火災保険で空き巣被害も補償される?現金や貴重品、窓ガラスや家財の破損は対象かFPが解説
留守宅を狙い侵入する空き巣被害。
突然の被害と安全なはずの住居に侵入され、家財を盗まれることは大変ショックなことでしょう。
多くの空き巣被害は、窓ガラスを割ったりドアを壊したりして住居に侵入し、高価な家財を中心に盗まれます。
空き巣被害は火災保険で保証されるのでしょうか?
結論から申し上げれば、空き巣被害は火災保険で補償されます。
火災保険は火事や風水害の被害を補償するだけではありません、窓ガラスを割ればそのガラス破損被害、また盗難にあった家財があればその家財なども補償対象です。
しかし、全ての家財が100%補償されるということではありません。
家財の価値や物品によりその補償額が変わってきますし、補償されない部分もあります。
空き巣被害に合った場合の火災保険の補償内容や、保険各社の対応について案内しますね。
目次
火災保険では空き巣被害は補償対象外?
契約内容にもよりますが、基本的に家財や盗難補償を付ければ空き巣被害は補償されます。
空き巣が侵入する時に、窓を破損されたまたはドアを壊されたなど建物に対する損害。
また盗まれた家財など補償対象です。
この場合は建物被害と家財被害という損失で判断されて、それぞれ保険金が支給されます。
このタイプの火災保険は、住まいの保険という種類で、補償されていますがその補償内容が
フルカバータイプ、あるいは被害の上限金額が決められているタイプなど種類もたくさんの商品がありまた特約で補償を手厚くしています。
フルカバーなら掛け金も高額になりますが、いざという時の補償額が少ないと困る場合が
でてきますよね。
掛け金と補償内容のバランスを検討することが必要でしょう。
空き巣に盗まれた現金は火災保険で補償される?
契約内容で現金も補償するタイプに加入されているなら補償されます。
ただ、補償も上限を設けている火災保険が多いのでご検討が必要でしょうね。
火災保険に加入される場合、いくら補償されるのか?
全額なのか?または被害金額の5割程度なのか、契約内容により大きな差が出ます。
当然高額なフルカバーするような、火災保険に加入されていれば安心ですが、その分保険料は高額になります。
空き巣に盗まれた貴金属や貴重品は火災保険で補償される?
自宅に置いておいた貴金属や貴重品(骨董や絵画など)は一点30万円以上の価値があるものに対しては予め保険会社へ届けを出しておく必要があります。
これを「明記物件」いいます。
明記物件の定義とは
貴金属。
宝石および書画・骨董・彫刻物その他美術品など。
または稿本・帳簿・設計書など知的財産もこの明記物件に該当します。
1点30万円以上の価値があると、火災保険契約時に申告し保険証券にその明記物件を明記
されないと盗難にあっても補償はされませんので、必ず申告しましょう。
空き巣に割られた窓ガラスは火災保険で補償される?
建物被害として補償されます。
火災保険の中の建物損害においての補償となります。
窓ガラスだけでなく、ドアやその他建物に対する被害は火災保険での補償対象です。
空き巣に壊された・盗まれた家財道具は火災保険で補償される?
盗難にあった家財道具は火災保険の補償対象になります。
こちらは、火災保険の家財保険の補償になります。
空き巣被害にあい、いろんな物が盗まれて大変だと思いますが被害届を警察に届けると
警察からも「火災保険の補償内容の確認」を促されます。
ただ盗難にあった家財が多岐にわたると、どの程度の被害なのか火災保険にどのように
申告すれば良いのか迷われるところでしょう。
この費用のことを簡易評価額とよび、その金額は各社保険会社統一の目安となっています。
家財道具の費用は単身者か家族がいるかで金額に差がでます、以下の表をご覧下さい。
この簡易評価表を見てみると、最低でも265万~1,730万までの金額が算定されています。
家財が盗難または、災害などによりもう一度生活するに必要な家財を整えるための再調達額です。
単身者の算定が1番低いですが、例えばデザイナーズ家具などもっていてこの金額では
とても収まらないという方もいるでしょう。
しかし、先にご案内した明記物件でもない限りはこの金額を超えての請求はできません。
タイヤの盗難は火災保険で補償される?
火災保険では、タイヤの盗難は補償されないようです。
車の被害は火災保険より自動車保険の車両保険にてカバーされるようです。
でもその補償内容は規定があります。
・タイヤが契約車両で利用中であった場合は補償されます。
(タイヤのみ盗まれた場合でも補償対象です。)
・ガレージに保管されており、契約車両から取り外してあった場合は補償の対象外です。
たとえ補償する場合でも、上限金額が保険会社や契約内容により異なります。
ご利用の保険内容をご確認ください。
自転車の盗難は火災保険で補償される?
自転車の盗難は火災保険では補償対象外です。
自転車を利用しているのであれば、その盗難や自転車の事故に対応した保険が発売されています。
火災保険では自転車の盗難においては補償対象外ですが、自転車の保険に加入しておけば、盗難にあっても補償されます。
自動車や自転車など乗り物に関しては、火災保険対象ではなくそれぞれ自動車保険や
自転車保険にて対応されることでしょう。
賃貸アパートやマンションでも火災保険で空き巣被害は補償される?
集合住宅、賃貸アパートやマンションでも空き巣被害は補償対象になります。
建物に関する被害なども、借家人賠償契約にてドアや窓ガラスなど損壊・被害を受けた
部分や家財も補償されるので安心ですね。
各社火災保険・盗難や空き巣被害への対応
空き巣にあった場合の補償内容について、主に建物と家財に分けて説明をしました。
今度は火災保険各社の盗難や空き巣被害への対応について個々に検証してみましょう。
今回比較したのは、火災保険5社の対応になります。
下記表にまとめたとおり、すべての火災保険で空き巣被害の補償をしています。
盗難 家財補償 | 盗難 建物補償 | 免責金額 | |
東京海上日動火災保険
トータルアシスト住まいの保険 |
〇 | 〇 | 0円~5万円 |
セコム
セコム安心マイホーム保険 |
〇 | 〇 | 10万円・20万円 |
三井住友海上保険
GK住まいの保険 |
〇 | 〇 | 1万円~10万円 |
都道府県民共済
新型火災共済 |
〇 | 〇 | 5万円 |
損保ジャパン
THE住まいの保険 |
〇 | 〇 | 0円~10万円 |
差があるのは、被害に遭った場合の免責金額(自己負担金額)が各社異なっている部分です。
支払われる損害保険金の額は下記のようになります。
損害額(修理費も含む再調達金額)- 免責金額
再調達価格とは、保険会社各社が目安としている簡易評価表に準じているので先に
ご案内した表を参考にしてください。
東京海上日動火災保険の火災保険と空き巣被害への見解
東京海上日動火災保険での火災保険は「トータルアシスト住まいの保険」という商品で
この空き巣被害・盗難について補償されています。
・火災保険を建物と家財に分けて契約が可能ですが、建物のみの契約しかない場合は家財が盗難にあっても、補償対象外です。
・明記物件一個あたり30万円を超える貴重品は1事故あたり合計100万円まで補償
されています。
例として、明記物件が5つあると150万になりますが1事故あたり合計100万までの
補償なので被害金額より下回った金額の保険金しか支払われません。
セコムの火災保険の火災保険と空き巣被害への見解
セコム安心マイホーム保険という商品が空き巣被害への補償をされています。
・セコムでは盗難被害にあいその後、ユーザーが危険防止のために支払った費用を1事故につき最高50万円まで補償です。
具体的な内容としては、防犯カメラ・金庫・消火器などセキュリティ・グレードアップの為に支払った金を最高50万円まで補償します。
・明記物件が盗難された状況であれば1事故あたりの限度額は100万円が限度額です。
三井住友海上の火災保険と空き巣被害への見解
三井住友海上ではGK住まいの保険で空き巣被害への補償をしています。
・空き巣被害での補償を受けるには、建物と家財の両方補償する契約をされる必要となるので契約時にはご注意が必要です。
・明記物件に関しては他の保険会社が1個につき30万以上の物品と定義されていますが、GK住まいの保険では1個につき100万を超える被害に対しては100万円を限度額として設定されています。
・通貨・印紙・切手・乗車券の盗難について30万円を限度として補償しています。
・預貯金証書(通帳・銀行のキャッシュカード等)の盗難については、盗難によって現金が
引き出される損害が生じた場合に階切り300万円を限度に補償をうけられるのです。
都道府県民共済の火災保険と空き巣被害への見解
都道府県民共済では新型火災共済という商品名で空き巣被害の補償をしています。
手頃な金額での補償で医療保険と共に加入者数が増えているようですね。
空き巣被害については、新型火災共済のHPで「突発的な第三者の直接加害行為」となっており損害金額が5万円未満のものを除き補償対象としています。
家財の被害については条件により上限を設けていますが、その他お見舞い金が支給されるのが新型火災共済の特徴といえるでしょう。
金額は被害内容により異なります。
損保ジャパンの火災保険と空き巣被害への見解
損保ジャパンの火災保険は「THE住まいの保険」という商品でこの空き巣被害・盗難について補償対応されています。
・THE住まいの保険では盗難やひったくりなどにも適用する保険を細かくカバーして
いるのが特徴です。
例えば、道で歩いてひったくりにあい鞄ごと盗まれて現金5万円を奪われた。
このような場合は家財保険にプラスして携行品損害特約を契約していると補償されます。
・空き巣被害に遭った後に災害の防止策の為に防犯カメラを設置すると20万円を上限とし
て費用を補償しており、この場合の自己負担金額は0円です。
・通貨・印紙・切手・乗車券の盗難について20万円を限度として補償しています。
・預貯金証書(通帳・銀行のキャッシュカード等)の盗難についても限度200万円または家財の保険金額のいずれか低い額が支払われるとのことです。
まとめ
空き巣被害が火災保険で補償されるのか?
大手5社の特徴も含めてご紹介しました。
調べてみると火災保険では盗難に対する補償は、全社補償されています。
各社の違いとしては、自己負担金額である免責金額の限度額が異なっている部分に違いがあり、ご加入する際には掛け金や補償内容をぜひご検討くださいね。
この記事が火災保険を検討されている皆様へのご参考になれば幸いです。