シンガポールの治安は悪い?良い場所は?外務省発表のデータを元に分かりやすく解説
皆さんはシンガポールを訪れたことがありますか?
様々な文化が融合し、色鮮やかな建築物に魅了され、一度は訪れてみたい!と考えてる人はきっと多いはずです。
時差も1時間しかなく、同じアジア圏の国として親しみを持つ人もいるのではないでしょうか。
外務省によると現在、シンガポールに危険情報は出されていません。
治安の良い国だと言えるでしょう。
しかしながら、犯罪は2018年で全体で33,134件と少なからず発生している状況です。
複数の外国人グループによって日本人がスリにあったという被害も報告されており、手荷物を肌身離さず持つ等の基本的な防犯対策が大事になってきます。
さらに、シンガポールは多宗教が融合した国ということで、ラマダン月の時期にはテロの標的となる危険もあります。
常にテロの危険に晒されていることを自覚することが大切です。
さらに、公共の場での深夜の飲酒が禁止されていること等、シンガポール独自のルールや考えも守り、尊重しなければなりません。
病気については、ジカウイルス感染症に特に注意が必要で、妊娠中や妊娠予定の人は渡航を控えるように注意喚起されています。
さらに、水道水は沸騰させてから飲むことや、衛生ランクが「A」の飲食店を利用するなどして、体調を崩さないように努めることも大切です。
警察や大使館の連絡先も最後にご紹介しています。
シンガポールでの滞在がより有意義になり、また行ってみたい!と思えるようなものにできるように、ぜひご覧ください。
目次
シンガポールの治安は良いのか悪いのか
シンガポールは東南アジアに位置し、東京から飛行機に乗り約7時間で行ける人気の観光地です。
マリーナ・ベイ・サンズやマーライオンなどが有名で、旅行会社ではツアーも多く出ていて、安くて3万円台で楽しめるものもあります。
また、シンガポールは、仏教、イスラム教をはじめ、様々な宗教が融合している多民族国家です。
おいしいご飯や日本とは異なる文化を体験したくて、訪れる方も多いのではないでしょうか。
実際、2016年のシンガポールへの日本人訪問者数は783,863人となり、約37,000人の日本人が暮らしています。
シンガポールの治安はというと、良いのか悪いのかあまりピンとこない人が多いのではないでしょうか。
日本人に有名な観光地であるハワイなどよりかは悪いのかな?と思う程度でしょうか。
外務省によると、現在シンガポールに危険情報は出ていません。
ただ、いつシンガポールや周辺の国で事件が起こり、この情報が更新されるか分かりません。
以降、犯罪の発生状況や日本人が巻き込まれやすいトラブル、そして注意するべき病気などについて、外務省の情報を元に解説していきます。
ぜひご覧ください。
参考サイト⇒外務省「日本人が多く訪問している国・地域」、外務省海外安全ホームページ「安全の手引き」
シンガポールにおける犯罪発生状況について
シンガポールではどのような犯罪が発生しているか、解説していきます。
シンガポールでの2018年の犯罪認知件数は、33,134件となっています。
この数字を見て、少ないと思う人も多いでしょう。
具体的に見ていくと、窃盗は2017年と比べて大きく減少していますが、12,279件と一番多く発生している状況です。
詐欺や恐喝は2017年に比べて大幅に増えており、5,796件となっています。
さらに、テロに対する警戒心も日に日に増しています。
2018年には、過激化したシンガポール人らが拘束されたという、日本では起こらないような事案も発生しています。
イスラム教のラマダン月とラマダン明けの祭りが行われる時期には、世界中でテロが発生しており、注意が必要です。
シンガポールでは、観光客が狙われやすい窃盗に加えて、多民族の文化であるということからも、テロの脅威には気をつけなければならないのです。
痴漢などの女性に対する性犯罪も日本よりも多く発生しています。
参考サイト⇒外務省海外安全ホームページ「安全の手引き」
シンガポールで日本人や観光客が巻き込まれやすいトラブルや事件
次に、シンガポールで私たち日本人や外国人の観光客が巻き込まれやすいトラブルや事件について、ご紹介していきます。
日本人が巻き込まれやすいのは、発生件数の多い窃盗です。
具体的に日本人が実際に被害に遭った例をご紹介します。
①スリ
これは、複数の外国人グループが日本人を狙い起こりました。
手口も巧妙で、そのグループが日本人の前で物を落とし、手荷物に注意が行き届いていない隙を狙って金品をスリ取るといった事案でした。
さらに、手荷物は刃物で切られ、中身を取られるといった大胆な事案も起こっています。
今後、さらに手口も巧妙化する可能性もあります。
日本人を含め外国人観光客がどのような手口で被害に遭っているかを、逐一チェックする必要があります。
②置き引き
ホテルにチェックインするときに足元に置いた荷物がなくなっていたという事案が起こっています。
日本では考えられない犯行であり、そんなところまで狙ってくるの?と逆に驚いてしまいます。
外国でのホテルのチェックインやチェックアウトは、日本でのこれと比べると、言葉の問題等でスムーズにいかず長引いてしまうことも考えられます。
そういった手荷物に注意が行き届かない隙を狙って、犯行に及ばれることもあります。
日本にいる感覚で外国にいては、痛い目にあうのです。
参考サイト⇒外務省海外安全ホームページ「安全の手引き」
シンガポールで特に注意が必要な治安が悪い場所
次に、気になるシンガポールでの特に注意しなければならない場所についてです。
シンガポールでは、特にここが治安が悪い場所だという情報はありませんが、時期によってはテロが起こりやすい場所があります。
先ほど少し述べましたが、それはイスラム教のラマダン月とラマダン明けの祭りの時期です。
毎年時期は少し異なりますが1か月程度あり、イスラム教徒は断食を行います。
今年は5月6日頃から6月7日頃で、今まさに時期なのです。
そのようなイスラム教徒にとっては大事な時期に、毎年テロが世界中で起こっています。
テロの標的となりやすい場所は、観光地や記念日などのイベント会場、レストランなどです。
特に金曜日はイスラム教徒の集団礼拝日なので、より一層注意しなければなりません。
シンガポールは多民族が集まる国であり、イスラム教徒も多くいることから、通常は治安の良い場所でも時によっては悪い場所になるのです。
イスラム教国家ではない日本と異なり、戸惑うこともあるかもしれませんが、これが外国、シンガポールに行くということなのです。
テロの標的となりやすい場所に加えて、前述したように人の多く集まる観光地でも注意が必要です。
そういった場所では犯行グループが隠れやすいのです。
参考サイト⇒外務省海外安全ホームページ「ラマダン月に伴う注意喚起」
シンガポールでの防犯対策について
次に、シンガポールでの防犯対策について、解説していきます。
前述したスリと置き引きの基本的な対策について、ご紹介します。
①スリ
現金は極力少なく持ち歩きましょう。
バッグは最後までチャックをして、自分の目の行き届く前に持つようにしましょう。
実際に複数人の犯行グループによって日本人は狙われているので、1人での行動は控えましょう。
常に周りを気にしましょう。
②置き引き
ホテルのチェックイン、チェックアウト時もですが、少しの時間でも手荷物をテーブルに置いたり、床に置いたりせず、手から離さないようにしましょう。
シンガポールを含め、どこの国に行ってもこれらのことには細心の注意を払わなければいけません。
こういったトラブル、事件が起こってしまうと、現地の警察に事細かく説明するのも一苦労です。
その後の予定をキャンセルしなければならない可能性も出てきます。
自分の身は自分で守りましょう。
シンガポールに滞在している時に特に注意するべきこと
次に、シンガポールにいるときに特に注意するべきことについて、解説します。
もちろんスリや置き引きにも注意しなければなりませんが、その他特に注意するべきことを2つご紹介します。
①シンガポール独自のルール・考えを守り尊重すること。
当然ですが、シンガポールには日本とは異なる独自のルールや考えがあります。
(1)車が来ないかしっかり確認してから横断する。
シンガポールでの交通事情を皆さんはどう想像しますか?
車が来ないかしっかり確認することは日本でも当然のことですが、日本人の感覚からすると、シンガポールでは車はスピードを出す傾向にあります。
さらに、日本では免許を取得するときに習いますが、歩行者優先の考えがあまりありません。
観光客が渡るからと速度を遅めてくれる、とは考えない方が事故は防げるでしょう。
(2)細かいルールを守ること。
シンガポールには細かなルールが存在します。
例えば、ゴミを路上に捨ててはいけないことや、トイレの水を流さなければならないことです。
特に私たち日本人であれば、ゴミのポイ捨てをする人は少ないと思いますし、トイレの水も次に使用する人のためにしっかり流し綺麗にするのは当然でしょう。
日本人にとっては当たり前ですが、シンガポールではこういったルールがあることを覚えておきましょう。
さらに、公共の場で深夜に飲酒することも禁止されています。
旅で気分が良くなっているからといって、禁止されている行為をするのはやめましょう。
②テロの危険に常に晒されていることを自覚する。
先ほども詳しく述べましたが、残念ながらテロは世界各地で起こっています。
非常事態宣言も出ました。
シンガポール滞在中、自分自身が被害に遭う場合もあれば、自分がいるところとは離れた場所でテロが起こることも考えられます。
離れた場所で起こったとしても、その後国からの指示により、行動が制限されることも考えられます。
ですので、最新の治安情報の収集に努めましょう。
さらに、以上2つのこと以外に、シンガポールでも麻薬には絶対手を染めないようにしましょう。
参考サイト⇒外務省海外安全ホームページ「安全の手引き」
シンガポールで特に注意をするべき病気とケガ
次に、注意すべき病気について、ご紹介していきます。
以下2つの病気には気をつけましょう。
①皮膚疾患、風邪、気管支の疾患
これらは、シンガポール独特の熱い気候によるものです。
元々皮膚が弱い人や気管支の持病を持っている人は、特に健康管理を徹底しましょう。
風邪に関しても、日頃から手洗い、うがいなどで清潔を保ちましょう。
②ジカウイルス感染症
これは、ジカウイルスをもったネッタイシマカやヒトスジシマカに刺されると感染するものです。
2016年9月1日にはジカウイルス感染症の注意喚起がされましたが、これは2019年5月9日現在も有効であり、いつまで続くか不明です。
特に妊娠中の人や妊娠予定の人は渡航を控えるよう呼びかけています。
パートナーの方の感染にも注意しましょう。
妊娠中や妊娠予定に当てはまらない人も、露出の多い服装は控え、袖の長いものを着る等して、ネッタイシマカやヒトスジシマカを含めそれ以外の虫にも刺されないようにしましょう。
参考サイト⇒外務省海外安全ホームページ「安全対策基礎データ」、外務省海外安全ホームページ「シンガポールにおけるジカウイルス感染症の発生(妊娠中又は妊娠予定の方は可能な限り渡航をお控えください。)(その3)」
シンガポールでの衛生面での心配点
次に、シンガポールでの衛生面での心配点についてです。
心配すべきこと、気をつけるべきことは、以下の2つです。
①水道水は沸騰させてから飲むこと。
シンガポールの水道水は直接生のままでも飲めるようになっています。
ですが、沸騰させると衛生的により安心です。
観光の場合だと、中々水道水を沸騰させるという手間も省きたいと思いますので、お店でお水は購入するのがオススメです。
②衛生ランク「A」のお店を選ぶ。
日本では見ませんが、シンガポールでは国家環境庁によって飲食店に、安全な順から衛生ランク「A」「B」「C」が付けられています。
滞在中に食中毒や下痢で悩まされたくないので、衛生ランク「A」のお店を選ぶようにしましょう。
参考サイト⇒外務省海外安全ホームページ「安全対策基礎データ」
シンガポールで何かあった際の連絡先と対処方法
最後に、シンガポールで万が一何か事件やトラブルに遭った際の緊急連絡先は、以下のとおりです。
<警察>999
<消防・救急車>995
警察、消防、救急車については、電話したところで日本語の話せる者が対応してくれるかは不明です。
大事なのは、焦らずに「I’m Japanese.」などと簡単な英語で良いので、「自分はである」ということを伝えましょう。
さらに、Place(場所)なども地図アプリ等に出てくる住所を伝えるのも良いですし、「Near ○○」などと「○○の近く」などと片言の英語でも伝わる可能性はあります。
さらに、自分が観光する近くにあるNPC(警察署)やNPP(交番)も調べておくと、なお安心です。
<在シンガポール日本国大使館>6235-8855
・住所 16 Nassim Road, Singapore 258390 もメモしておきましょう。
・24時間対応しています。
対処方法については、場面に応じて警察、消防、救急車に連絡をします。
捜査の場合には、現地警察に被害を届け出ましょう。
クレジットカードを盗まれるなどの被害の際には、カード会社に早急に連絡しましょう。
テロの被害にあった場合には、とっさに自分の命を守る行動を取りましょう。
参考サイト⇒外務省海外安全ホームページ「安全の手引き」
まとめ
以上、シンガポールの治安についてでした。
シンガポールでの犯罪の発生件数は、他の有名観光地と比べても少ない方です。
ですが、テロの脅威に晒されていることもあり、いつこの数字が伸びてしまうかは、誰にも予想できません。
「自分は大丈夫だ」という考えは危険です。
シンガポールに行く際には、日本にいる段階で訪れる場所を予め決めておきましょう。
そして、そこではどんなトラブルや事件が発生しているのか、しっかり情報収集をし、どんな防犯対策を講じれば良いのか考え、実践しましょう。
全ては「シンガポールに行って良かった、良い滞在だった」と思えるようにするためです。
ぜひ以上の情報を参考にしてみてください。