返戻率とは~学資保険選びで重要な返戻率(へんれいりつ)をFPが分かりやすく解説

2024.07.16

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保険に加入するとき、「返戻率」という言葉を耳にします。

「ちゃんとした意味・概念は分からないけど、返戻率の高い保険の方が良いのかな?」となんとなく保険を見たり選んだりしている人は多いかと思います。

返戻率とは、それまで払い込んだ保険料に対して、どれくらい保険金・返戻金を受け取れるかの割合です。

例えば、学資保険だったら、「教育資金をより多く貯めたいから、なるべく率の高いもの、103%のもの、106%のものを選ばなきゃ!」と考えますよね。

個人年金保険でも同じように選びますよね。

ただし、返戻率だけをみて保険を検討するのは禁物です。

加入目的や保障内容、受け取りたい時期などを総合的にみて、選ばなければなりません。

さらに、その「率」だけをみるのではなく、「実際に受け取れるお金はどれだけ増えるのか」、その金額を計算することが大事になってきます。

今回は、返戻率について詳しく解説していきます。

知識を深めて、自分に合った保険を選べるようになりましょう!

目次

返戻率ってどういうもの?

保険のホームページや商品のパンフレットなどでは、様々なところでこの言葉が使われています。

まず、「返戻」の意味から、計算方法などについて、解説します。

今までよく意味が分からなかった!という人はぜひ読み進めてみてください。

「返戻(へんれい)」が意味するもの

「返戻」とは「へんれい」と読み、「返したりもどしたりすること」です。

その字の通りの意味です。

返戻がよく使われる場面には、「保険」や「医療」、「ふるさと納税」などがあります。

例えば、保険業界では「率」を付けてよく使われています。

医療業界では、「レセプトの返戻」という言葉でよく使われ、これは「レセプトの不備により審査支払機関が医療機関にレセプトを差し戻す」という意味です。

レセプトとは、診療報酬明細書のことです。

病院を受診すると、領収書と一緒にもらうものです。

また、ふるさと納税は、自分の住んでいる自治体や応援したい自治体に寄付をすることによって、寄付金控除が受けられる制度のことですが、ふるさと納税で使われる「返戻」は、「返戻率、もしくは還元率、返礼率」といった言葉で使われます。

参考サイト⇒日医工医業経営研究所「返戻・査定・返還~審査支払機関(支払基金・国保連合会)公開データ~」

保険における返戻率とは何か

保険での返戻率は、それまで保険会社に払い込んだ保険料に対して受取人が受け取る保険金(返戻金)の総額がどのくらいになるかを表しています。

例えば、保険金額を2,000,000円として、保険料の総額が少なければ少ないほど、その割合は高くなります。

110%などと「%」表記で表されます。

100%を切った状態を、いわゆる「元本割れ」と呼びます。

満期返戻金とはどのようなものか

これは、満期のある保険で使われる言葉で、満期をむかえた時点で保険会社から受け取れるお金のことです。

満期のある保険には例えば、養老保険などがあります。

解約返戻金とはどのようなものか

一方、解約返戻金とは、保険を解約した時に戻ってくるお金のことです。

保険を検討する際に、よく聞く言葉かと思います。

2種類あり、1つは通常の「解約した時点での支払った保険料に対して、どのくらいの返戻金が受け取れるか」で算出されるもので、もう1つには「低解約返戻金」といって通常の70%程度に返戻金を抑えたものになります。

参考サイト⇒アフラック「解約払戻金の仕組み」

返戻率の計算方法

そんな返戻率ですが、簡単に計算できます。

求め方は、「受け取る保険金(解約返戻金)の総額÷支払った保険料の総額×100」です。

例えば、保険金が3,000,000円で保険料が2,760,000円だとすると、約108%になります。

解約した時の返戻金が1,000,000円でその時点で払い込んだのが1,200,000円だとすると、約83%になります。

つまり、先ほどの「元本割れ」ということです。

ぜひあなたが加入している契約で求めてみましょう。

求めることで、より加入していた保険への理解が深まるでしょう。

返戻金は全ての保険にあるわけではない

ただ、返戻金はすべての保険にあるわけではありません。

「保険って解約したらお金は戻ってくるものだと思っていた!」と思っている人も多いと思います。

以下、まとめてみました。

<返戻金あり>

・終身保険→保険料の払込期間中に解約した場合、元本割れし、返戻率は低くなることがありますが、払込期間後は段々と上がっていきます。例えば、オリックス生命の「RISE」でシミュレーションしてみると、30歳男性、保険金額3,000,000円で保険料月6,669円を60歳まで払い込んでいくと、60歳になった直後の返戻率は107.5%となります。その後段々と上がっていきます。

・個人年金保険→個人年金に関しては、払込期間中に解約すると元本割れすることがあります。

ただ、受取時期になると返戻率は100%を超え、現在は105%程度です。

もちろん商品によって差はあります。

・学資保険→学資保険も個人年金同様、途中で解約すると元本割れすることがあります。

ただ、受取時期になると現在では105%前後の商品が多くなっています。

・養老保険→養老保険も、同じく途中で解約すると、元本割れすることがあります。

加入してから解約返戻金がどう推移していくかは、契約するときに保険会社からもらう見積もりに詳しく記載されていますし、営業職員からもその点説明がありますので、しっかり確認するようにしましょう。

<返戻金なし>

・定期保険→いわゆる「掛け捨て」と呼ばれる保険です。

・医療保険→ただし、一部返戻金が受け取れる商品もあります。医療保険についてはこの記事の最後に説明していきます。

法人向けの保険にある「実質返戻率」と「単純返戻率」

法人向けの保険には、「実質返戻率」と「単純返戻率」というものがあります。

法人契約は、一般家庭では加入しませんが、「返戻率の中にもこのような考え方もあるのだ」という程度に読み進めてもらえばと思います。

「単純返戻率」は考え方が簡単で、支払った保険料の総額に対して、解約した時に戻ってくるお金の割合のことです。

一方、「実質返戻率」というのは、「法人税がどれだけ軽減されたか」を計算に含めた解約時の返戻率のことです。

法人契約の見積もりには、「実質返戻率」が記載されています。

もし法人向けの保険に加入している人がいれば、今一度確認してみてください。

返戻率に影響を与えるマイナス金利

日本では2016年1月にマイナス金利が導入されました。

その時は大きなニュースになりましたが、この出来事は保険会社にも影響を及ぼし、学資保険や個人年金などの貯蓄性の商品に関しては返戻率が下がりました。

返戻率が下がることは受け取れるお金が減ることを意味しますよね。

ですので、マイナス金利以降、教育資金を貯蓄するのに学資保険は本当に有効なのかな?と感じた人は多くいると思います。

実際、学資保険を取り扱う会社の中には元本割れしている商品もあります。

そんな状況もあって、最近では日本円よりも高い金利で運用される外貨建て保険が注目されるようになりました。

外貨建てとは、簡単に説明すると保険料の払い込みと保険金・返戻金の受け取りを外貨(ドルなど)で行う保険のことです。

高い金利で運用されるため、日本円の保険よりも高い貯蓄性が見込めます。

明治安田生命やオリックス生命でも今年に入ってから、外貨建ての発売を開始しました。

ただし、外貨建ては為替レートの影響を受けるので、損をする可能性も十分に考えられる商品ではあります。

預貯金の金利と保険の返戻率は単純比較できない

現在日本の普通預金の金利は0.001%で、非常に低い数字となっています。

これは皆さんが銀行を利用していて実感していることだと思います。

一方、保険(学資保険など)の返戻率を見てみると、プランにもよりますが大体105%となっています。

保険の保険料・返戻率は、予定利率に左右されます。

予定利率とは、保険会社が保険料を運用する際に契約者に約束する利率のことです。

予定利率が高ければ保険料は安くなり、返戻率は高くなります。

貯蓄をする場合、銀行にお金を預けたときのお金の増え方と、学資保険などの保険に加入したときのお金の増え方を比べると、当然保険の方が受け取れるお金が増えるので保険の方が有効だと思いますよね。

ただ、預貯金の金利と保険の返戻率は単純に比較できません。

それは預貯金と保険はそもそもの性質が異なるからです。

例えば、預貯金はATMで24時間いつでも引き出せます。

保険は手続きをしないと保険金、返戻金を受け取ることができません。

さらに、預貯金は「預金保険制度」で保護されています。

これは、金融機関が破綻した場合に1人10,000,000円までと利息が保護される制度です(普通預金の場合)。

一方、保険も「生命保険契約者保護機構」によって契約が保護されますが、預金保険制度とは性質が異なります。

貯蓄する方法を選択する場合には、これらの違いに注意しなければなりません。

参考サイト⇒SMBC日興証券「予定利率(よていりりつ)」金融庁「預金保険制度」生命保険文化センター「Q.生命保険会社が破綻した場合、契約はどうなるの?」

学資保険の返戻率の仕組み

次に、学資保険の返戻率、特徴、おすすめの商品など、幅広く解説していきます。

これから入ろうとしている人、学資保険は自分に合っているのか分からない人はぜひ参考にしてください。

学資保険の特徴

学資保険は、子どもの教育資金を積み立てるための保険です。

そもそもなぜ子どもの教育資金を積み立てるために保険に加入しなければならないかというと、進学させるためには多額の教育費が必要になるからです。

大学に通わせたいか、国立にするか私立にするか、文系にするか理系にするかで必要な金額は大きく変わってきます。

学資保険の仕組みとしては、まず契約したら子どもが10歳、15歳などの時期になるまで毎月保険料を一定額払い込んでいきます。

払い込む期間は各商品によって異なります。

そして、高校入学時や大学入学時、在学中になったら保険金を数回に分けて受け取ります。

商品によってはその時期に一括で受け取れるものもあります。

中には小学校入学時、中学校入学時の早い段階から受け取れるものもあります。

学資保険はこのような貯蓄の機能の他に、契約者が万一死亡したり高度障害になった場合に保険料の払い込みが免除されつつ、保険金がしっかり受け取れるという保障の機能も併せ持つ保険でもあります。

さらに理解を深めるために、簡単にメリット・デメリットも解説していきます。

メリット デメリット
①生命保険料控除が適用される。

②出産前から加入できる。

③特約を付けられる。

④途中で解約すると元本割れすることがある。

⑤保険金の受取時には税金が課せられることもある。

①生命保険全般、所得控除を受けられますが、学資保険も例外ではなく生命保険料控除の中の「新生命保険料」(2012年1月1日以降に契約した新契約の場合)に該当します。

所得控除には扶養控除や寄付金控除、配偶者控除などたくさんの控除がありますが、そういった控除と同じように、年末調整や確定申告で手続きすることによって所得税と住民税の負担が軽減されるのです。

②さらに、出産前から加入できる商品もあります。

出産前から加入できるほとんどの商品で予定日の140日前から加入できます。

③加えて、学資保険には医療特約を始めとして特約を付加することができます。

特約の内容(入院日額など)は各商品によって異なります。

④学資保険は保険料の払い込みが終了し、受取時期が来たら100%を超える返戻率で保険金を受け取れますが(中には元本割れする商品もあります)、払込期間中に解約するとそれまで払い込んだ保険料よりも少ない返戻金を受け取ることもあります。

学資保険にはそういったリスクもあることを覚えておきましょう。

⑤保険金、解約返戻金を受け取る際には税金が課せられることもあります。

加入する前に税金はどのくらい支払わなければならないのか、計算しておくと後々の心配も少なくなるでしょう。

学資保険ではなぜ返戻率が重要なのか

学資保険を選ぶ際に返戻率に注目する人は多いです。

各保険会社のホームページでも「返戻率〇〇〇%!」と強調しているところもあります。

そもそもなぜ返戻率に注目し、重要視するのでしょうか?

返戻率から分かることは、「どれだけお金がもらえるか、増えるか」です。

返戻率102%よりも、106%の商品の方がお金はより多く増えますよね。

進学させるには多くのお金が必要になってきます。

ですので、返戻率が重要になってくるのです。

学資保険に加入する際に「返戻金」に関して知っておいた方がいいこと

次に、返戻金について知っておいた方がいいことについてです。

ここでは税金関係で知っておきたいことを解説します。

①受け取る際に税金がかかる可能性があること。

デメリットでも述べたように、保険金、解約返戻金を受け取るときには税金がかかることがあります。

例えば、契約者と受取人が同じ場合(父と父など)には、所得税と住民税がかかることがあります。

所得税に関しては、年金形式で受け取る時は雑所得、一括で受け取る時は一時所得がかかることがあります。

解約返戻金も課税の対象となり、一時所得がかかることがあります。

②確定申告、年末調整で生命保険料控除を受けることができる。

こちらもメリットで述べましたが、学資保険でも所得控除を受けることができます。

手続きをすることによって、還付金を受け取れることもあります。

確定申告、年末調整で手続きをする場合には、「生命保険料控除証明書」が必要になってきます。

これは毎年秋ごろになると保険会社から送られてきます。

忘れずに手続きをするようにしましょう。

学資保険の返戻率をアップさせるコツ

返戻率をアップさせるコツはいくつかあります。

マイナス金利の影響で学資保険の返戻率は下がったので、知っておきたいですよね。

コツは以下の5つとなります。

①保険金額を大きくする。
②保険料を一括で払い込む。
③保険料払込期間を短くする。
④加入年齢を早くする。
⑤特約を外す。

これら5つが返戻率をアップさせるコツになりますが、この5つ全てを実行するのは難しいと思います。

②の保険料を一括で払い込むためには、一度に多額のお金が必要になるので、厳しい家庭が多いと思います。

さらに、①の保険金額を大きくすることも現実的ではないかもしれません。

一番簡単にできることは、④の加入年齢を早めることになるかと思います。

⑤の特約(医療特約など)を外すことも可能かもしれません。

余裕があれば、③の払込期間を短くしてみましょう。

学資保険を返戻率だけで検討してはいけない理由

ただし、学資保険を「返戻率だけ」で検討してはいけません。

各家庭によって、加入の目的(私立高校に通わせたい、私立大学に通わせたいので加入する)や保障内容(医療特約を付けたい)、受取時期(高校入学時にも受け取りたい)、保険料払込期間(なるべく早めに保険料の払い込みを終わらせたい)、払込方法(口座振替がいい、クレジットカード払いにしてポイントを貯めていきたい)など、返戻率以外に考えることはさまざまあると思います。

なので、まずは加入目的や保障内容、受取時期などを総合的にみて数プランを選び、その中で一番返戻率の良いものを選びましょう。

加えて、保険会社のホームページやパンフレットに載っている返戻率は、高く見せるテクニックを使って掲載していることもあります。

例えば、契約者をお母さんにしたり、年齢を若く設定したりしています。

さらに、先ほど述べたように、一括で払い込んだ設定にしたりしていることもあります。

掲載されているものはあくまで「例」です。

学資保険は「返戻率だけ」で検討しないようにしましょう。

賢く学資保険を選ぶコツ1つ

次に、学資保険を賢く選ぶコツをご紹介します。

賢く選ぶコツには、先ほども述べたように返戻率をアップさせるようなプラン選びをすることも1つのコツですし、返戻率だけではなく加入の目的や保障内容など総合的にみて選ぶことも1つのコツです。

ただし、返戻率の話から発展した考え方をすると、賢く選ぶコツはもう1つあります。

それは「実際にどれだけお金か増えるかを計算して確認すること」です。

例えば、返戻率106%と103%のプランを検討しているとして、返戻率が3%上がったところで、実際にはどれだけのお金が増えるのかを知る必要があります。

保険金額2,000,000円を受け取る契約で、

①保険料月15,700円を10年間払い込むと、総額1,884,000円、返戻率約106%
②保険料月16,200円を10年間払い込むと、総額1,944,000円、返戻率約103%

になります。

結果、どれだけお金が増えたかで見ると、

①116,000円
②56,000円

になります。

返戻率103%と3%上がった106%を比べた場合の増えたお金を計算すると、「60,000円」になります。

この60,000円をどう考えるのかは各家庭の経済状況によって違ってくると思います。

「3%上げたところで、たった60,000円しか増えないのか」「60,000円も増えるのか、このプランで加入したい!」などと考え方は様々です。

どれだけお金が増えるかを計算するのは簡単にできます。

保険会社で気になる商品の見積もりをしてもらったら、返戻率だけを見るのではなくぜひ「実際に増える金額」を計算してみましょう。

学資保険のオススメ商品6選

次に、学資保険のオススメ商品を6つご紹介します。

それぞれの商品で特にオススメな点を説明していきます。

①かんぽ生命「はじめのかんぽ」

この保険のオススメな点は、以下の2つです。

(1)医療特約が充実している。

はじめのかんぽに付加できる特約は4つあります。

入院は1日目から保障されますし、先進医療の特約を付加することもできます。

(2)郵便局は各地にあるので手続きしやすい。

郵便局は全国に20,000件以上あります。

かんぽ生命の保険の手続きは郵便局でするか、自宅に職員が伺うかです。

保険の相談自体もお近くの郵便局でできるので、気軽に学資保険のことも聞くことができます。

②ソニー生命「学資金準備スクエア」

この保険のオススメな点は、以下の2つになります。

(1)返戻率が高い。

他社だと、先ほどご紹介した返戻率をアップさせるコツを使わないとなかなか高くなりませんが、ソニー生命の学資保険は通常のプランでも返戻率が他社と比べて高くなっています。

例えば、契約者32歳男性で子どもが1歳で保険金額が2,000,000円、払込期間が10歳までで毎月払い込んでいくとすると、だとすると、返戻率は約105.3%となり、105%を超えています。

(2)保険料払込期間が多い。

この保険の払込期間は、10歳、15歳、17歳、18歳、20歳、22歳から選ぶことができます。

もちろん払込期間によって、契約年齢に制限がありますが、選択肢が多いことは選ぶ側にとってはうれしいことです。

③日本生命「ニッセイ学資保険」

この保険のオススメな点は以下の通りです。

(1)「こども祝金あり型」を選択できる。

こども祝金とは、5歳10か月、11歳10か月、14歳10か月の日の直後の2月1日に支払われる祝金です。

小学校、中学校、高校の入学前にまとまったお金を受け取れるということです。

もちろん「こども祝金なし型」を選ぶこともできます。

④フコク生命「みらいのつばさ」

この保険のオススメな点は以下の通りです。

(1)兄弟割引がある。

他社にはない兄弟割引があります。

これは1人目の子どもがフコク生命の「みらいのつばさ」に加入していて、2人目のこどもも同じ保険に加入する場合に、保険料が割り引かれる制度です。

ただし、契約者が1人目も2人目も同じである等の条件を満たす必要があります。

⑤三井住友海上あいおい生命「&LIFE こども保険」

この保険のオススメな点は以下の2つです。

(1)ケガの通院保障が付加できる。

かんぽ生命の「はじめのかんぽ」にも医療特約はありますが、通院保障はありません。

この「&LIFE こども保険」ではケガによる通院保障を付加することができます。

給付額は、「入院給付金の日額の半分×通院日数」となっています。

ですので、例えば3日間通院した場合で入院給付金の日額が5,000円だとすると、「2,500円×3日間=7,500円」となります。

(2)小学校入学時にも受け取れるプランもある。

日本生命同様、満5歳10か月の後の2月1日に保険金を受け取れるプランもあります。

⑥明治安田生命「つみたて学資」

この保険のオススメな点は以下の通りです。

(1)高額割引制度がある。

「つみたて学資」では、毎年受け取る保険金が700,000円以上の契約の場合、高額割引が適用され、保険料が割り引かれます。

この保険では保険金を4回に分けて受け取ることになるので、保険金額の総額が2,800,000円以上の場合に適用されます。

保険金額を3,000,000円など2,800,000円以上で考えている場合は、ぜひ「つみたて学資」も検討してみてください。

参考サイト⇒かんぽ生命「特約保障のご案内」ソニー生命「学資保険」日本生命「お客様のよくあるご質問にお答えします。」フコク生命「学資保険みらいのつばさ」三井住友海上あいおい生命「&LIFE こども保険」明治安田生命「つみたて学資」

個人年金の返戻率の仕組み

次に、学資保険からは離れて、個人年金保険の返戻率について見ていきましょう。

個人年金の返戻率も学資保険と同じく、「受け取る年金の総額÷支払った保険料の総額×100」で求められます。

この計算において学資保険との違いを上げるとするならば、受け取る年金の総額と支払った保険料の総額が大きくなることです。

個人年金は年金の総額も、学資保険の2,000,000円、3,000,000円よりも大きくなるのが一般的ですし、保険料払込期間も20年、25年、30年以上となります。

個人年金の特徴

個人年金保険の1番の特徴は、老後の資金を貯めるための保険ということです。

もちろん教育資金の貯蓄を目的として加入することもできます。

加入してから保険料を20年、30年、40年と払い込んでいって、契約時に決めた受取時期になったら、年金を5年間や10年間かけて受け取っていくという仕組みとなっています。

一括でも受け取ることができます。

さらに、保険料の払い込みが終了した後に据え置き期間を設定し、返戻率を上げることもできます。

例えば、明治安田生命の「年金かけはし」で年金額と返戻率がどのくらいになるかシミュレーションしてみます。

契約者が30歳男性で月々の保険料20,000円を60歳まで払い込み、5年間据え置いた後、65歳から10年間年金を受け取るプランだと、

・年金の総額 約7,620,000円(1年で約762,000円、月に換算すると約63,500円)
・返戻率 105.9%

となります。

さらに、特徴を述べていくと、個人年金保険料控除(生命保険料控除の1つ)を受けることができます。

参考サイト⇒明治安田生命「年金かけはし」

個人年金の返戻率はどれくらいか

次に、個人年金保険の返戻率について、確認していきましょう。

個人年金に関しても学資保険同様、マイナス金利の影響を受けて返戻率は以前より下がりました。

現在の返戻率はどのくらいなのでしょうか?

明治安田生命の「年金かけはし」と住友生命の「たのしみワンダフル」の例をいくつか挙げてみます。

①明治安田生命「年金かけはし」

月20,000円を60歳まで払い込み、5年間据え置いた後に65歳から10年間受け取る場合の受取総額と返戻率です。

25歳男性 約8,990,000円 107.0%
25歳女性 約8,990,000円 107.0%
30歳男性 約7,620,000円 105.9%
30歳女性 約7,620,000円 105.8%
35歳男性 約6,280,000円 104.8%
35歳女性 約6,290,000円 104.8%
40歳男性 約4,980,000円 103.7%
40歳女性 約4,980,000円 103.8%

②住友生命「たのしみワンダフル」

月15,000円を60歳まで払い込み、5年間据え置いた後に65歳から10年間受け取る場合の受取総額と返戻率です。

住友生命のホームページの契約例の部分を一部引用し、表にしてご紹介します。

20歳男性 7,788,000円 約108.1%
20歳女性 7,788,000円 約108.1%
30歳男性 5,741,000円 約106.3%
30歳女性 5,742,000円 約106.3%
40歳男性 3,779,000円 約104.9%
40歳女性 3,780,000円 約105.0%

このように2社の個人年金を見てみると、返戻率は大体103%~108%といったところです。

参考サイト⇒明治安田生命「年金かけはし」住友生命「たのしみワンダフル」

個人年金の返戻率ランキング

次に、個人年金保険で返戻率の高いプランをご紹介します。

30歳男性が加入した場合の返戻率の高いプランを第1位から第5位までご紹介します。

据置期間の長さなどによって以下の返戻率よりも高い数字となる可能性があります。

シミュレーションサイトのない保険会社の個人年金保険に関しては、ホームページに載っている契約例を元にランキングに入れています。

あくまで各社のホームページから読み取れる情報のみを元にランキング化したので、その点ご了承ください。

第1位 住友生命「たのしみワンダフル」 約106.3% 60歳まで払い込み、5年間据え置いた後に10年間受け取るプラン
第2位 フコク生命「みらいプラス」 106.1% 65歳まで払い込み、10年間据え置いた後に10年間受け取るプラン
第3位 明治安田生命「年金かけはし」 105.9% 60歳まで払い込み、5年間据え置いた後に10年間受け取るプラン
第4位 日本生命「ニッセイみらいのカタチ年金保険」 105.1% 60歳まで払い込んだ後に10年間受け取るプラン
第5位 第一生命「しあわせ物語」 104.6% 60歳まで払い込んだ後に10年間受け取るプラン

医療保険の返戻率とは

最後に、医療保険の返戻率について解説していきます。

医療保険にも商品によっては解約した時に返戻金が受け取れるもの、つまり返戻率の概念があるものもあります。

医療保険の特徴

医療保険とは、病気やケガをして入院・手術・通院などになった場合に給付金が受け取れるものです。

各社から様々な種類の医療保険が販売されており、通院保障が充実しているもの、健康還付金が受け取れるものなど充実しています。

私たち保険を選ぶ側の選択肢は広がっています。

医療保険には「掛け捨て型」と「積立型」の2種類があります。

「掛け捨て型」は、保険料が割安になっており、中には月々1,000円以下で保障できる商品もあります。

掛け捨てなので解約返戻金はありません。

ある場合もありますが、少額になります。

積立型医療保険では解約返戻金を受け取れるが返戻率は高くない

一方、「積立型」の医療保険とは、保障と貯蓄の両方の機能を併せ持つ保険です。

掛け捨て型と異なり、保険料は割高ですが、解約した時に解約返戻金が受け取れます。

ただし、返戻金は少なく返戻率でみると低くなります。

まとめ

以上、返戻率についてでした。

今まで「返戻率って何なの?」「自分で計算してみたいけどできない」という人もいたと思いますが、その悩みが解消されたかと思います。

もちろん返戻率を基準にして保険を選ぶことも1つの手です。

ただし、これだけにこだわりすぎるのも良くありません。

ぜひ自分に合った、本当に加入してよかった!と思えるような保険に加入できるようにしましょう。

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