台湾の治安は悪い?良い?外務省発表のデータを元に分かりやすく解説
皆さんは台湾に行かれたことはありますか?
台湾の町並みが素敵で行ってみたい、おいしいご飯を食べてみたい、と思っている方は多いのではないでしょうか。
東京から約4時間で行ける同じアジア圏の台湾ですが、気になるのが治安です。
外務省によると、現在台湾には危険情報は出ていませんので、「台湾は治安が良い」と言っていいでしょう。
しかし、2018年には283,135件もの刑法犯が発生しており、実際日本人を狙った窃盗などが発生しているのも事実です。
地域別でみると、有名観光地である「九份」のある新北市では刑法犯の認知件数が一番多く、約47,000件も発生しています。
窃盗の他に、詐欺なども発生しているため、治安が良いからといって油断してはいけないのです。
そのような被害に遭わないためには、現金は少なめに持ったり、クレジットカードは1枚持ち歩くだけにしたり、身の回りのものを肌身離さず持っておく必要があります。
さらに、不信なタクシーに乗るのも非常に危険で、高額なタクシー代を請求される可能性もあります。
台湾に滞在中に特に注意したいのは、これらの窃盗や詐欺に加えて、地震が発生した場合にとる行動や台湾独自のルール、法律を守ること等です。
地震に関しては、過去に台湾でも大きな地震で多くの被害が出ているため、自分自身がもし台湾で大地震にあったら、という想定もしておかなければなりません。
さらに、自然災害で言えば、台風も大きな被害を受けることもあり、そのときとる行動が台湾での滞在を良いものにできるか、そうではないものになってしまうか、分かれます。
最後に、警察、災害時、病院の緊急連絡先もご紹介しています。
あなたの台湾での滞在が有意義なものになるように、ぜひご覧ください。
目次
台湾の治安は良いのか悪いのか
台湾は北南に長い国で、東京から飛行機で約4時間で行ける、日本人に人気の観光地です。
「九份」は特に人気の観光地で、SNSでよく九份の町並みの写真を見かけます。
旅費も安く、ツアーだとものによりますが、お隣の国韓国よりも安く行けるものもあります。
仙台国際空港からも台北行きのLCCの直行便が出ていて、多方面からアクセスしやすい国となっています。
2017年にはフィギュアスケートの世界ジュニア選手権が台北で開催され、国際大会が行われる場所でもあります。
「台湾」と聞くと、治安はいいのではないか?と思う方は多いと思いますが、実際はどうなのでしょうか。
外務省によると、台湾に現在危険情報は出ていません。
ですので、治安は良いと言えるでしょう。
以降、外務省の発表を元に、台湾で犯罪がどのくらい発生しているかや、注意するべき病気などについて、解説していきます。
台湾における犯罪発生状況について
まず、台湾では犯罪がどのくらい起こっているのかについて、見ていきます。
外務省が2019年3月22日に発表した安全情報によると、2018年の刑法犯の発生件数は、全部で283,135件となっており、そのうち、窃盗が一番多く46,150件、続いて詐欺の23,663件となっています。
窃盗が多いと聞くと、外国に滞在している人は注意しなければならないと思う人がほとんどだと思いますが、実際に日本人が被害に遭ったケースもあります。
それは、貴重品をすられ、クレジットカード等を悪用されたというケースです。
こういった事件には、細心の注意を払わなければなりません。
台湾の治安は比較的良いとされています。
怖いのは、治安が良いからといって何事においても油断してしまうことです。
このような日本人が被害に遭ったというデータを事前に知っておくだけでも、対策は取れますし、被害に遭っても最小限に抑えることができる可能性も大いにあります。
ですので、常に最新の日本人が被害に遭ったケースを得られるように、外務省等のホームページから情報収集をしておきましょう。
参考サイト⇒外務省海外安全ホームページ「台湾安全情報(2018年中)」
台湾で日本人や観光客が巻き込まれやすいトラブルや事件
次に、台湾で私たち日本人などの観光客が巻き込まれやすいトラブルや事件について、説明していきます。
前述したとおり、巻き込まれやすいトラブルや事件はずばり「窃盗」です。
パスポートや財布、さらにクレジットカードを盗まれると異国の地であることもあり、なおさら焦ってしまうことは容易に想像できますよね。
実際に、日本人を狙った中国人のスリグループの存在も確認されています。
日本人を狙うのは、現地の人だけではないのです。
同じアジア人ですので、欧州人と異なり、顔つき等が日本人と似ている現地の人、中国人等は多くいます。
安易に声を掛け、自分からトラブルに巻き込まれに行かないようにもしましょう。
さらに、「詐欺」にも注意しなければなりません。
詐欺に関しては、クレジットカードを使ったところ、不備があったと言われ、銀行に現金を振り込んでしまったケースも発生しています。
日本にいたら、このようなケースが起こったら怪しいな、と感じる方も多いと思いますが、台湾含め外国にいると、いつもと異なる地にいるので、普段であれば取らないような行動を取ってしまうこともあり得ます。
窃盗や詐欺などのケースは、現金の被害だけではなく、個人情報までも盗まれてしまう非常に怖いトラブル・事件です。
どこの国でも貴重品を肌身離さず持ち歩くことも、クレジットカードの使い方に注意することも同じですが、台湾では日本人を狙ったグループも確認されているくらいですので、細心の注意を払っていきましょう。
参考サイト⇒外務省海外安全ホームページ「台湾安全情報(2018年中)」、外務省海外安全ホームページ「安全対策基礎データ」
台湾で特に注意が必要な治安が悪い場所
次に、台湾で特に治安が悪い場所について、説明していきます。
前述したように、台湾には外務省の危険情報は出ていません。
しかし、刑法犯の認知件数の割合が一番高い地域として、「新北市」が挙がっています。
ここは、有名観光地の九份がある地域です。
数字で見ると、新北市はその割合が約16%となっており、件数で見ると、約47,000件となっています。
次に、台北市と続いています。
これら有名観光地などの人が賑わう場所でトラブルや事件は発生しているのです。
ただ、有名観光地は台湾のどこの地域にもあり、どこの地域に行っても防犯の意識は常に持っていなければなりません。
台湾は日本人が多いからといって安心してはいけないのです。
参考サイト⇒外務省海外安全ホームページ「安全対策基礎データ」
台湾での防犯対策について
次に、台湾ではどのような防犯対策をすれば良いのかについて、解説していきます。
前述したように、私たち日本人など観光客が巻き込まれやすいのは、窃盗と詐欺です。
窃盗に関しては、外出するときは、現金は極力少なめに持つことや、クレジットカードは1枚しか持ち歩かないことが対策としてできることでしょう。
持ってきた現金、クレジットカードをすべて持ち歩いてしまうと、窃盗にあった時に、全財産が無くなってしまう可能性もあります。
持ち歩かない分は、宿泊施設に置いておきましょう。
さらに、バッグは前にチャックを最後までしめて持つようにしましょう。
これはリュックも同じです。
特に、先ほどご紹介した新北市や台北市では注意しましょう。
詐欺に関しては、不信な電話に出ない、メールを開かないことが対策でしょう。
そもそも台湾に滞在中のスマートフォンや携帯電話の利用が2人以上の滞在だったら、家族や友人、日本にいる家族などに連絡するため、インターネットでお店の情報を調べるなどだけのために使い、その他のことには使わないようにしましょう。
さらに、窃盗と詐欺の他に、タクシーを利用するときにも防犯対策は必要です。
台湾では、交通網も発達しており、新幹線を始め、各地で地下鉄やバスが利用できます。
ですが、目的地に行くために、タクシーを利用しなければならない場合も出てくるかと思います。
台湾のタクシーでは、高額料金を請求させられることや、暴行事件、お釣りをもらうときに偽札にすり替えられるといった被害が想定できます。
その対策としては、第一に1人では乗らないことです。
そして、台湾のタクシーは後ろの窓ガラスや車体の横にナンバーがしっかり表示されているのか普通の安全なタクシーです。
ナンバーがなかったり、文字が小さかったりした場合には、乗るのをやめ、他の安全なタクシーを探すか、他の交通手段で目的地まで行きましょう。
日本のタクシーは安全だからと、日本にいる感覚で乗ってしまうと、思わぬトラブル、事件に発展してしまうこともあるのです。
偽札対策に関しては、通常の札を覚えておいて、お釣りをもらうときに、しっかり確認できると良いでしょう。
参考サイト⇒外務省海外安全ホームページ「安全対策基礎データ」
台湾に滞在している時に特に注意するべきこと
次に、台湾にいるときに特に注意しておきたいことについて、解説していきます。
先ほどから述べているように、台湾では窃盗や詐欺などの事件に気をつけなければなりません。
ですが、その他に特に注意するべきことが3つあります。
①地震に注意しなければならない。
日本は地震大国で世界的にも有名ですが、過去台湾でも大きな地震は発生しています。
最近では、2016年2月6日には高雄でマグニチュード6.6の大きな地震が発生していますし、今年の4月18日にも地震が発生しています。
地震大国である日本に住んでいる私たちですが、地震には強いと思っていても、台湾の地域によっては建物の耐震が日本と異なり強くない場所もあるかもしれません。
実際に地震が発生すると、飛び交う言葉が日本語ではないため、余計混乱する可能性も大いにあります。
最後の連絡先にも紹介しておきますが、地震が発生した場合には、焦らず、なるべく平常心を保ち、現地の人に従うようにしましょう。
②「救命呀」(じう みん やー)という言葉を覚え、発せられる状況にしておく。
「救命呀」とは、「助けてください」という意味です。
「Help」でも通じる可能性もありますが、この言葉を覚え、窃盗等に遭った場合には、大声で発し、周りの人に助けを求める行動をしましょう。
③台湾独自のルールや法律を覚えておく。
台湾には、日本にはない独自のルールや法律があります。
ここでは2つご紹介します。
1つ目は、公共の場所での全面禁煙となっていることです。
2009年1月から始まり、最大で10,000台湾元の罰金が科せられます。
10,000台湾元は日本円で約35,000円です。
滞在中に35,000円もの罰金を取られたくありませんよね。
喫煙する際には、場所に注意しましょう。
2つ目は、一部の空港での写真撮影が禁止されていることです。
違反すると、罰則もあります。
日本の空港では基本的にどこで写真を撮っても許されます。
日本にいる感覚で、違反行為をしないようにしましょう。
その他にも、台湾独自のルールがありますので、外務省のホームページなどで最新のものを知っておくようにしましょう。
参考サイト⇒外務省海外安全ホームページ「台湾・花蓮県を中心とする地震の発生について」、外務省海外安全ホームページ「台湾在留邦人安全の手引き」
台湾で特に注意をするべき病気とケガ
次に、台湾にいる時に特に注意しなければならない病気やケガについてです。
2つあります。
①デング熱に注意しなければならない。
デング熱については、一時期日本でも話題になりました。
2018年8月24日には領事メールで、台湾でデング熱への注意喚起もされています。
こういった虫による被害は、これから暑くなるにつれて警戒しなければなりません。
日本にデング熱を持ち込まないためにも、なるべく肌の隠れる服装を着たり、虫よけスプレーなどを持ち歩いて対策するようにしましょう。
②地震や台風によるケガに注意しなければならない。
台湾でも大きな地震は起こることはあると先ほど述べましたが、台風にも気をつけなければなりません。
日本でも近年、大規模な台風が上陸しており、多くの被害が出ています。
記憶に新しいのが、去年大阪を中心に被害が出た台風です。
台風のシーズンは毎年6月~11月です。
台湾でも、度々領事メールが流れており、注意喚起をしている状況です。
自然災害ですので、これから台風の規模がさらに大きくなる可能性も考えられます。
地震、台風とケガをするとせっかくの台湾での滞在も台無しになってしまうことも考えられますので、天気予報は常にチェックしておくようにしましょう。
参考サイト⇒外務省海外安全ホームページ「台湾でのデング熱の流行について」、外務省海外安全ホームページ「台風8号接近に伴う注意喚起」
台湾の衛生面での心配点
次に、台湾での衛生面で心配しなければならない点について、解説していきます。
台湾では、PM10、PM2.5といった粒子状物質の飛来に注意しなければなりません。
日本でも、PM2.5については時々テレビの天気予報のコーナーで情報が流れますよね。
これは中国で問題となっているもので、台湾でも特に中部や南部等で濃度が高くなるときがあります。
その際は、外出を控え、どうしても外に出なければならないときには、マスクを着けるようにしましょう。
台湾の滞在日数にあわせて、マスクを日本から持っていくと良いでしょう。
念のため、毎日取り替えましょう。
参考サイト⇒外務省海外安全ホームページ「台湾在留邦人安全の手引き」
台湾で何かあった際の連絡先と対処方法
最後に、台湾にいるときに、何かトラブルや事件などにあった際の緊急連絡先と対処方法について、ご紹介します。
・緊急の事件、事故の場合
<台北市警察局外事服務站>02-2556-6007
24時間体制で対応してくれます。
<高雄市警察局外事服務站>07-215-4342
こちらも24時間体制で対応してくれます。
通常の台湾での緊急連絡先は、警察「110」、火災と救急「119」ですが、中国語が話せない人向けに、上記2つの連絡先が記載されています。
・災害に遭った場合
電話で「1991」にかけると、災害時でも安否確認できるシステムとなっています。
災害時の避難場所については多くありますので、「外務省海外安全ホームページ」で事前に確認しておきましょう。
・病院
<台安醫院>02-2771-8151
台北市にある総合病院で、日本語が通じる医師がいます。
<柯佑民小兒科診所(むさしのクリニック)>02-2876-6955
台北市にある日本語が通じる医師のいる病院です。
<蔡忠雄外科診所>07-226-5710
高雄市にある病院で、内科もやっています。
日本語が通じる医師がいます。
他にも日本語が通じる医師がいる病院は沢山あります。
病院名と電話番号をメモして、緊急の際には連絡してみましょう。
その際には、先に「日本人であること」を伝えましょう。
参考サイト⇒外務省海外安全ホームページ「台湾在留邦人安全の手引き」
まとめ
以上、台湾の治安についてでした。
外務省の出している情報として、台湾は治安が良いものの、実際に日本人を狙った事件は起こっています。
それに加えて、台湾に行くということは、地震や台風などの自然災害にも注意しなければなりません。
最後に紹介した緊急連絡先をメモしておくとともに、常にスマートフォンや携帯電話で最新の情報をキャッチするよう努めましょう。
デマが流れていることもあり得ますので、正確な情報を得るようにしましょう。
万全の準備をして、台湾での滞在をより良いものにしていきましょう。