パリの治安は悪い?良い場所は?外務省発表のデータを元に分かりやすく解説
皆さんはフランス・パリに行ったことがありますか?
「パリに行ってみたい!」「もう一度行きたい!」という人は多いのではないでしょうか?
パリに渡航する際に気になるのが、「パリの治安」です。
パリの治安で注意するべきことは、「テロ事件」と「スリや置き引きなどの犯罪」です。
外務省は、2015年からの一連のフランス国内でのテロにより渡航する際には「特別な警戒」を呼びかけています。
人の多く集まる観光地や駅、空港、さらには政府・治安機関周辺は、警戒が必要です。
スリや置き引きなどの犯罪に関しても、深刻な状況です。
日本人が被害にあった件数は、2018年で497件も報告されており、その内スリと置き引きが87%を占めています。
スリに関しては284件も発生しています。
こういった犯罪は、地下鉄や駅、有名観光地で特に多く発生しており、北駅、東駅、リヨン駅、オペラ座付近では注意が必要です。
突然数人に囲まれたり、押し倒されたりすることもあります。
犯行も非常に巧妙です。
こういったスリや置き引きについては、混んでいる電車に乗らずに次の電車まで待つといった対策や、レストランに入ったときにはなるべく奥の席に座ることが重要です。
さらに、パリに行く際に知っておくべき3つの大切なこともあります。
それは、公共施設は禁煙であることと、旅券を常に携帯すること、デモには近づいたり、参加しないことです。
罰金を支払うことのないように、パリでのルールに気を付けたいものです。
パリでは、日本と同じようにインフルエンザが流行ったり、時期になると花粉症で苦しむ人も出てきます。
日本との時差もあることから、体調管理は徹底しましょう。
最後には、スリや置き引きなどの犯罪に遭ってしまった場合の連絡先や、日本語で対応してくれる病院もご紹介しています。
ぜひ参考にしてみてください。
目次
パリの治安は良いのか悪いのか
パリはフランスの首都で、「花の都」と呼ばれ、芸術、ファッション、グルメの中心都市です。
フランスは、2017年の外国人訪問者数が世界で第1位で、86,918,000人もの人が訪れています。
パリにも多くの人が訪れていると予想できます。
日本からは直行便も出ており、約12時間のフライトとなります。
日本人にとっては遠いですし、近隣諸国に行くよりもお金がかかるので、中々行けない場所ではあるかもしれません。
ですが、日本にいては味わえない、パリの街並みやおしゃれなカフェに憧れを持ち、訪れたい!と思っている人は多いと思います。
フランス語のきれいな響きに憧れて、勉強している人も私の周りにはいます。
世界的な観光地としては、凱旋門やエッフェル塔、ルーブル美術館などがあり、よくテレビでも見ますよね。
先日には、非常に有名なノートルダム大聖堂で大規模な火災があり、人々が悲しみに暮れました。
そんな素敵な街・パリですが、治安は良いのでしょうか?悪いのでしょうか?
現在、外務省の危険レベル1~4の危険情報は出ていません。
ただし、「テロに対する特別な警戒」として、注意喚起情報が出されています。
2015年以降、パリを含めたフランス各地で悲惨なテロ事件が多発しているためです。
2015年にパリで同時多発テロ事件が発生し、フランス政府は非常事態宣言を出し、テロへの警戒を呼びかけました。
2015年以降に発生したテロは、パリだけでも6回あります。
その他にも、南仏の人気リゾート地・ニースなどでも発生しており、死者も出ています。
こういった悲惨なテロに加え、パリは外国人観光客へのスリが多いとよく耳にします。
実態はどうなのでしょうか?
そういった犯罪の発生状況や、日本人がこれまで被害にあった事案、そして気になる防犯対策などについて、外務省の発表を元に解説していきます。
パリでの滞在がより素敵なものとなるように、ぜひご覧ください。
参考サイト⇒日本政府観光局「世界各国・地域への外国人訪問者数ランキング」、外務省海外安全ホームページ「~テロに対する特別な警戒が必要です~」
パリにおける犯罪発生状況について
初めに、パリでの犯罪の発生状況について解説していきます。
パリでは、スリや置き引き、ひったくりが多く発生しています。
手口も巧妙です。
フランスは、世界一観光客が多い国です。
当然、そういった外国人を狙った犯罪が多くあるのは理解できます。
実際、海外旅行が好きな知り合いに聞くと、パリはスリが多いから1人では行かない方が良いと言っています。
犯行も大胆で、立ちふさがったり、押したりして、観光客に襲い掛かります。
子どもを含めた複数人での犯行も多いです。
日本人だけの被害だけでも、2018年で497件も報告されています。
1日に換算すると、約1.4件になります。
参考サイト⇒在フランス日本国大使館「2018年12月の法人犯罪被害事例」
パリで日本人や観光客が巻き込まれやすいトラブルや事件
次に、パリで日本人が巻き込まれやすいトラブル、事件について、解説していきます。
日本人が巻き込まれやすい犯罪は、多い順に、スリ、置き引き、ひったくりとなっています。
2018年、日本人が被害に遭った件数は497件で、その約87%がスリと置き引きでした。
その被害も女性が多いと思いきや、男性も多く、2018年では男性243人、女性254人とほぼ同数でした。
男女関係なく狙われているのです。
しかも、1人でいるときだけではなく、家族で訪れている場合でも被害に遭っています。
それでは、具体的に日本人がどのような被害にあっているのかを見てみましょう。
日本では考えられない被害ばかりです。
①スリ
1番多いのは、スリです。
2018年には284件発生しています。
具体的には、3人組の女性にアンケートを求められ、囲まれたため逃げたが、貴重品が盗み取られていた事案が発生しました。
この被害に遭ったのは、男性でした。
さらに、すれ違いざまに、手荷物から貴重品が盗まれていた被害もありました。
犯人たちは、本当に少しの隙を狙って、奪っていきます。
②置き引き
2番目に多いのは、置き引きです。
2018年には147件発生しています。
具体的には、カフェでバッグを足元に置いていたところ、男性に目的地への行き方を尋ねられ、気づいたときには手荷物が盗まれていた被害が報告されています。
さらには、写真を撮ってほしいと言われ、手荷物を置いたが、いつの間にか無くなっていたということも起こっています。
自分は親切に接したものの、ちょっとした隙に、置いた手荷物がなくなっていることが起こっているのです。
③ひったくり
3番目に多いのは、ひったくりです。
2018年には29件発生しています。
具体的には、男女2人に囲まれたので振り払おうとしたら、手荷物をひったくられたというものです。
この被害者も男性です。
フランスでの犯罪、男女関係なく犯行に及んでいます。
女性が近づいてきたから、子どもが近づいてきたから、大丈夫、ではないです。
参考サイト⇒外務省海外安全ホームページ「安全対策基礎データ」、在フランス日本国大使館「2018年12月の法人犯罪被害事例」、在フランス日本国大使館「2019年3月の法人犯罪被害事例」
パリで特に注意が必要な治安が悪い場所
次に、パリで特に治安が悪い場所について、ご紹介します。
スリや置き引きなどの犯罪は、あらゆる場所で発生しています。
特に、犯罪が多く発生しているのは、地下鉄や駅です。
具体的には、北駅や東駅、リヨン駅などの主要な駅です。
さらには、有名観光地でも多く、特にオペラ座付近で発生しています。
テロに関しては、上記のような人が多く集まる駅や観光地などの他に、政府・治安機関にも注意が必要です。
過去にパリで起きたテロでは、新聞社やスーパーも標的となっています。
参考サイト⇒外務省海外安全ホームページ「安全対策基礎データ」、外務省海外安全ホームページ「~テロに対する特別な警戒が必要です~」
パリでの防犯対策について
次に、パリにいるときの防犯対策についてです。
日本人の被害の多い、スリと置き引きの対策についてご紹介します。
まず、パリにいる際には、「日本にいる時と同じ感覚でいては被害に遭う」ことを強く意識し、以下の対策を実際に講じることが大切です。
①スリ
スリは、特に被害が多い地下鉄や駅などの人ごみは、出来る限り避けましょう。
混んでいる電車には乗らない方が良いでしょう。
次の電車まで待つ時間の余裕を持つことも大事です。
シャルル・ド・ゴール空港からパリ市内への移動は、バスも検討しましょう。
RERのB線は利用しない方が無難です。
さらに、人前では極力お金を出さないようにしましょう。
標的にされてしまうおそれがあるからです。
男性でも女性でも子どもでも、2人以上が近づいてきたら、早い段階でその場から逃げましょう。
声を掛けられなくても、逃げるのが遅いと、襲い掛かってくる可能性もあります。
②置き引き
1番大事なことは、手荷物から絶対に目を離さないことです。
バッグを足元に置いてしまうと、標的になることがあります。
いつどこに狙っている人がいるかは分かりません。
さらに、レストランを利用する際には、景色が良いからと入口の近くやテラスの席は避けましょう。
なるべく奥の席を利用しましょう。
犯罪は、日中に起こることが多いですが、夜中や明け方にも起こっています。
人が少なくなる時間帯は、外出しないようにしましょう。
参考サイト⇒外務省海外安全ホームページ「安全対策基礎データ」、在フランス日本国大使館「2018年12月の法人犯罪被害事例」
パリに滞在している時に特に注意するべきこと
次に、パリにいるときに注意するべきことについて解説していきます。
パリでは、スリや置き引きといった犯罪に注意しなければならないのは当然です。
ですが、その他にも特に注意するべきことを3つご紹介します。
①公共施設では禁煙である。
フランスでは、公共施設では禁煙となっています。
空港や駅も対象です。
喫煙すると、罰金が科せられるので注意しましょう。
②旅券を常に携帯する。
フランスでは、観光客に対して身分証明書となる旅券の携帯が義務付けられています。
ただ、スリや置き引きにあってなくす可能性もあるので、外出の際には旅券のコピーと「ホテル・カード」を持つようにしましょう。
③デモには近づかない・参加しない
フランスでは、去年から「黄色いベスト運動」といった燃料の価格高騰などに反対するデモが各地で起こっています。
パリでも起こっています。
こういったデモは大規模なものも多く、警察が催涙ガスを使用するなど、非常に混乱しています。
近づいたりしただけでも、自分の身に危険が及ぶ可能性も考えられます。
興味本位で見に行ったりしないようにしましょう。
参考サイト⇒外務省海外安全ホームページ「安全対策基礎データ」、外務省海外安全ホームページ「燃料価格の高騰に対するデモ」
パリで特に注意をするべき病気とケガ
次に、パリにいる際に注意するべき病気とケガについてです。
パリと日本は夏では7時間、冬は8時間の時差があります。
フライトの時間も長いことから、体調を崩さないように心がけましょう。
それでは、パリで注意したい病気についてご紹介します。
①風邪・インフルエンザ
パリでも風邪やインフルエンザは流行します。
基本的な手洗い・うがいは現地でも徹底しましょう。
日本のドラッグストアで売っているハンドジェルなどを持ち歩くと良いでしょう。
インフルエンザが心配な人は、日本で予防接種を受けると良いでしょう。
フランスでは、医療費が高額になりますので、風邪やインフルエンザはもちろんのこと、その他の病気にもかからないように、兼好管理に気を付けましょう。
②花粉症・ぜんそく
花粉症やぜんそく持ちの人は、パリにおいても気をつけましょう。
常備薬のある人は持っていくと安心です。
花粉症に関しては、今までなったことのない人もなる可能性はあります。
参考サイト⇒外務省「世界の医療事情 フランス」
パリの衛生面での心配点
次に、パリでの衛生面についてです。
フランス・パリの衛生状態は良好です。
レストランやホテル、病院など、どこを利用しても心配ありません。
衛生面に関しては、日本と同じように過ごしても問題ないでしょう。
参考サイト⇒外務省海外安全ホームページ「安全対策基礎データ」
パリで何かあった際の連絡先と対処方法
最後に、事件やトラブル、体調が悪くなったときの連絡先を対処方法について、ご紹介します。
・各種連絡先
<警察>17(携帯電話からは112でも繋がります。)
<救急医療>15
<消防>18
<在フランス日本国大使館>01-4888-6200
・暴行にあったとき
近くのお店に避難し、警察を呼んでもらいましょう。
警察への電話番号は、「17」です。
携帯電話の場合、「112」でも繋がります。
捜査してもらいたい場合には、警察官が司法医療救急で文書を渡してくれて、公式の証明書を作成してくれます。
・スリや置き引き、ひったくりにあったとき
速やかに近くの警察署に連絡するか、行きましょう。
警察署はパリ市内の各区にあり、24時間対応しています。
・体調が悪くなったとき
日本語が通じる病院をご紹介します。
<American Hospital of Paris>01 46 41 25 15(日本語の通訳サービスを受けたい場合の番号)
・総合病院で、予約は不要です。
・内科と皮膚科の日本人医師がいます。01 46 41 26 16が直通電話です。
<ジャン=ポール・ミュラー医師>01 42 67 75 15
・歯医者です。
・日本語で対応してくれます。
参考サイト⇒外務省海外安全ホームページ「パリガイド 安全な滞在のために」、外務省「世界の医療事情 フランス」
まとめ
以上、パリの治安についてでした。
パリでのスリや置き引きなどの被害は多いです。
ただ、パリ市内の各区に24時間対応してくれる警察がいたり、バイリンガルの警察官もいることから、被害にあったとしてもしっかり対応してくれる印象を持ちます。
ただ、パリに行くからには、日本では味わえない綺麗な街並みやおいしい料理を思う存分楽しみたいので、しっかり防犯対策をして、渡航するようにしましょう。