持病があっても入れる医療保険はある?隠すのはダメ!告知なしで入れる保険3選

2024.07.16

医療保険(入院保険)

持病があっても医療保険に加入出来る可能性はあります。

ただし、通常の医療保険の加入では条件がついたり、引受基準を緩和した医療保険であったり、無選択という医療保険であったりすることが前提となる加入の可能性ということになります。

それぞれどのような条件や内容での加入が可能なのか、また加入を検討する際の注意点についてわかりやすく説明していきたいと思います。

持病があっても入れる医療保険はある?通院中じゃなければ告知義務はない?

結論から申し上げますと、持病であっても入れる医療保険はあります。

通常の医療保険では、持病があると健康状態を理由として保険会社から加入を断られてしまいます。(謝絶といいます。)

しかしながらそうした通常の医療保険でも、条件付きで加入出来る場合があります。

また、通常の医療保険とは異なる引受基準緩和型医療保険であれば持病があっても加入できる可能性があります。

さらに、健康状態を全く問われない無選択型医療保険という医療保険も存在しています。

通院中じゃなければ告知は不要か

告知とは医療保険に加入する際に、自身の健康状態について保険会社の用意した告知書にありのままを記入することです。

この告知をする際に、通院中ではないものの、医師から継続的な服薬をすすめられていた場合はどのように考えたらよいのでしょうか?

あるいは処方箋をいただいて服薬中である場合はどのように判断したらよいのでしょうか?

結論から言うと、そうした服薬中の場合は「医師による投薬を受けている状態」ですから、告知書できちんと告知(該当ありと記載)する必要があるのです。

そもそも持病の定義とは~入れない持病と通院中の基準

持病とは、慢性的な疾患のことで、病気に罹患した後は完治となる場合が少なく、継続的な検査や投薬が必要とされる病気を総称して呼ばれています。

具体的には糖尿病や高血圧といった症状を思い浮かべていただけると理解しやすいでしょう。

入れない持病とは

通常の医療保険であれば、持病がある場合はほとんど加入することが出来ないと考えたほうが良いでしょう。(ただし例外的に保険会社の判断で条件付きで通常の医療保険に加入出来る場合があります。)

引受基準緩和型医療保険であれば、投薬だけの持病であれば加入できる可能性があります。

しかしながら、がんや肝硬変などの疾病での持病では投薬だけでも引受基準緩和型医療保険に加入することはできません。

通院中とは

通院中とは、お医者さんに定期的にかかっている時期というのが一般的な理解だと思われます。

しかしながら先ほども説明したとおり、慢性的疾患の場合は、しばらく通院をしていなくても医師から投薬を勧められていたりして、完治となっていない場合も多くあります。

一般的な意味で通院中かどうかは医師の所見・診断(書)に基づきますが、医療保険の加入については、告知書の記載事項やその元になる引受基準に基づき、保険会社が通院中かどうかをふまえて加入の可否を判断しているのです。

持病があっても隠すのはダメ絶対!告知義務違反のリスクについて

かりに持病があったとして、告知書に記載しなかったとしたらどうなるでしょうか。

加入した時点ではおそらくばれないでしょう。

しかしながら、医療保険に加入するのは疾病の時に給付金を受け取るためです。

いざ病気になって保険会社に給付金の請求をした時に、保険会社の方では医療機関や健康保険組合などに対して調査を行ないます。

そうすると、実は医療保険の加入時に持病があるにもかかわらず隠して加入していたことがばれてしまいます。

告知義務違反のリスク

加入時の告知において健康状態を偽ったりすることを告知義務違反といいます。

本来ありのままに健康状態を告知しなければらない加入者の義務に違反した、ということです。

この告知義務違反になると、給付金などは一切支払われず、医療保険も解除となり、その後の保障が無くなってしまう事態となります。

くれぐれもこうした事態にならないように、持病がある場合は隠さずにありのままを告知しましょう。

引受基準緩和型医療保険と告知書について

引受基準緩和型医療保険は、医療保険の一種類ですが通常の医療保険と異なります。

その最大の違いは名称にもある通り、保険会社の引受基準です。

引受基準緩和型医療保険は、この引受基準が緩和されており、通常の医療保険よりも加入しやすくなっており、持病がある方でも加入出来る可能性があるのです。

項目の少ない告知書

具体的な違いは告知書の違いに現れています。

通常の医療保険であれば告知項目は8項目前後あり、過去5年以内の病歴に遡った告知を求められています。そして、どれか1項目でも該当があると加入できないのが通常です。

これに対して引受基準緩和型医療保険の告知書は、告知項目が3~4項目に絞られており、過去2年以内のがん履歴や直近3ヶ月の病歴を告知するように求められます。

投薬の告知は求められていない

また引受基準緩和型医療保険の告知書には、投薬についての告知事項がないため持病で投薬をしている方でも告知書には該当なしとなる方も多いのです。

ただし、がんの場合での投薬や医師から入院・手術・検査をすすめられている場合には告知事項に該当してしまいますので注意が必要です。

持病があっても入れる医療保険のデメリットを知っておこう

引受基準緩和型などの医療保険であれば持病があっても加入できる可能性があることがわかりました。

しかしながらこうした持病があっても入れる医療保険のデメリットもよく理解したうえで加入を検討することが大切です。

保障金額が半額になる期間がある

大半の引受基準緩和型医療保険は、加入後1年間は、保障金額が半分に減額される仕組みとなっています。

例えば病気やケガで入院した場合に1日につき5,000円の給付金がある引受基準緩和型医療保険に加入したとすると、加入後1年以内での入院は1日につき2,500円となってしまうことになります。

通常の医療保険よりも保険料が割高となる

引受基準緩和型医療保険のもう一つのデメリットは、通常の医療保険と比べて保険料が割高になることです。

一つ目のデメリットである保障が半額となることと合わせて、得られる保障と安心に対して、支払う保険料が納得できる水準かどうかをよく吟味する必要があるでしょう。

無選択型医療保険

無選択型医療保険についても説明しておきましょう。

無選択医療保険とは、保険の加入に際して健康状態の告知などを求められない医療保険です。そのため持病があっても加入出来る医療保険となります。

しかしながら、どんな健康状態でも加入出来てしまう医療保険のため、そうした方々の病気やケガの給付金に備えて、保険料が相当割高となっています。

本当にこうした無選択型医療保険に加入するかどうかは慎重に検討されたほうがよいでしょう。

持病があっても入れる医療保険3選

それでは持病があっても入れる可能性のある医療保険について具体的に紹介をしていきましょう。

それぞれの商品の特徴と注意点をまとめましたので、加入を検討する際の参考としていただければと思います。

なお、ここでは引受基準緩和型(限定告知型)医療保険の紹介とし、無選択医療保険については対象外としています。

メディケア生命 メディフィットRe

最初に紹介するのはメディケア生命のメディフィットReです。

限定告知型医療終身保険(無解約返戻金型)が正式名称ですが、解約返戻金は無いが一生涯の医療保障に限定告知で加入出来るという意味です。

限定告知型とは引受基準緩和型と同じ意味です。「引受基準を緩和している」ということは、言葉を変えると「告知を限定している」ということになります。

メディフィットReの特徴は告知事項の少なさと加入後1年目からの全額保障です。

注意点は先程も説明したとおり、通常の医療保険と比べて保険料が割高であることです。

告知事項は3項目のみ

告知事項は3項目のみなので、持病を持たれた方でも該当する可能性が少なくなり、加入出来る可能性が高くなります。

1最近3か月以内に、「医師に入院・手術・先進医療をすすめられたこと」がありますか。

2過去5年以内に、がん・肝硬変・統合失調症・認知症で、「医師の診察(検査・治療・投薬を含む)をうけたこと」がありますか。

*現在、がん・肝硬変の疑いがあると医師に指摘されている場合を含みます。

3過去2年以内に、「入院をしたこと」または「手術をうけたこと」がありますか。

引用_メディケア生命 メディフィットRe

1年以内の請求も全額保障

引受基準緩和型(限定告知型)医療保険は、加入から1年以内の給付金は半額となるのが通常だと説明しましたが、メディフィットReは1年以内の給付金を半額に減額せず全額保障となります。

加入後から必要な保障が全額欲しいという方はぜひ検討に加えてみてください。

参考サイト⇒メディケア生命 メディフィットRe

ネオファースト生命 ネオdeいりょう 健康プロモート

次に紹介するのは、ネオファースト生命のネオdeいりょう 健康プロモートです。

正式名称は無解約返戻金型終身医療保険(引受基準緩和型)ですので、引受基準緩和型医療保険であることがわかります。

ネオdeいりょう 健康プロモートの最大の特徴は健康状態を維持すると保険料が割引になることです。

またメディケア生命のメディフィットReと同様で加入から半額保障とならず全額の保障となっています。

注意点としては告知事項は4項目である点、通常の医療保険よりも割高になっているという点です。

健康状態を維持すると保険料割引

加入後5年間にわたって保険会社の定める給付金の日数以内であれば、5年目以降は月払いで1,500円から2,000円程度の保険料が割り引かれる制度です。(割り引かれる金額は年齢などによって異なります。)

健康割引について定めた該当箇所を抜粋してご紹介します。

契約日から5年間、疾病入院給付金・災害入院給付金の支払われる入院日数が通算してそれぞれ5日未満の場合、「健康割引特則」が適用され、保険料が割り引きになります。

引用_ネオファースト生命

告知事項は4項目

告知事項についてはメディケア生命メディフットReよりも一項目多い4項目となっています。

ただし、4つ目の告知事項は抗がん剤治療特約とがん診断特約に申し込む場合にのみ必要な項目のため、加入内容によっては実質3項目での告知で済むことになります。

1過去5年以内にがん(上皮内新生物を除く)・肝疾患・精神疾患・腎疾患で入院(人間ドックは除く)したこと、または手術(レーザー・内視鏡・カテーテルによるものを含む)を受けたことがありますか。

2最近3ヶ月以内に医師の診察または検査により入院(人間ドックは除く)または手術(レーザー・内視鏡・カテーテルによるものを含む)をすすめられたことがありますか。(すでに入院をした、または手術を受けた場合は「いいえ」になります)。

3過去2年以内に上記1以外の病気やケガで入院(人間ドックは除く)したこと、または手術(レーザー・内視鏡・カテーテルによるものを含む)を受けたことがありますか。

※告知事項3が「はい」に該当した場合でも、その内容によってはお引き受けできる場合があります。

▼抗がん剤治療特約(引受基準緩和型)、がん診断特約(引受基準緩和型)にお申し込みの方は下記の項目についても告知ください。

4過去5年以内に上皮内新生物で入院(人間ドックは除く)したこと、または手術(レーザー・内視鏡・カテーテルによるものを含む)を受けたことがありますか。

引用_ネオファースト生命

参考サイト⇒ネオファースト生命 ネオdeいりょう 健康プロモート

オリックス生命 CURE Support(キュアサポート)

最後に紹介するのはオリックス生命の引受基準緩和型医療保険キュアサポートです。

オリックス生命キュアサポートの最大の特徴は、過去5年以内に関する告知内容が限定されており、持病がある方でも加入できる範囲が広く設定されていることです。

一方でキュアサポートは加入から1年以内保障は半額に減額されているので注意が必要です。

告知事項は限定的

告知事項は4項目となっていますが4つ目の項目が、5年以内のがんおよび上皮内新生物に限定されていて、他の保険会社では告知対象となっている肝疾患・精神疾患・腎疾患は告知対象外です。

告知事項

すべて「いいえ」であれば、お申込みいただけます。

ご職業等により、引受けを制限させていただく場合がありますので、あらかじめご了承ください。

1最近3か月以内に、医師から入院・手術・検査のいずれかをすすめられたことがありますか。または、現在入院中ですか。

2最近3か月以内に、がんまたは上皮内新生物・慢性肝炎・肝硬変で、医師の診察・検査・治療・投薬のいずれかをうけたことがありますか。

3過去2年以内に、病気やケガで入院をしたこと、または手術をうけたことがありますか

4過去5年以内に、がんまたは上皮内新生物で入院をしたこと、または手術をうけたことがありますか。

引用_オリックス生命

参考サイト⇒オリックス生命 CURE Support

まとめ

持病があっても医療保険に加入出来る可能性について説明をしてきました。

まず最初に検討したほうが良いのは、通常の医療保険での条件付き加入です。

次に検討したいのは、引受基準緩和型(あるいは限定告知型)医療保険です。

告知項目が限定されており、持病がある方でも入れる可能性がある商品となっています。

この引受基準緩和型医療保険には5年経過後に保険料が割り引かれるという商品がある半面、通常の医療保険と比較すると保険料が割高であったり、当初1年間半額保障であったりすることがあるので注意が必要です。

最後に検討したいのは、無選択型(無告知型)医療保険です。

これは保険料が相当割高になるため、加入を検討する際には備えたい保障と支払う保険料との両方をしっかりと比較したうえで加入を判断されることをお勧めします。

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