は755,101円(平成28年度の1年間で)となっており、そのうち「授業料」が271,835円、「納付金等」が228,864円です。

幼稚園から高校の教育費をみてみると、公立と私立で大きな差があり、私立では特に「授業料」や「納付金等」が多くかかることが分かります。

⑤大学

幼稚園から大学の中で1番教育費が必要になるのが、「大学」です。

国立と私立の差も大きく、実家暮らしか1人暮らしかでだいぶ必要な金額は変わってきます。

国立(実家) 国立(1人暮らし)
5,243,000円 8,123,000円
私立文系(実家) 私立文系(1人暮らし)
6,684,000円 9,332,000円
私立理系(実家) 私立理系(1人暮らし)
8,091,000円 10,739,000円
私立家政・芸術・体育・保健科(実家) 私立家政・芸術・体育・保健科(1人暮らし)
7,689,000円 10,338,000円
私立医歯系(実家)(6年間) 私立医歯系(1人暮らし)(6年間)
25,795,000円 29,568,000円
私立短大(実家)(2年間) 私立短大(1人暮らし)(2年間)
3,536,000円 4,920,000円

1人暮らしだと、実家通学よりも大体2,500,000円以上はプラスで必要になってきます。

6年間の私立だと、3,800,000円近くプラスになります。

ただ、どこに住むかでも家賃などの生活費は大きく変わってきます。

幼稚園から大学までみると、「幼稚園から大学まで全て国公立でも10,000,000円以上はかかる」ことを覚えておきましょう。

参考サイト⇒文部科学省「結果の概要-平成28年度子供の学習費調査 2.調査結果の概要」生命保険文化センター「大学生にかかる教育費はどれくらい?」

満期受取金は大学の入学費用の一部に充てるのがおすすめ

子どもの教育費の中で1番多くかかるのが、大学時だということは分かったと思います。

その中でも、「大学に入学する時」に1番お金が必要になってきます。

国立 817,800円(入学金+授業料)
私立 1,333,418円(入学金+授業料+施設設備費)

(文系 1,165,310円)

(理系 1,540,896円)

受取金を3,000,000円に設定し、「大学入学時」に費用に充てると考えると足りることが分かります。

ただ、「この3,000,000円をどう受け取るか」で、その時足りるのか足りないのかが変わってきます。

後ほど、受取方法については詳しく説明しますが、例えば、入学時に一括で3,000,000円を受け取ると足りることになります。

余った分は、在学時の授業料などに充てることができます。

一方で、何回かに分けて受け取るとなると、学資保険の3,000,000円だけでは足りなくなる可能性があります。

例えば、入学時から4回に分けて受け取ると1回750,000円、5回に分けると600,000円になります。

入学時に間に合うように750,000円受け取るとなっても、国立の場合(817,800円)も、私立の場合(1,333,418円)も足りなくなります。

ただし、ここでポイントになるのが、「ほとんどの大学では学費は年2回に分けて納入することができる」ということです。

例えば、私立A大学(文系)では入学金200,000円+授業料690,000円+諸経費267,000円が初年度納付金となっていますが、前期に696,000円、後期に461,000円と分けて納入できます。

国立B大学でも、前期に549,900円、後期に267,900円と分けて納めることができます。

ですので、3,000,000円を何回に分けて受け取るかで、その時足りるのか足りないのかが変わってきます。

足りない部分については、他の方法で積み立てていくことが第1に考えられます。

その方法は後ほどご紹介します。

大学の授業料や入学金は年々増加しています。

子どもが18歳になったころにはどのくらい増減しているかは分かりません。

念のため、入学費用は多く見積もって受取額を準備していけたら尚良いでしょう。

参考サイト⇒文部科学省「私立大学等の平成29年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」

学資保険の受取金を300万円にするには月額(月々)いくら払えばいい?

受取金を3,000,000円にした場合、月々の保険料はいくらぐらいになるのでしょうか?

保険料の払込期間別に説明していきます。

契約者30歳・子ども0歳の場合の保険料です。

払込期間 保険料 受け取り回数 保険会社
18歳まで 14,550円 18歳からの4回(750,000円ずつ) かんぽ生命「はじめのかんぽ」
18歳まで 13,374円 18歳からの5回(600,000円ずつ) ソニー生命「学資金準備スクエア」
15歳まで 15,995円 18歳からの4回(750,000円ずつ) 明治安田生命「つみたて学資」
10歳まで 23,310円 18歳からの5回

(600,000円ずつ)

ソニー生命「学資金準備スクエア」
10歳まで 23,640円 18歳からの4回

(750,000円ずつ)

明治安田生命「つみたて学資」
5歳まで 46,060円 18歳からの5回(18歳時1,000,000円、あと4回は500,000円ずつ) 日本生命「ニッセイ学資保険」

払込期間が長くなると、その分月々の負担は少なくなります。

10歳までの短期払いだと、およそ23,000円になり、15歳までで16,000円、18歳までで14,000円前後です。

ただ、払込期間が短ければ短いほど、保険料の「総額」は少なくなります。

例えば、ソニー生命で18歳までだと、13,374円×12か月×18年=2,888,784円、10歳までで23,310円×12か月×10年=2,797,200円と、「91,584円」もの差が発生します。

明治安田生命でも15歳までだと、15,995円×12か月×15年=2,879,100円、10歳までで23,640円×12か月×10年=2,836,800円と、「42,300円」の差になります。

長期の払い込みは月々の負担は小さくなりますが、最終的な総額は大きくなることを覚えておきましょう。

学資保険の仕組み

次に、学資保険の仕組みをおさらいしていきましょう。

学資保険は子どもの教育費を積み立てるための保険です。

どのような特徴があるのでしょうか?

また保険金の受取方法や、返戻率についても解説していきます。

学資保険の特徴

学資保険は子どもの教育費を積み立てるための保険です。

契約時には、受取金額や保険料、払込期間、受取時期、特約の有無などを総合的に判断して決めていきます。

対面での面談のときに、営業職員がいくつかプランを用意してきて、他の案(別の払込期間や受取時期など)を提案することもあります。

加入してからは長い期間、毎月保険料を払い込んでいきます。

年払いなど、保険料をまとめて払い込む方法もあります。

一般的なのが口座振替での払い込みで、契約時に口座を指定して、そこから毎月引き落とされます。

その他にクレジットカード払いを扱っている会社もあり、クレジットカードのポイントも貯めることができます。

そして、受取時期がくると契約時に決めた受取金額が支払われます。

受取時には契約形態によっては税金がかかることもあります。

また、学資保険は生命保険料控除の対象となっているので、同じ契約者で保険料控除の枠をすべて使いきっていなければ、学資保険に加入することで控除額は増えることがあります。

このように、学資保険は長期間にわたってお金を積み立てていくものなので、貯蓄の機能を持つ保険と言えます。

一方で、学資保険には契約者が万一死亡したり、高度障害になった場合に保険料の払い込みが免除され、保障は継続するという特徴も持っています。

契約者は通常お父さん、お母さんとなりますが、保険料の払込期間中に死亡・高度障害になった場合、それ以降の保険料の払い込みが不要になります。

それまで払い込んだものが返ってくるわけではありません。

さらに、契約時に決めた受取時期になったら、しっかりと受取金を受け取ることができます。

このような保障は、他の保険では見られないもので学資保険の大きなメリットと言えます。

さらに、子どもの医療特約や育英年金を受け取れる特約を付加することもできます。

医療特約とは、子どもが入院・手術・通院などをした場合に給付金を受け取れるものです。

こういった特約は全ての商品・プランで取り扱っているわけではありません。

特約を付加することで、返戻率が下がってしまうこともあるので、保障内容をなるべくシンプルにした商品を各社販売しているように見受けられます。

このように、学資保険は貯蓄の機能と保障の機能を併せ持っている保険なのです。

学資保険の受取方法は満期受取だけではない

先述したように、受取方法には、「一括」と「年金形式」があります。

「一括」というのは、例えば、大学入学時に契約時に決めた受取金3,000,000円をまとめて受け取る方法です。

一括なので、そのときに受け取ればあとは契約終了となります。

一括受取は、「大学入学時に大きなお金を確実に用意しておきたい!」という人に向いています。

「年金形式」とは、何回かに分けて契約時に決めた受取金を受け取る方法です。

例えば、入学時から3,000,000円を4回にわけて750,000円ずつ受け取っていくということです。

中には、毎年均等に同じ金額を受け取るのではなく、各受取時期で受取金額が異なる商品もあります。

どちらにするかによって、返戻率も変わってきますので、そういった点も含めて受取方法を決めていけると良いです。

学資保険の返戻率って何?

貯蓄性のある保険ではよく用いられる「返戻率」ですが、近年のマイナス金利の影響で、より注目するようになったという人もいるでしょう。

返戻率は、「支払った保険料の総額に対して、満期受取金がどのくらいになるか」を表していて、「満期受取金÷支払った保険料の総額×100」で求められます。

例えば、3,000,0000円を受け取るために、2,820,000円(23,500円×12か月×10年)を支払うと、返戻率は約106.3%になります。

3,060,000円(25,500円×12か月×10年)を支払うと98.0%になり、元本割れになります。

ホームページ等に返戻率を記載していない会社もあります。

記載していないところは、元本割れしているところが多い印象です。

返戻率を記載していないところでも、しっかり月々の保険料は載っていますので、上記の計算式を用いて確かめてみてください。

そして、1つ前の「一括と年金形式で返戻率が変わってくる」という話ですが、ここでどのくらい変化するのか、確認していきましょう。

ソニー生命の「学資金準備スクエア」で「30歳男性・子ども0歳、3,000,000円受け取り、払込期間10歳まで」を例として挙げてみると、以下のようになります。

18歳に一括で受け取る場合 約104.8%(月々23,850円、総額2,862,000円、増えた額138,000円)
18歳から5回に分けて受け取る場合 約107.2%(月々23,310円、総額2,797,200円、増えた額202,800円)

なんと2.4%もの差があります。

107.2%の方が104.8%よりも、64,800円も増えるのです。

一括と年金で受け取るのに、こんなに違いが出ることに驚きです。

学資保険の返戻率をアップ・高くさせる方法

返戻率はどのようにして上げることができるのでしょうか?

以下、その方法を3つご紹介します。

実践できるものは、ぜひ取り入れてみてください!

①払込期間を短く(短期に)設定する。

先ほど、「3,000,000円にした場合、月々の保険料はいくらになるのか」の部分でも少し触れましたが、払込期間を短くすることによって、保険料の総額を少なくすることができます。

「保険料の総額を少なくすること=返戻率を上げること」になります。

先ほどと同じ例を挙げて説明していきます。

ソニー生命の「学資金準備スクエア」受取金3,000,000円

・18歳まで 月々の保険料13,374円 保険料の総額2,888,784円 返戻率約103.8%
・10歳まで 月々の保険料23,310円 保険料の総額2,797,200円 返戻率約107.2%

このように、払込期間を8年短くすると、返戻率は3.4%も上がります。

ただ、短くすることで総額は少なくなりますが、月々の保険料は増えてしまうので、「月々の負担が増えても大丈夫、余裕がある」という人はぜひ検討してみてください。

不要な特約を外す。

特約を外すことも考えてみてください。

特約には、子どもの入院や通院、手術などを保障するものや、契約者が万一死亡したり高度障害になった場合に、満期まで年金が受け取れる育英年金などがあります。

こういった特約を付加することで、返戻率は下がってしまいます。

特約を付加するにも別途保険料が必要になるということです。

子どもの医療保障はお住まいの自治体の助成制度である程度間に合うかもしれませんし、他の医療保険で準備した方が、入院や手術をした際の給付金を受け取れる条件が緩いかもしれません。

もし子どもの医療特約などを考えていれば、学資保険の特約と他の医療保険の給付条件をよく比較してみましょう。

できるだけ早めに契約する。

学資保険は早めの契約で、返戻率を上げることができます。

26歳・子ども1歳で加入するよりも、25歳・子ども0歳のときに加入した方が少しですが上がるということです。

さらに、商品の中には「出生前加入特則」が付いていて、出産前に加入できるものもあります。

出産前に加入することで、契約者の年齢が1歳若くなる場合には保険料が少しだけですが安くなります。

そのほとんどが出産予定日の140日前から加入ができます。

流産や死産になった場合には、保険料はしっかり返ってきます。

学資保険、保険料と満期受取金額の関係

今度は「月々の保険料が〇円だと、満期受取金額はこのくらいになる」という視点で解説していきます。

ここでは、日本生命の「ニッセイ学資保険」を例に挙げます。

・子ども0歳の場合(払込期間10歳まで)

25歳男性 30歳男性 満期受取金額
9,560円 9,568円 1,200,000円
11,950円 11,960円 1,500,000円
14,340円 14,352円 1,800,000円
15,535円 15,548円 1,950,000円
16,520円 16,534円 2,100,000円
18,880円 18,896円 2,400,000円
24,465円 24,486円 3,150,000円
29,125円 29,150円 3,750,000円
34,950円 34,980円 4,500,000円

こう見てみると、2,100,000円積み立てるのに16,000円は必要になり、3,150,000円だと25,000円近くの月々の負担になることがわかります。

そして、中々4,500,000円で加入する人は少ないかもしれませんが、この場合だと月々35,000円近くの負担になります。

日本生命のサイトでは、月々の保険料が50,000円までのシミュレーションができます。

月々の保険料から受取金額を算出できるサイトは他では見かけないので、ぜひこのサイトも参考にしてみてください。

学資保険を毎月の保険料から決める場合いくらが妥当?

次に、毎月の保険料から学資保険を決める場合に、いくらが妥当かを考えてみましょう。

「毎月の保険料の平均」や「今後のライフプランを考えて毎月の保険料を決めていくこと」などについて、ご紹介していきます。

学資保険みんなは毎月いくら払ってる?

他の家庭が学資保険の保険料を毎月どのくらい払っているかは、結構気になるところですよね。

少し古いデータになってしまいますが、「楽天リサーチ会社」が2014年に行った調査によると、毎月の保険料を10,000円~15,000円にしている家庭は45%と全体の半分近くになることが分かっています。

10年払い込みと考えると、受取金額は1,500,000円~2,000,000円といったところです。

18年払い込みだと、3,000,000円ぐらいになります。

さらに、ソニー生命の2019年の調査によると、「子どもの進学費用のために毎月いくら支出しているか」の問いに対して、以下の結果が出ました。

5,000円~9,999円 7.8%
10,000円~14,999円 18.9%
15,000円~19,999円 7.4%
20,000円~29,999円 18.4%
30,000円以上 20.1%

平均の支出金額は17,474円となり、各家庭で子どもの教育費のために、毎月これだけ大きな金額を支出していることが分かります。

参考サイト⇒ソニー生命「子どもの教育資金に関する調査2019」

家計から学資保険に回せる金額を考える

家計状況から学資保険の保険料に回せる金額はどのくらいになるのかを、考えてみましょう。

そのためには、「今後のライフプランをもう一度見直し、いつ・どのくらいの支出と収入が見込まれるかを計算すること」が重要です。

今後のライフプランとは、「子どもが〇歳のときにマイホームを購入したい」「マイカーを購入したい」「親は施設には入らないと言っているから、介護があと〇年後には必要になりそうだ」「2人目の子どももあと〇年後にはほしい」などといったことです。

結婚したときに考えていたものを、もう一度考え直すことは重要です。

例えば、マイホームの購入を子どもが10歳になるころにはしたいとなると、学資保険の払い込みはそれまでに終えることができれば、住宅ローンと学資保険の保険料の支払いが重なることはありません。

さらに、2人目以降の子どもも考えているとなると、1人目の子どもの学資保険の支払いを早めに終わらせたいという人は多いのではないでしょうか。

この2点を踏まえて10歳までの払い込みで設定すると、受取金額3,000,000円の場合の保険料は月々23,000円程度になります。

1年間で276,000円です。

今後のライフプランにおける全体の支出を100%とした場合、子どもの教育費のための支出は何%ぐらいにできるのか・優先させられるのかを、今後の収入も合わせて考えてみましょう。

今後のライフプランにおける支出と収入を理解することで、「このぐらいの金額なら学資保険に回せる!」というのがより見えてくると思います。

学資保険は最低いくらから加入できる?

次に、学資保険は最低いくらから加入できるかについて、みていきましょう。

これまで見てきたように、月々の保険料の負担を少なくするためには払込期間を長くする必要があります。

そこで、ソニー生命の「学資金準備スクエア」Ⅲ型を元に、受取金額別に最低いくらから加入できるか、解説していきます。

なお、18歳までの払い込みとします。

・30歳男性・子ども0歳の場合

月々の保険料 受取金額
3,343円 750,000円
4,458円 1,000,000円
6,687円 1,500,000円
8,916円 2,000,000円
10,030円 2,250,000円
11,145円 2,500,000円
13,374円 3,000,000円
15,603円 3,500,000円

このように、3,000,000円でも月々13,000円から加入できることがわかります。

ちなみに、10歳払い込みだと23,310円になるので、およそ10,000円少なくなります。

学資保険は毎月10,000円、20,000円支払わないと加入できない保険ではありません。

18歳払い込みにすることで、毎月10,000円以下の負担で2,000,000円積み立てることもできるのです。

「返戻率は下がるけど毎月の負担をなるべく少なくしたい!」という人は、ぜひ払込期間を長めに設定してみましょう。

学資保険シミュレーション

次に、学資保険のシミュレーションをしてみます。

30歳男性・子ども0歳の場合の受取金額3,000,000円~1,000,000円、払込期間18歳まで~5歳までの契約例を挙げてみます。

受取金額 払込期間 保険料 返戻率 会社
3,000,000円 18歳まで 13,374円 103.8% ソニー生命
3,000,000円 15歳まで 15,995円 104.1% 明治安田生命
3,000,000円 10歳まで 23,640円 105.7% 明治安田生命
3,000,000円 5歳まで 46,060円 108.5% 日本生命
2,000,000円 18歳まで 8,916円 103.8% ソニー生命
2,000,000円 15歳まで 10,814円 102.7% 明治安田生命
2,000,000円 10歳まで 15,910円 104.7% 明治安田生命
1,500,000円 18歳まで 6,687円 103.8% ソニー生命
1,500,000円 10歳まで 11,960円 104.5% 日本生命
1,500,000円 5歳まで 23,330円 107.1% 日本生命
1,000,000円 18歳まで 4,458円 103.8% ソニー生命
1,000,000円 10歳まで 7,770円 107.2% ソニー生命

上から3番目の契約例を元に加入から契約終了までを説明していきます。

・0歳で加入したのち、10歳になるまでの10年間毎月23,640円を払い込んでいきます。
・この10年間で契約者が死亡・高度障害になった場合には、保険料の払い込みは免除されます。
・払い込みが終了し8年後の18歳のときに第1回目の750,000円を受け取ります。
・その後、19歳・20歳・21歳のときに750,000円ずつ受け取り、契約は終了します。

学資保険以外の選択肢も検討する

これまで学資保険で子どもの教育費を積み立てていくことについて解説しましたが、他の方法でも積み立てることはできます。

学資保険だけでは足りない場合には、併用することも方法の1つです。

①預貯金

預貯金で教育費を貯めている人は非常に多いです。

例えば、受取金3,000,000円の学資保険(10歳まで毎月23,000円)にプラスする形で、毎月10,000円を18年間貯めていくとすると、2,160,000円準備することができます。

これを大学入学時の費用や在学中の費用に充てるのもアリでしょう。

毎月5,000円だと、1,080,000円になります。

預貯金の良いところは、いつでも自由に引き出せるところです。

例えば、高校入学時に少し必要になってもそこから取り崩して使うことができます。

保険などの金融商品と違い、使い道の自由度が高いのです。

一方で、強制力がないとも言えます。

2,000,000円を貯めたかったのに、1,000,000円使ってしまっていた、ということも考えられます。

通常10,000円貯めるところを、家計が厳しいときには5,000円しか充てていけないという月も出てくるかもしれません。

預貯金だけで教育費を貯めていく場合はより家計の管理を徹底しなければなりません。

定期預金を利用して貯めていく手もあります。

普通預金よりも高い利率が適用されますが、お金を自由に引き出すことができないというデメリットもあります。

②低解約返戻金型終身保険

低解約返戻金型終身保険で積み立てていく方法もあります。

低解約返戻金型終身保険とは、保険料払込期間中に解約した場合の返戻金を通常の70%程度に抑えた終身保険です。

保険料も安く、オリックス生命「ライズ」の場合、30歳男性・保険金3,000,000円・10年払済で月々19,671円になります。

15年払済だと13,095円です。

保険料払込期間が過ぎると、返戻率は上がっていきます。

この保険を教育費の積み立てとして利用するには、払込期間終了後お金が必要になった時期に解約して、そのお金を教育費に回すということになります。

低解約返戻金型終身保険に加入する際のポイントは、なるべく払込期間を短く設定することです。

払込期間中に解約してしまうと、返戻金は非常に少なくなってしまいます。

さらに、保険金2,000,000円というのはあくまで被保険者が死亡したときに受け取れる金額で、解約したときに受け取れるものではないということに注意しましょう。

この他にも、財形貯蓄や投資信託、外貨建て保険などでも積み立てていけます。

学資保険以外の方法で積み立てていく場合には、そのメリットやデメリットをしっかり理解して利用することが大切です。

参考サイト⇒オリックス生命「終身保険RISE[ライズ]」

学資保険に加入する際の注意点

次に、学資保険に加入する際の注意点をご紹介します。

学資保険は途中で解約すると、多くの場合それまで払い込んだ保険料よりも少ない返戻金になります。

つまり元本割れするということです。

加入時に毎月の負担にならない程度の保険料を決めたものの、いざ年月が経つと払えなくなってしまったということは考えられます。

そんなときには、「自動振替貸付」を利用できることを覚えておきましょう。

自動振替貸付とは、保険料の払い込みがないまま猶予期間が過ぎると、保険会社が自動で解約返戻金の範囲内で保険料を立て替える制度です。

立て替える制度なので、手元に現金がくるわけではありません。

この制度は、希望しないと申し出た場合には適用されません。

保険会社が保険料を立て替えてくれるものなので、当然利息つきで返済しなければなりません。

返済しないと保険が失効することもあります。

受取時期に返済が終わっていないと、受取額から返済額が差し引かれてしまいます。

確認したところ、この制度は、学資保険を扱う一部の会社では取り扱っていないようです。

さらに自動振替貸付の他にも、お金を借りる方法として、「契約者貸付制度」があります。

これは、加入している保険の解約返戻金の一部を借り入れる制度で、借り入れつつも保険は継続していくことができます。

ただし、こちらも当然利息つきで保険会社に返済しなければなりません。

貸付額が解約返戻金を超えた場合には保険が失効したり、自動振替貸付と同じく受取時期に返済が終わっていなければ、受取額から差し引かれてしまいます。

契約者貸付制度は、保険会社に問い合わせて所定の書類を提出することで利用できます。

いずれにせよ、契約時に決めた金額をしっかり受け取るためにも、月々の保険料は無理のない範囲で設定するようにしましょう。

参考サイト⇒生命保険文化センター「契約者貸付」生命保険文化センター「保険料の払込猶予期間と失効」

大手保険会社のおすすめ学資保険5選を比較

最後に、おすすめ学資保険を5つご紹介します。

今回は、(1)おすすめポイントとともに、(2)受取金3,000,000円にした場合どのように受け取ることができるのか、大学入学費用として18歳の時期にいくら受け取れることになるのか、という観点から5商品を解説していきます。

①ソニー生命「学資金準備スクエア」

ソニー生命の「学資金準備スクエア」は、他社の中でも返戻率の高い商品です。

(1)おすすめする点は、返戻率がどのプランでも比較的高めなところと、専用のホームページが充実しているところです。

専用のホームページの「お客さまの声」では、学資保険加入者が検討時や加入時、加入後に感じたこと(受取時期はどう決めたか等)を読むことができ、学資保険への理解を深めたい人は読んでみる価値のあるものだと思います。

(2)30歳男性・子ども0歳、3,000,000円、10歳払い込みで加入した場合、

・18、19、20、21、22歳の5回に分けて受け取るⅢ型となると、月々の保険料は23,310円、返戻率は107.2%になります。

1回ごとに600,000円ずつ受け取ることになるので、入学費用としては600,000円受け取れることになります。

・18歳のときに一括で受け取るⅡ型となると、月々23,850円、返戻率104.8%になります。
・12、15、18歳で受け取るⅠ型となると、月々23,598円、返戻率101.7%になります。

12、15歳では540,000円、18歳では1,800,000円受け取れることになります。

→ソニー生命では、入学時の受取額は600,000円・1,800,000円・3,000,000円の3つとなります。

②かんぽ生命「はじめのかんぽ」

(1)おすすめする点は、子どもの医療特約を付加できるところです。

先進医療の保障も付加することができます。

(2)30歳男性・子ども0歳、基準保険金額3,000,000円、18歳払い込みで加入した場合、

・18歳のときに一括で受け取るとなると、月々の保険料は14,640円(医療特約を付加する場合+350円)になります。

・6、12、15、18歳で受け取るとなると、月々19,110円(医療特約を付加する場合+350円)となります。

6歳で150,000円、12歳で300,000円、15歳で450,000円、18歳で3,000,000円の計3,900,000円になります。

・18、19、20歳、卒業時で受け取るとなると、月々14,550円(医療特約を付加する場合+390円)となります。

それぞれ750,000円ずつ受け取ることになります。

→かんぽ生命では、入学費用の受取額は750,000円・3,000,000円の2つとなります。

③明治安田生命「つみたて学資」

(1)おすすめする点は、「つみたて学資」もソニー生命同様、返戻率が高いところです。

年払いにすると、109.0%まで上がります。

(2)30歳男性・子ども0歳、3,000,000円、10歳払い込みで加入した場合、

・18、19、20、21歳で受け取ることになり、月々23,640円、返戻率105.7%になります。

1回につき750,000円を受け取ることになります。

→明治安田生命では、入学時の受取額は750,000円の1種類となります。

④日本生命「ニッセイ学資保険」

(1)おすすめする点は、こども祝金あり型となし型を選べるところです。

こども祝金とは、小学校・中学校・高校の入学時にお金が受け取れるというものです。

(2)30歳男性・子ども0歳、3,000,000円、10歳払い込み、こども祝金なし型で加入した場合、

・18、19、20、21、22歳で受け取ることになり、月々23,320円、返戻率107.2%になります。

18歳時に1,000,000円、19歳から22歳までは500,000円ずつ受け取ることになります。

→日本生命では、入学時の受取額は1,000,000円となります。

⑤第一生命「こども応援団 Mickey」

第一生命の学資保険は、契約者に万一のことがあった場合の保険料払込免除の範囲によって、A型・B型・C型に分かれています。

(1)おすすめする点は、「こども応援団A型」の払込免除の範囲が広いことです。

通常は死亡や高度障害のみですが、A型では「所定のがん・急性心筋梗塞・脳卒中・所定の要介護状態・所定の身体障害状態・死亡」の場合に保険料の払い込みが免除されます。

さらに、契約者の万一の保障が一切ない「MickeyC型」もあります。

(2)30歳男性・子ども0歳、3,000,000円、15歳払い込み、A型で加入した場合、

・18、19、20、21、22歳で受け取ることになり、月々16,525円、返戻率100.8%となります。

それぞれ600,000円ずつ受け取ることになります。

→第一生命では、入学時の受取額は600,000円となります。

このように5社を比べてみると、3,000,000円で設定しても各社大学入学時に受け取れる金額は大きく異なってくることが分かります。

参考サイト⇒ソニー生命「学資金準備スクエア」かんぽ生命「はじめのかんぽ」明治安田生命「つみたて学資」日本生命「ニッセイ学資保険」第一生命「こども応援団 Mickey」

【番外】学資保険、窓口販売とネット販売何が違う?

学資保険に限らず、保険には窓口販売のものとネット販売のものがあります。

加入する側からみた違いは、「商品内容について分からない点を聞けるか聞けないか」にあります。

先ほども説明したように、学資保険は今後のライフプランをしっかり把握した上で保険料や受取額を決めて加入することが大切になります。

それを自分たちでできれば良いのですが、保険の知識がない人にとっては中々大変なことです。

窓口販売だと営業職員・代理店職員にすぐその場で聞くことができます。

営業職員や代理店職員はFPを持っている人がほとんどですので、学資保険のことに限らず保険の色んなことについて聞けるチャンスでもあるのです。

確かに勧誘されるのではないか?といった不安がある人は多いと思います。

学資保険を検討している人だったら、子どもの医療保険やお父さん、お母さんの保険の見直しをしませんか?と提案してくるかもしれません。

ですが、学資保険の場合、子どもの将来のための積み立てとなるので、私はしっかり対面で加入することをおすすめします。

FP有資格者から話を聞くことができるのは、そうない機会だと思います。

まとめ

以上、学資保険の受取金を3,000,000円にする場合について解説してきました。

大学入学時には入学金や授業料などの他に、受験料も必要になります。

合格し1人暮らしをするとなると、さらに引っ越し代や家具代などがかかります。

こういった大学に納めるお金以外のものも積み立てて準備していきたいとなると、受取金額もさらにプラスしなければならなくなります。

私がお父さん、お母さんが自分のために学資保険で大学費用を積み立ててくれていたと知ったのは、大学入学のために実家を出る前でした。

それを知った時は非常に嬉しくなりましたし、大学に行っても頑張ろう!と思えました。

ぜひ納得のいく学資保険選びをしていきましょう!

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