香港の治安は悪い?良い?外務省発表のデータを元に分かりやすく解説
皆さんは、香港に行かれたことはありますか?
これから香港に行ってみたい!という方も多いのではないでしょうか。
香港は日本から飛行機で約4時間ほどで着く、人気の観光地となっています。
毎年多くの日本人が香港を訪れていますが、気になるのが香港の治安です。
外務省によると、香港には現在、危険情報は出ていません。
治安の良い安全な国だとされています。
しかし、犯罪が少ないという訳ではありません。
2018年には54,225件の犯罪が発生しており、そのうち一番多いのが窃盗で21,309件も発生しています。
私たち日本人などの観光客が巻き込まれやすいのは、パスポートの盗難です。
さらに、偽物のブランド品を無理やり買わせられたり、「かけ子」として日本人が拘留される事案も発生しています。
香港に滞在している時には、警察や消防、救急車に繋がる「999」にかけられる状態にしておくことや、日本では許されている公共交通機関での飲食が禁止されていることなどの香港独自のマナーや法律を覚えておく必要があります。
さらに、衛生面で言うと、香港は亜熱帯にあたり、食べ物が腐りやすかったり、カビが生えやすい地域なので、野菜も含めて生ものは食べないことや、水はお店で購入するなど、注視しなければならない点は多くあります。
最後に、日本語対応の病院などの緊急連絡先もご紹介しています。
香港での滞在が有意義なものとなるように、ぜひご覧ください。
目次
香港の治安は良いのか悪いのか
今回は、外務省の発表を元に、香港の治安は良いのか悪いのかについて、解説していきます。
日本から香港への訪問者数は2018年で2,207,804人となっています。
香港は日本と同じアジア圏にあり、飛行機で4時間程度なので、気軽に行けます。
香港ディズニーランドなども有名で、日本に限らず世界で人気の観光地となっています。
香港の治安については、外務省が発表している危険レベル1~4で表わされる危険情報は出ていませんので、治安は良いと言ってよいでしょう。
例えば、最近でしたら2018年4月26日にスリランカの危険レベルが3に引き上げられました。
これは、日本でも連日報道されている爆破テロによるものです。
実際、スリランカには私の知り合いがいて、ぜひ遊びに来てくださいと言われていましたが、このような知り合いの国でテロがあり、多くの方が犠牲になっているのを知ると、心が痛みますし、当分はスリランカに限らず、他の国にも行きづらくなってしまいます。
このように、いつどんな状況で、香港にも危険レベルが付くかは分かりませんので、常に細心の注意を払った方が良いでしょう。
それでは、犯罪の発生状況や巻き込まれやすいトラブル等について、詳しく解説していきます。
参考サイト⇒日本政府観光局「2018年 訪日外客数(総数)」、外務省海外安全ホームページ「香港」
香港における犯罪発生状況について
初めに、香港における犯罪の発生状況について、解説していきます。
香港ではどのような犯罪が多いのでしょうか。
2018年の犯罪発生状況は全ての犯罪で54,225件あり、2017年の56,017件よりは1,792件減少しています。
一番件数の多いのは「窃盗」で21,309件となっていますが、これも2017年から2,497件減少しています。
窃盗が多いと聞くと、自分が香港に行ったら身の回りのものをしっかり肌身離さず持っていなければならない、という意識になりますよね。
もちろん身の回りのものの管理の徹底は、外国どこに行っても同じ意識を持つべきです。
一方、殺人や詐欺は増加しており、2017年よりも殺人は24件、詐欺は1,281件増えています。
このように、外務省の危険レベルが出ていないからと言って、何も注意を払わずに行けると言ったら大間違いです。
今、危険レベルが出ていないだけで、あなたが旅行中に何か事件が起こる可能性は大いにあります。
香港に行く際には、油断せずに用意周到に行きましょう。
参考サイト⇒外務省海外安全ホームページ「安全の手引き 犯罪の統計」
香港で日本人や観光客が巻き込まれやすいトラブルや事件
次に、香港で日本人などの観光客が巻き込まれやすいトラブルや事件について、詳しく見ていきます。
巻き込まれやすいトラブルや事件は大きく分けて3つあります。
①パスポートなどが盗まれる。
これはどこの国に行っても注意しなければなりませんが、先ほども窃盗が多いというデータからも巻き込まれやすいトラブルと言えるでしょう。
香港で言えば、例えば、有名な観光地としてビクトリアピークや王大仙祠などがありますが、そういったところでは外国人観光客が多く集まります。
そこでは、写真を撮ることに集中しすぎて手荷物に注意が行き届かなくなることもあります。
また、駅では財布などの出し入れをすることが多くなります。
そういった場合に、狙われやすいでしょう。
実際に、2018年1月31日の領事メールとして、パスポートの盗難について注意喚起がなされています。
②偽物のブランド品を無理やり買わせられる。
外国に行くと、ブランド物の購入を目的にしている方もいると思います。
香港では、偽物のブランド品を無理やり買わせられる事案が発生しています。
こういった模造品の持ち出しや持ち込みは、香港では違法となっています。
ブランド物の欲しさあまりに、不審な声かけに気付かず買わせられることもありますので、注意しましょう。
常に「自分は日本にいるのではない、海外にいる」という意識を持つようにしましょう。
③日本人が「かけ子」として拘留される事案が発生している。
2019年4月26日には、外務省から「特殊詐欺事件に関する注意喚起」として、若者を中心にインターネット等を介して、かけ子の勧誘がなされている、と注意しています。
香港に旅行にいったつもりが、加害者となってしまうケースもあるのです。
実際に、香港では2018年詐欺自体は、8,372件起こっており、観光客の逮捕者も出ています。
香港に自分は遊びに行くと思っている方も多いと思いますが、自分には関係ないと思わずに、このことに限らず加害者になってしまう可能性もあるという意識を常に持っていましょう。
参考サイト⇒外務省海外安全ホームページ「安全対策基礎データ」、外務省海外安全ホームページ「現地大使館・総領事館からの安全情報 履歴 2019年1月31日」
香港で特に注意が必要な治安が悪い場所
次に、香港で特に注意が必要な治安の悪い場所について、見ていきます。
香港は前述したように、外務省から危険レベルが出ていない国ですので、特にこの場所が治安が悪い、ということはありません。
ただし、日本人が外国にいるということで、夜遅くの外出や1人での外出は控えた方が良いでしょう。
早めに宿泊先にチェックインして次の日に備えるのが良いでしょう。
香港での防犯対策について
次に、香港にいる時の防犯対策について、解説していきます。
前述したように、香港では窃盗が多く発生しています。
そのような被害に遭わないためにも、バッグなどの身の回りのものは肌身離さず持つようにしましょう。
具体的には、口の開いたバッグは持たない、チャックを最後までしっかりする、ハンドバッグではなく肩からかけるバッグにする、リュックも含めバッグは正面に持つ等、様々対策はできます。
さらに、パスポートや財布などの貴重品はバッグの奥に入れておくのも良いでしょう。
奥に入れることで、万一手を入れられても、盗まれない可能性もあります。
こうした小さなことが大きな防犯対策に繋がります。
香港に滞在している時に特に注意するべきこと
次に、香港にいる時に特に注意するべきことについて、解説していきます。
外国に行くということは、様々な面において細心の注意を払わなければなりませんが、特に注意するべきことについて、述べていきます。
①「999」にすぐにかけられるようにしておく。
「999」とは、香港での緊急ダイヤルのことで、「999」にかければ、すぐに警察や消防、救急車に繋がります。
日本でいう「110番」のようなものです。
何かトラブルや事件に巻き込まれた際には、「999」にすぐかけられるように、自分のスマートフォンや携帯電話の充電をしっかりしておいたり、公衆電話がどこにあるかをしっかり確認しておくと良いでしょう。
大事にならずに済むかもしれません。
②「救命」という言葉を覚え、発せられるようにしておく。
「救命」は「助けてください」という意味で、「ガウメン」と読みます。
「Help」だけでも通じるかもしれませんが、念のためにもこの言葉を覚えておくようにしましょう。
日本でも外国人が「助けて!」と言っていたら、駆け寄ると思います。
その際には、「I’m Japanese」と自分は日本人であって困っている、ということを恥ずかしがらずに伝えるようにしましょう。
トラブルや事件の収束に繋がる可能性があります。
ご家族やご友人と香港に行く際には、自分だけではなく一緒に行く人にも「救命」という言葉を覚えて発せられるようにしましょう。
「救命」という言葉を覚えている、知っているだけでは役に立ちません。
実際に使えるようにしましょう。
③香港独自のマナーや法律を覚えておく。
外国に行くということは、その国のマナーや法律に従うということです。
例えば、バスや電車などの公共交通機関では飲食が禁止されています。
日本では、例えば、電車の中で堂々と飲食をしているとマナーが悪いなとは思いますが、禁止はされていません。
さらに、タクシーなどに乗る際にはシートベルトを着用しないと、最高5,000香港ドル(日本円で約70,000円)の罰金が科されてしまいます。
このように、日本では許されても香港では許されないことは多くあります。
知らなかったでは済まされません。
香港独自のマナーやこれをすると罰金が科せられるといった情報は、外務省のホームページにも載っていますし、旅行会社で申し込むときに、注意喚起があるかもしれません。
法律等は突然変わる可能性もありますので、最新の情報を得られるようにアンテナを張っておきましょう。
参考サイト⇒外務省海外安全ホームページ「安全の手引き 安全対策・基本的な心構え 事件や事故に巻き込まれてしまったら」、外務省海外安全ホームページ「安全対策基礎データ」
香港で特に注意をするべき病気とケガ
次に、香港で注意をするべき病気やケガについて、見ていきます。
外務省では、香港で特に注意をするべき病気として、以下のものを挙げています。
①下痢症、食中毒
香港は亜熱帯に属しており湿気が多いため、日本とは異なり、食べ物が腐りやすく、その結果カビも生えやすくなっています。
香港も含め、熱い地域に行く際には、食べ物の状態に気を使わなければなりません。
酷いときには香港の病院にかかることも考えられます。
香港で食べるときには、野菜は熱の通っているものを食べるようにしましょう。
果物に関しても生のものを食べるのは避けましょう。
水に関してもお店で購入する水を持ち歩く方がよいでしょう。
②水痘、流行性耳下腺炎、麻疹、手足口病、猩紅熱
水痘や流行性耳下腺炎、麻疹、手足口病、猩紅熱にも注意しなければなりません。
外務省では、水痘、流行性耳下腺炎、麻疹については予防接種を受けることを勧めています。
香港でも予防接種は受けれますが、日本で受けていった方が安心でしょう。
その他の予防策としては、手洗いの徹底や日本で売っているドラッグストアなどで売っている消毒のジェルを持ち歩くことも良いでしょう。
③デング熱、日本脳炎、ダニ感染症
日本でも数年前にデング熱が話題になりました。
何かしらの虫に刺され、日本国内に持ち込んでしまう可能性もあります。
虫に刺されないために、外を歩く際には肌を極力出さない格好をしたり、虫よけスプレー等を持ち歩いたりして対策しましょう。
参考サイト⇒外務省海外安全ホームページ「世界の医療情報 中国(香港)」
香港での衛生面での心配点
次に、香港での衛生面における心配点について、解説していきます。
前述した注意をするべき病気とケガの1つ目と重なりますが、香港で何かを食べる際には、生でないか、洗われてあるか、しっかり火が通されてあるか、確認しましょう。
日本と異なり、香港では野菜や果物も生では食べない習慣となっています。
日本にいる感覚で食べないようにしましょう。
さらに、重複しますが、水もお店で購入した水を持ち歩いて飲むようにしましょう。
さらに、香港はものが腐りやすく、カビも生えやすい地域ですので、その水も数日に渡って飲むのではなく、旅行1日目、2日目と買い替えた方がなお安全でしょう。
参考サイト⇒外務省海外安全ホームページ「世界の医療情報 中国(香港)」
香港で何かあった際の連絡先と対処方法
最後に、香港でトラブルや事件、病気やケガなどにあった場合の連絡先と対処方法について、説明していきます。
外務省の「安全の手引き」に記載されている緊急連絡先の中で、いくつかピックアップしてご紹介します。
<総領事館>・852-2522-1184
24時間対応しており、何かトラブルに巻き込まれた際には、ここに連絡すると良いでしょう。
<香港日本人クリニック>・5418-7122(日本人が受付してくれます。)
・日本語対応可能病院であり、24時間緊急外来があります。
・予約が必要かどうかは不明ですが、一度連絡して確認してみましょう。
<ドクター アドリアン ホー>・5991-2986(日本語可能です。)
・日本語対応の歯科で、日曜と祝日はお休みです。
<Baker&Mckenzie>・2846-1888(代表)
・日本語対応可能の弁護士事務所です。
・外務省のホームページに記載されているURLでは英語表記のホームページに飛びます。
日本語対応可能で24時間緊急外来がある病院は、他に4か所あります。
前述した「999」に加えて、上記の連絡先を覚えて、メモしておきましょう。
その他、ご自身のクレジットカードを失くした際の連絡先もメモしておきましょう。
失くした際の連絡先は各クレジットカード会社のホームページ等に記載されています。
トラブルや事件、病気やケガをしてしまった場合には、周りに助けを求めて、焦らずお手持ちのスマートフォンや携帯電話、公衆電話で連絡しましょう。
救急車や警察が来る場合は、落ち着いて行動し、待つようにしましょう。
参考サイト⇒外務省海外安全ホームページ「安全の手引き」
まとめ
以上、香港の治安についてでした。
香港は治安が良い国とされています。
2019年のお盆は9連休とも言われており、今後、香港へ行く日本人は増加するかもしれません。
ただし、治安が良いというのは、現在そうなだけであって、あなたが滞在中に危険情報が発せられ、治安が良いとは言えない状況になることも考えられます。
油断せずに、用意周到に滞在の計画を進め、有意義なものとなるように努めましょう。
最後にご紹介した緊急連絡先もしっかりメモし、いざとなった場合に連絡できるようにしましょう。
以上となります。