学資保険の代わりはドレだ!終身保険・貯金・投資・ジュニアNISAをFPが比較
教育資金を貯める方法は学資保険だけではありません。
預貯金や個人年金保険、養老保険、投資信託などの方法がありますが、最近では終身保険、その中でも低解約返戻金型終身保険が多く利用されています。
保険販売店では学資保険よりも終身保険を勧められることが多くなっている状況です。
低解約返戻金型終身保険とは、保険料払込期間中の解約返戻金を70%程度に抑えた終身保険で、保険料も割安に設定されています。
一方、払込期間中に解約すると受け取れるお金が少なくなるデメリットがあります。
そのため、教育資金を貯めるために利用するには、払込期間をなるべく短くすることがポイントとなります。
様々な積立方法がありますが、どれにするか決める時には景気や経済状況に注意することが大事になってきます。
例えば、学資保険は2016年1月のマイナス金利が導入されたことによって、各社返戻率が下がりました。
こういった景気、経済状況に目を向けていると、「自分にはどういった方法があっているのかな?」とより良い選択肢が見えてきます。
加えて、安全性を優先させたいのか、収益性を優先させたいのか決めておくことも大事です。
安全性の高い学資保険で準備するのか、それとも収益性の高い投資信託にするのか、それとも併用するのかを、家庭の状況、ライフプランに合わせて検討することによって、より良い積立方法を見つけることができます。
今回は、以上で挙げた以外にも様々な積立方法をご紹介しています。
メリットやデメリットも解説しています。
ぜひご覧ください!
目次
学資保険は要らない?終身保険は学資保険の代わりになるのか?
「終身保険は学資保険の代わりになる!」
こんなことを聞いたことのあるお父さん、お母さんはいませんか?
「最近よく耳にする!」という人もいると思いますし、「意外!」「本当に代わりになるの?」とさまざま感じるかと思います。
今回は、終身保険を中心に学資保険以外に教育資金を積み立てる方法をご紹介していきます。
教育資金を積み立てられるのは学資保険だけではない
そもそも学資保険とは、教育資金を貯めるための貯蓄の機能を持つ保険ですよね。
そう考えると、何も貯蓄性のある商品は学資保険だけではなく、他にもあると思いませんか?
ここ近年、学資保険の代わりになるものとして、特に注目され利用されているのが、終身保険です。
ネットで「学資保険 終身保険」と検索してみると、たくさんの情報が出てきます。
私の友人も2人目の子どもの教育資金は終身保険で貯めようかな、と悩んでいました。
終身保険も含め、その他の方法の詳しいことは後ほど解説していきます。
返戻金を多く貰うか、保障を手厚くするか、目的をはっきりさせる
まず、教育資金を貯める方法を選ぶ際には、その「目的」をはっきりさせることが非常に重要です。
それは、「返戻金を多く貰いたい」のか、「保障を手厚くしたい」のかです。
例えば、契約者の万一の保障の部分を手厚くしたいのなら、学資保険の2,000,000円や3,000,000円では足りないと感じるかもしれません。
そうなると、保険金、つまり保障の部分をより大きくできる終身保険の方が自分には合っている!と感じるかもしれません。
このように目的によってベストな積立方法は変わってきます。
ですので、自分は何を重視したいのかをはっきりさせておくことが大事です。
学資保険の特徴
それでは、ここで学資保険の特徴を確認していきます。
仕組みや返戻率やメリット、デメリット、こども保険との違い、大手の商品について詳しく解説していきます。
学資保険ってどういうもの?
知っている人も多いと思いますが、学資保険は子どもの教育資金を貯めつつ、契約者に万一のことがあった場合の保障もついてくる保険です。
万一の保障とは、死亡や高度障害になった場合に保険料の払い込みがストップされつつも、保険金はしっかり受け取れるということです。
保険料は契約したときから一定期間払い込みつづけます。
一括で払い込める商品もあります。
そして、契約時に決めた受取時期(高校、大学入学時など)に保険金が受け取れる仕組みとなっています。
医療保障を付けられる商品もあれば、出産前でも加入できる商品もあります。
返戻率
「返戻率」は学資保険について調べたり、商品パンフレットを見ているとよく出てくる言葉ですよね。
「受取率」としている商品もあります。
その返戻率ですが、商品によってはホームページに表記されていないものもあります。
そのようなときは、「保険金の受取総額÷保険料の払込総額×100」で求めてみてください。
例えば、保険金の受取総額が3,000,000円で、保険料の払込総額が2,640,000円(=月22,000円×10年間×12か月)だとすると、約114%になります。
最近の商品では114%にもなるものはありませんし、保険料の払込期間を工夫したりしてようやく110%弱になるぐらいです。
ぜひ返戻率が分からないときには計算してみてください。
意外と簡単にできますよ。
学資保険は無駄?学資保険のメリット・デメリット
これまでメリットを多く解説してきましたが、デメリットもいくつかあります。
その他のメリットと合わせてご紹介します。
メリット | デメリット |
①強制的に教育資金を貯められる。
②家庭のライフプランにあわせて保険料の払込期間や受取時期を選べる。 |
③昔と比べると返戻率は下がってきている。
④中途解約で元本割れの可能性がある。 |
①子どもの教育資金を貯めなきゃ!と思っていても、実際は本当に貯められるかな?と心配なお父さん、お母さんは多いと思います。
学資保険は「保険」なので、主に保険料は銀行口座から引かれます。
クレジットカード払いができる商品もありますが、強制的に保険料が引かれるのには変わりありません。
教育資金は必ず必要になってくるので、強制的に貯められるような仕組みは助かりますよね。
②それぞれの家庭によって、子どもの育て方、どういった教育を受けさせたいかは異なります。
「私の家庭は大学を入学する時に受け取れるようにしたい!」だとか「保険料の負担が長く続くのは嫌だから払込は早く終わらせたい!」といった異なるプラン、考え方があります。
もちろん学資保険を扱っている会社は多いわけではありませんし、それぞれの商品によって払込期間も受取時期も完全に自由に選べるわけではありません。
ただ、各商品を見ると、完全に保障内容が一致しているわけではないので、それぞれの家庭のプランにより近いものを見つけることができます。
③学資保険を検討するときに気になるのが返戻率ですが、残念ながら以前よりも下がってきています。
理由は国のマイナス金利政策によるもので、それに伴い2016年の4月には各保険会社の返戻率が下がることになりました。
これは個人年金保険にも言えることで、私が営業職員として働いていた数年前は、個人年金保険の返戻率は23歳ぐらいで110%を超えていたと記憶していますが、現在は105%前後です。
私の友人はまさに返戻率が下がる2016年4月に子どもを生みましたが、保険会社の営業職員に「返戻率が下がる」と言われたために、早めに加入しました。
現在の返戻率を知りたい人は各社ホームページにあるシミュレーションサイトで算出してみるか、先ほどの計算式に当てはめて算出してみましょう。
④学資保険は解約時期によっては元本割れする可能性があります。
元本割れとは返戻率が100%を切ることです。
ですので、保険料の払込期間の長さをどれくらいにするのかは非常に重要です。
例えば、払込期間を10年に設定したけど、保険料が5年しか払えなくて解約せざるを得なくなった、といった場合はかなり勿体ないことになります。
こども保険は学資保険とどう違う?
学資保険と似ている言葉で「こども保険」という言葉を聞いたことはありませんか?
どちらも子どもの教育資金を貯められるという点では変わりありません。
ただ、学資保険は「教育資金を貯める方を主としている」のに対して、こども保険は「子どもの入院や手術などの医療保障を主としている」といった違いがあります。
ただ、会社によっては、学資保険をこども保険と呼んでいるところもあります。
ですので、ネットなどで調べていて、教育資金を貯める方法として「こども保険」と出てきた場合にはその保障内容をしっかり確認してみましょう。
大手保険会社の学資保険4選
ここで、大手保険会社の商品を4つご紹介します。
①ソニー生命「学資金準備スクエア」
ソニー生命といえば学資保険ですよね。
私の妹がソニー生命でした。
保険料の払込期間は満期時期によって異なり、受取時期はⅠ型・Ⅱ型・Ⅲ型の3タイプから選べます。
返戻率は、保険料を1年間に1回185,080円を10年間払い込んで受取総額が2,000,000円だと108.0%になります。
現在の返戻率の中では高いです。
さらに、ホームページも充実しており、「よくあるご質問」では様々な疑問を解決することができます。
②明治安田生命「つみたて学資」
つみたて学資は、シンプルな作りになっています。
そもそもこの保険は、「かんたん保険シリーズ」の中の1つで、名前の通り「かんたん保険シリーズ」の他の保険についても仕組みがシンプルになっています。
保険料払込期間は10歳までか、15歳までとなっていて、受取時期は大学入学から4回に分けてと決まっています。
返戻率は、保険料を加入時に一括で2,749,776円払い込み、受取総額が3,000,000円にした場合、109.0%と非常に高い数字になります。
③住友生命「こどもすくすく保険」
住友生命も大手の保険会社ですが、学資保険を取り扱っています。
受取時期はプランによって異なり、12歳、15歳、18歳、22歳のときに受け取れます。
保険料は18歳満期の場合は12歳までか15歳までで、22歳満期の場合は12歳までか15歳までか18歳までとなります。
さらに、子どもの入院や手術、放射線治療の保障も付けることができます。
④アフラック「夢みるこどもの学資保険」
アフラックはがん保険で有名ですが、学資保険も取り扱っています。
受取時期は高校入学時と大学入学時から4年間となっています。
保険料は10歳までか、17歳までか、18歳までの中から選べます。
さらに、アフラックの商品はクレジットカード払いができます。
営業職員時代に担当したことのある人の中には、「アフラックはクレジットカードが使えるから」とこの保険を検討していた人もいました。
クレジットカード払いにすることで、ポイントが貯まりますし、よくクレジットカードを利用する人にとってはうれしい仕組みとなっているのかもしれません。
参考サイト⇒ソニー生命「学資金準備スクエア」、明治安田生命「つみたて学資」、住友生命「スミセイのこどもすくすく保険」、アフラック「アフラックの夢みるこどもの学資保険:特長」
終身保険の特徴
それではここで、終身保険について詳しく解説していきます。
「だいたいこういう保険だ!」とイメージの湧く人も多いと思いますが、今一度確認していきましょう。
そして、終身保険と一言で言っても様々な種類があるので、その辺も説明していきます。
終身保険で教育資金を積み立てるとは?
終身保険とは、被保険者が死亡や高度障害になったときに契約時に決めた保険金が支払われる保険です。
保障は被保険者が死亡・高度障害になるまで続きます。
保険料払込期間は10年間や15年間といった期間が定められているものと終身払があります。
終身保険はその保険料の払い込みが終わると、解約返戻金がだんだんと増えていきます。
つまり返戻率が上がっていくということです。
解約返戻金とは、解約した時に戻ってくるお金のことです。
ですので、教育資金が必要になったタイミングで解約して、そこで受け取ったお金を教育資金として使うのです。
商品によっては、余命6か月と医師から診断された場合に保険金が前払いされる特約や、三大疾病になった場合にそれ以降の保険料の払い込みが不要になる特約などが付けられます。
学資保険との違いも見ていきましょう。
違いは以下のとおりです。
①保険金を受け取りたいときに受け取れる。
学資保険は、あらかじめ決めた時期に受け取ることになりますよね。
例えば、高校入学時と大学入学時に受け取るプランに入ったら、その時が来たら受け取ります。
逆に言えば、その時しか受け取れない、融通が利かないということです。
一方、終身保険は、受け取りたいと思ったら、そこで解約をすれば受け取れます。
ですので、大学入学の1年前に受け取らなければならない状況になったら受け取れるのです。
もちろん契約した内容によっては解約返戻金の額は異なってきます。
②設定できる保険金額の幅が広い。
学資保険の場合、多くが2,000,000円や3,000,000円といったところですが、終身保険の場合は10,000,000円以上で設定することができます。
例えば、オリックス生命の「終身保険RISE」だと、2,000,000円から50,000,000円まで用意できます。
そして、保険金額の幅が広いということは、万一の保障をより大きくできるということです。
③保険料が安い。
これはプランによって異なりますが、学資保険よりも保険料を安くすることができます。
オリックス生命の「終身保険RISE」とソニー生命の「学資金準備スクエア」で比較してみましょう。
ちなみに「終身保険RISE」は、次で説明する低解約返戻金型の終身保険になります。
・終身保険RISE
契約者が25歳男性で、保険金額が2,000,000円の場合、
10年払済→12,814円 15年払済→8,550円
・学資金準備スクエア
契約者が25歳男性で、被保険者が0歳男性、保険金額が2,000,000円の場合(Ⅲ型)、
10歳まで払込→15,532円
このように保険料で差が出てきます。
終身保険は多く販売されているので、何社か比較してみると良いでしょう。
参考サイト⇒オリックス生命「保険料シミュレーション」、ソニー生命「学資金準備スクエア 10秒でできる!学資保険シミュレーション!」
学資保険の代わりとなる?低解約返戻金型終身保険の特徴
そして、終身保険の中でも学資保険の代わりとして多く利用されているのが「低解約返戻金型終身保険」です。
この保険の大きな特徴は、「保険料払込期間の解約返戻金を通常の70%程度に抑え、保険料がより安く設定されている」点です。
ネットで「学資保険 終身保険」と検索すると、終身保険の中でもこの保険について多くの情報が出てきます。
この保険のメリットとデメリットも確認してみましょう。
メリットは、保険料が安く設定されている点です。
これは、返戻金を70%に抑えているためです。
一方、デメリットは、保険料払込期間中、つまり70%に抑えられている期間に解約すると、受け取れる金額が少なくなる点です。
ですので、保険料をいつまで払い込むかというのが重要になってきます。
教育資金を貯めるのに利用するときは、なるべく期間を短くした方が良いでしょう。
払い込みが終われば解約返戻金は大きくなってきます。
外貨建て終身保険の特徴
その他にも、「外貨建て終身保険」という保険があります。
「外貨建て」という言葉を目にするだけで拒否反応がでる人も多いと思いますが、簡単に説明すると、「保険料の払い込みや保険金、解約返戻金の受け取りを外貨でする」保険です。
円でできる商品もあります。
その他の仕組みは同じです。
外貨とは、外国のお金のことで米ドルやユーロなどがあります。
通常の、これまで説明してきた終身保険はすべて円建ての終身保険になります。
外貨は円よりも高い金利で運用されます。
そのため、運用次第では大きな保障が得られることもあります。
一方で、為替変動により保険金が大きく減ってしまうこともあります。
利率変動型終身保険の特徴
こちらも難しい名前ですが、ライフステージに合わせて保障内容を変更できる終身保険になります。
この保険は、積立部分と保障部分で構成され、積立部分は、一定期間保険料を払い込んでいくことで積み上がっていく部分、つまり主契約部分になります。
保障部分は、特約にあたり、積立部分に死亡や医療保障などをセットできます。
ここで、保険料払込期間中とその後に分けて仕組みをより詳しく説明していきます。
・払込期間中
この保険では、保険料の払込期間を定めることになります。
保険料を払い込んでいくと、段々と積立金が大きくなりますよね。
その積立金を使って、死亡や医療保障の特約部分の保険料に充当したりすることもできます。
・払込期間後
この期間が終わると、その残りの積立金を利用して年金保険や終身保険に移行したり、現金として引き出すこともできます。
終身保険以外にも教育資金を積み立てられる保険
さらに、教育資金を積み立てる方法として、個人年金保険と養老保険をご紹介します。
個人年金保険
個人年金保険についてはその仕組みを知っている人も多いと思います。
保険料を一定期間払い込み、その後5年や10年にかけて年金を受け取れるという仕組みです。
個人年金保険は保険金を毎年年金形式で受け取れるところに魅力があります。
払込期間は、各社ごとに異なり、例えば、明治安田生命の「年金かけはし」だと20年~40年、住友生命の「たのしみ未来」だと10年~50年となっています。
ただ、注意したいのが、契約者の年齢によってはその期間が限られてくる可能性があることです。
具体的には、明治安田生命の「年金かけはし」に0歳の子どもを持つ25歳のお父さんが入ろうとしても、年金の開始年齢は60歳となります。
25歳から60歳までは35年間ありますので、子どもが35歳にならないと年金は受け取れません。
ただ、お父さんが40歳の場合だと、最短で20年後の60歳から受け取れます。
ですので、個人年金保険で教育資金を積み立てる場合には、契約者となるお父さん、お母さんの年齢が重要になってきます。
さらに、この保険の場合、学資保険と異なり、被保険者は契約者となるお父さん、お母さんとなるのが一般的です。
払込期間中に被保険者が万一亡くなった場合は、払い込んだ保険料の相当額が受け取れますが、その後の保障はなくなり年金も受け取れません。
つまり、学資保険と異なり、必ず子どもの教育資金を貯められるわけではないのです。
参考サイト⇒明治安田生命「年金かけはし どうする?老後の資金準備」、住友生命「住友生命の個人年金保険 たのしみ未来」
養老保険
養老保険とは、被保険者が死亡・高度障害になった場合に保険金が受け取れる保障性と、満期まで生きていた場合に保険金を受け取れる貯蓄性を持った保険です。
例えば、子どもが0歳で25歳のお父さんが満期保険金を2,000,000円に設定し、払込期間を10年間にすると、この10年間でお父さんが亡くなってしまったら2,000,000円を受け取れますし、10年後の満期まで生きていたら2,000,000円を受け取れます。
ただ、養老保険の場合、保険料は割高となります。
例えば、かんぽ生命の「普通養老保険 新フリープラン」(この保険は、1年6か月経過すると、不慮の事故等で死亡した場合には、保険金が倍の4,000,000円になります。)だと、25歳のお父さんが契約者となると、保険金2,000,000円、払込期間10年で、月々18,020円まで保険料が跳ね上がります。
ですが、学資保険のように保障性と貯蓄性のある保険になりますので、教育資金を積み立てるのにも有効です。
参考サイト⇒かんぽ生命「養老保険 新フリープラン」
終身保険を検討する際の注意点
さまざまな終身保険をご紹介してきましたが、終身保険を検討する際にはどういった点に注意すれば良いのでしょうか?
①学資保険よりも終身保険を勧められることもある。
最近では、保険販売店も増えてきましたが、そういったところでは教育資金を貯める方法として学資保険よりも終身保険を勧められる傾向にあります。
もちろん勧められた場合は、販売員からそれぞれのメリットやデメリット、違いなどが説明されると思います。
ただ、終身保険について全く知らなかった場合、販売員の話につられ、本来なら自分の家庭の状況では学資保険で準備する方が合っているのに、「販売員さんが言うのだから」と終身保険を契約してしまうことも可能性としてあります。
保険販売店に行く際には、ある程度気になる商品の特徴や保障内容などを調べてから行った方が良いです。
そして、その商品が自分の家庭、ライフプランに合っているのかもチェックしておいた方が良いでしょう。
②解約時期に注意する。
述べてきたとおり、終身保険は解約の時期によっては損をしてしまうことも十分考えられます。
特に、低解約返戻金型終身保険では保険料払込期間中の解約返戻金が通常の70%に抑えられる商品ですので、払い込む期間をなるべく短くすることが重要になってきます。
契約する際には、その点営業職員から説明はありますが、自分でもしっかりと認識しておくことが重要です。
教育資金積立に使えるその他の選択肢
次に、その他の方法についてもご紹介していきます。
預貯金で教育資金を積み立てることのメリット・デメリット
教育資金を預貯金で貯める人は、非常に多いです。
ソニー生命の調査によると、大学資金を貯めるのに利用している方法として、学資保険と同じくらい銀行預金で貯めている人が多いことが分かっています。
預貯金で積み立てることのメリットとデメリットを確認していきます。
メリット | デメリット |
①手続きが簡単である。
②必要な時にすぐ引き出せる。 |
③確実に貯められるかは分からない。 |
①学資保険やその他の金融商品の場合だと、契約のための時間がとられますが、預貯金の場合は口座を開設するだけなので、それほどの時間はかかりません。
もちろんすでに開設している口座に貯めることになれば、手続き自体不要になります。
保険契約に関しては、難しさを感じたり勧誘されるのではないかと嫌厭されがちです。
簡単に気軽に始められることが大きなメリットになります。
②さらに、預貯金は必要な時に引き出せますよね。
大学入学の時に使う予定だったけど、思ったより学習塾代がかかることになりそうだから、今お金を使いたい、といった場合が出てくることも考えられます。
そんなときにも自由に引き出せます。
保険の場合だと、まず保険会社のコールセンターや担当の営業職員に電話して、書類が届いて振り込まれるというように時間がかかります。
そういう面倒くささを感じないのも預貯金のメリットですよね。
さらに、時間帯によってはATMでの引き出し手数料も無料です。
③確実に貯められるかは分からない。
ですが、預貯金は確実に貯められるか分からないのが怖いところでもあります。
特に貯金が苦手な人は注意しなければなりません。
例えば、10年間で2,000,000円貯めるとします。
そうすると毎月およそ16,667円ずつ貯めることになりますが、他の部分で予想外の出費があり、5,000円しか貯められないという月もあるかもしれません。
預貯金は強制的に貯められるものではありません。
参考サイト⇒ソニー生命「ニュースリリース(平成29年度)子どもの教育資金に関する調査2018」
投資信託で教育資金を積み立てることのメリット・デメリット
次に、投資信託のメリットとデメリットを見ていきましょう。
メリット | デメリット |
①運用はプロが行ってくれる。
②運用によっては学資保険よりも多くの教育資金を用意できる。 |
③元本の保証はなく、目標の額まで貯められないことも十分に考えられる。
④さまざまな手数料がかかる。 ⑤言葉や仕組みが難しくて混乱する可能性も考えられる。 |
①投資信託というのは専門家によって運用されます。
自分自身が運用しなければならないのかな?と考えている人もいると思いますが、そうではありません。
②運用次第では大きな成果得られることもあります。
ですので、思っていた以上に教育資金を準備できた!ということも考えられます。
③ただし、投資信託は元本の保証がされない商品です。
もちろん運用次第ですが、2,000,000円を目標にしていたのに大幅に下がってしまったということは十分に考えられます。
確実に貯めていきたい人には向いていません。
④投資信託では「購入時手数料」や「運用管理費用」「監査報酬」といった手数料がかかります。
こういった手数料がややこしいと感じる人もいるでしょう。
⑤投資信託は言葉や仕組みが難しくていまいちよく分からないという人は多いです。
教育資金を積み立てる上で仕組みが良く分からないまま、本当に準備できるのかと不安になるのは避けたいですよね。
確かに運用するのは専門家です。
購入時には「交付目論書」といった投資信託の説明書きが渡されます。
ですがそれを読みこなせる人は少ないと思います。
詳しい人は別として、金融商品が得意ではない人にとっては投資信託は難しいのではないかと思います。
参考サイト⇒一般社団法人投資信託協会「そもそも投資信託とは?」
他にも教育資金を積み立てる方法は色々ある
さらに他にも教育資金を積み立てる方法はあります。
①財形貯蓄
財形貯蓄とは、会社のお給料から天引きすることによって貯まる仕組みです。
学資保険は通常銀行口座からの引き落としですが、財形貯蓄はお給料からの天引きなので銀行に出向いて口座にお金が入っているかと確認する必要もありません。
もちろん強制力もあります。
財形貯蓄には、「一般財形貯蓄」と「財形住宅貯蓄」と「財形年金貯蓄」の3つがあり、教育資金を準備するのには、「一般財形貯蓄」を利用することになります。
開始から1年経過すれば、自由に引き出せます。
ただし、デメリットとして以下の点が挙げられます。
・一般財形貯蓄には他の財形とは異なり非課税措置がない。
・財形制度を導入している企業が少ない。
厚生労働省の調査によると、財形貯蓄制度を導入している企業は減少しています。
自分の会社には財形制度があるか今一度確認してみましょう。
②教育ローン
教育ローンで教育資金を積み立てている人もいます。
教育ローンには、国の教育ローンと民間の教育ローンがあります。
国の教育ローンは、3,500,000円まで借り入れることができます。
学資保険よりかは少し多いぐらいです。
金利は固定金利で1.71%となっています。
例えば、2,000,000円を借り入れて10年間で返済することになると、毎月の返済額は18,300円となります。
世帯年収が2,000,000円以下の世帯には、優遇制度もあります。
民間の教育ローンの場合は、金融機関によって金利や融資限度額など商品内容が大きく異なりますので、いくつか比較検討する必要があります。
ただ、教育ローンのようにお金を借りる場合には、学資保険で準備したけどお金が足りなかったから追加で1,000,000円借りる、というように予備で利用する方が後々の負担も少なくなると思います。
教育ローン単体で教育資金を準備するのはおすすめできません。
・奨学金制度
奨学金制度は、教育資金を積み立てていくというよりも教育ローンのように借りる形になります。
高校3年時に奨学金の説明会があり、そこで申し込む人もいれば、大学に入学してから申し込む人もいます。
奨学金はあくまで親が借りるのではなく子どもが借りるものなので、返済義務も子どもにあります。
多額のお金を借りることになるので、就職後の子どもの負担は大きくなります。
参考サイト⇒厚生労働省「財形貯蓄制度」、厚生労働省「財形制度をめぐる状況について」、日本政策金融公庫「教育一般貸付 (国の教育ローン)」
教育資金積立方法の選択肢を検討するときのポイント
最後に、教育資金を積み立てる方法を検討するときのポイントを解説して、終わりにしていきたいと思います。
景気や経済状況が与える影響
日本の景気や経済状況は、学資保険を始めとする保険商品、預貯金などに大きく影響してきます。
学資保険や個人年金保険だとマイナス金利の影響を大きく受けます。
保険会社は契約者から預かった保険料を日銀に預けて運用して、お金を増やして保険金の支払いに役立てていましたが、2016年1月にマイナス金利が導入されたことで、保険会社は予定通りの運用(増やして、契約者に将来支払う保険金を確保すること)ができなくなりました。
この影響で、保険料は上がり、それに伴い返戻率も下がりました。
ですので、教育資金を積み立てる方法を検討する際には、日本の景気、経済状況に注意しなければならないのです。
各保険会社では、保険の予定利率や保険料が改定されたときには、ホームページにその内容が掲載されます。
予定利率とは、保険料を決める際の基礎となるものです。
こういったホームページでのお知らせをチェックしておくことも大事です。
安全性か収益性
さらに、教育資金を積み立てるときには、「安全性」か「収益性」のどちらを優先させたいか決めておくのも大事です。
安全性が高いということは、簡単に言うと元本が保証されているということです。
一方で、収益性が高いということは、高いリターンが得られるということです。
これまでご紹介してきたものでいうと、
・安全性が高い 学資保険、終身保険、個人年金保険、養老保険、預貯金、財形貯蓄
→もちろん解約時によっては元本割れするものもあります。
・収益性が高い 投資信託
→先ほど説明したとおり、元本は保証されず目標の額と大きく乖離してしまうこともありますが、運用次第では大きな収益を得られることもあります。
高い安全性と高い収益性を両方兼ね備えた商品はなかなかありません。
自分たちはどちらを優先させたいのか決めておきましょう。
リスクを分散させて併用するという選択肢もある
教育資金を積み立てるのには、何も「学資保険だけ」であったり「終身保険だけ」のように単体でしか準備してはいけないということではありません。
例えば、「私たちは預貯金で貯めていくけど、念のため学資保険にも月々の保険料を少なめにして準備していこうかな」だとか、「メインは学資保険だけど、追加で投資信託を少ししてみようかな」といった選択肢もあります。
各家庭によってその方法は異なります。
教育資金を準備する方法には、それぞれメリットデメリットがあるので、そういった点も踏まえて決めていけると良いでしょう。
すでに入っている学資保険は乗り換えられる?見直すタイミングとポイントは?
学資保険を見直すタイミングは、「子どもが増えたとき」です。
理由は、子どもが増えると教育資金もより多く準備しなければならないからです。
子どもが増えると、「2人目の学資保険に入ることで支払う保険料も増えるから、できれば1人目の子どもの学資保険をより返戻率の高いものに、保険料を安いものにしたい!」と乗り換えを検討するお父さん、お母さんも出てきます。
結論を言うと、学資保険は乗り換えられます。
ただし、いくつか注意点もあります。
①解約することで損をする可能性も大きい。
先ほども述べたように、解約時期によっては大きく損をすることも考えられます。
もし新しい学資保険の返戻率が今より大幅に高くても、総合して損をしてしまうことも十分に考えられます。
本当に今の学資保険を解約して乗り換える必要があるのか、しっかり検討しましょう。
②新しい学資保険に入れるかどうか確認してから乗り換える。
新しい学資保険に乗り換えたい!となったら、まずその保険に加入できるのか確認する必要があります。
なぜかというと、お父さん、お母さんや子どもの健康状態によっては加入できないこともあるからです。
さらに、各社契約年齢に上限があるので、その点も確認した方が良いでしょう。
乗り換える際には、「新しい保険に加入する→今の保険を解約する」といった手順を取りましょう。
今の保険を解約してから乗り換えるのは危険です。
選択肢に迷ったらプロに相談しよう
教育資金をどう積み立てていこうか迷ったら、プロに相談することをおすすめします。
ここで保険相談窓口を2つご紹介します。
・保険見直し本舗
保険見直し本舗は、全国に255店舗ある有名な保険相談窓口です。
相談は無料なので、気軽に利用できます。
取り扱い保険会社は、損保も含めて40社以上になります。
・ほけんの窓口
ほけんの窓口も全国的に有名な保険相談窓口です。
全国に731店舗展開しています。
取り扱い保険会社は、こちらも損保も含めて40社以上です。
さらに相談料は無料です。
参考サイト⇒保険見直し本舗「公式サイト」、ほけんの窓口「公式サイト」
以上有名な相談窓口を上げてみましたが、他にも相談できるところは多くあります。
こういったところでは基本的にFP(ファイナンシャルプランナー)を保有している人が対応してくれます。
相談に行く際には、気になる商品があればネットであらかじめ少しでも調べてから行くことをおすすめします。
ぜひ利用してみてください。
まとめ
以上、学資保険以外の教育資金の積み立て方法でした。
もちろん学資保険を利用しているお父さん、お母さんが多いのが現状ですが、周りに左右されずに、自分の家庭に合った方法で教育資金を用意していくことが大事です。
子どもの夢を広げるためにも、より良い方法を見つけましょう!