学資保険は円建てが安心?FP監修!ドル建てとの違いとメリット・デメリット

2024.07.16

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学資保険の返戻率は、2016年に導入されたマイナス金利の影響で下がりました。

そんな中で、ドル建て保険で教育費を積み立てている人も増えています。

ドル建て保険は円建て保険よりもお金の増加が期待できるため、高額な教育費を積み立てていくのに利用したい方法の1つでもあります。

ただし、為替レートの影響で大きく損をする可能性も十分にあり、目標金額を貯めていけないことも考えられます。

損失を最小限に抑えるためにも、為替手数料の安い商品を選ぶなど工夫しなければなりません。

そのためには、商品の仕組みをよく理解して何社か比較検討する必要もあります。

今回は、教育費の積み立て方、円建てとドル建ての比較、そしておすすめ商品を中心に解説していきます。

ぜひ参考にしてみてください!

目次

こどもの学資保険は円建てがいい?ドル建てがいい?

子どもの教育費を貯めていくのに有効な方法の1つに学資保険があります。

子どもを妊娠したら、「学資保険に加入しなきゃ!」と考えるお父さん、お母さんは多いと思います。

一方で、「今の学資保険で本当に十分な教育費を貯めていけるのかな?」と心配する人もいると思います。

まずは現在の学資保険を取り巻く状況から、円建て保険とドル建て保険の比較を解説していきます。

現在の学資保険を取り巻く状況

現在の学資保険を取り巻く状況は、厳しいと言ってもいいかもしれません。

ソニー生命の調査では、2018年大学に進学させたい高校生以下の子どもを持つ親の46.3%が学資保険に加入していることが分かっています。

2019年では50.8%になりました。

つまり、およそ半数が利用して教育費を貯めているということです。

しかし、近年の「返戻率の低下」により、「本当に大丈夫?」「もっと良い方法があるのではないか?」という声が上がっているのも事実です。

返戻率が下がった理由は、2016年から日銀が導入した「マイナス金利」の影響です。

マイナス金利によって保険会社は予定通りに運用することが困難になり、保険料の値上げに踏み切りました。

その結果、返戻率も下がりました。

私が営業職員として働いていた数年前は、返戻率は115%近くありましたし、子どもの教育費を貯める方法として、学資保険を提案していました。

ほんの3、4年で大きく状況は変わったのです。

参考サイト⇒ソニー生命「子どもの教育資金に関する調査2018」ソニー生命「子どもの教育資金に関する調査2019」

子供の教育費をドル建てで積み立てる人が増えている

ドル建て保険で教育費を積み立てている人は増えています。

実際に私の友人は、2年前に1人目の子どもの学資保険に加入しましたが、すぐに解約し、ドル建て保険で新たに貯蓄を始めました。

銀行を中心にドル建ての販売が広がっています。

増えている1番の理由は、「円建てよりも高い貯蓄性が見込めること」だと考えられます。

つまり、日本円よりも高金利で運用されるということです。

さらに、各社で外貨建て商品が新たに発売されています。

2019年5月13日からは、国内初となる外貨建て学資保険「想いをはぐくむ大樹の学資」の取り扱いが、三井住友銀行で始まりました。

学資保険の特徴である契約者の万一の保障もしっかり備わっています。

さらに、第一生命グループの第一フロンティア生命では、「つみたて終身・フロンティア(外貨建)」の取り扱いを今年の7月1日から始めます。

この商品は、若中年者の「長期・積立・分散投資」を支える保険とされていますが、業界初の「保険料をドルに換算する時のレートが円安に対して最低保証される」という特約も付加できることになっています。

このように、学資保険の返戻率の低下がドル建てという高い貯蓄性の見込める商品への加入の増加をもたらしているのです。

参考サイト⇒第一フロンティア生命「~第一生命グループ~第一フロンティア生命 外貨建終身保険「つみたて終身・フロンティア(外貨建)」を販売開始」

円建ての学資保険の特徴

通常の学資保険はどういった商品か理解している人もいるかと思いますが、ここでおさらいしておきましょう。

まず、学資保険は加入時から一定額の保険料を一定期間払い込んでいき、高校入学時や大学入学時になったら数回に分けて(または一括で)受け取るという保険です。

契約者は通常お父さんかお母さんになりますが、その契約者が万一死亡・高度障害になった場合は、以後の保険料の払い込みはなくなりつつも、保障は継続します。

この保障(特約)がない商品・プランもありますが、ほとんどの商品でついています。

さらに、出産前から加入できる商品がほとんどです。

医療特約を付加できるものもあります。

「ドル建てとの違い」という観点からみると、「円建て」学資保険なので、保険料の払い込み、保険金・解約返戻金の受け取りは全て日本円で行われます。

ドル建て保険の特徴

次に、ドル建て保険の特徴についてです。

ドル建て保険には「終身保険」「養老保険」「個人年金保険」などの種類がありますが、どれも基本は、保険料の払い込み、保険金・解約返戻金の受け取りは全てドルで行います。

次のメリット・デメリットでも触れますが、日本円よりも高金利で運用されるため、より多くのお金を増やすことができますし、為替レートのタイミングが良ければ為替差益を得ることができます。

その一方で、レートのタイミングが悪ければ、為替差損を被ることになります。

円建て保険とドル建て保険のメリット・デメリットを比較

次に、円建て保険、ドル建て保険全般のメリットとデメリットについて、解説していきます。

円 メリット 円 デメリット ドル メリット ドル デメリット
①加入時に払い込む額と受け取る額が決まっている。

②払い込み・受け取りを全て円で行う。

③銀行に預けているよりかは増える。

④お金の大きな増加は期待できない。 ⑤高金利で運用される。

⑥為替差益に期待できる。

⑦加入時に払い込む額と受け取る額が決まっていない。

⑧為替差損を被ることも考えられる。

⑨為替手数料・費用がかかる。

円建て保険についてみていくと、ドル建てよりもお金の増加には期待できませんが、銀行に預けておくよりかはお金は増えます。

銀行の普通預金の金利は0.001%で、定期預金でも0.010%といったところです。

ソニー銀行のサイトで定期預金の計算をしてみると、2,000,000円を10年定期で預けても1,593円しか増えません。

一方で、例えば学資保険の返戻率が105%(保険金額2,000,000円、保険料1,896,000円)だとして増えた額を計算すると、「104,000円」になります。

このようにみてみると、銀行に預けるよりはお金は増えていくことが分かります。

さらに、円建て保険の大きなメリットとしては他に、「あらかじめ払い込む保険料の金額と受け取る保険金額が決まっている」ことがあります。

「これは普通のことでは?」と思うかもしれませんが、ドル建てと比べた場合にこういったメリットがあります。

次に、ドル建て保険についてみていくと、高金利で運用される点が非常に魅力的です。

例えば、アメリカの10年国債の利回りを見ていくと、2019年6月27日現在で2.013%となっています。

さらに、為替差益が期待できます。

これは、保険料を払い込んだ時のレートよりも保険金を受け取るときのレートが円安であった場合に得られる利益です。

例えば、保険料100,000円を一括で支払った場合でシミュレーションしてみます。

1ドル=100円のときに払い込んだ場合、1,000ドルになります。

運用した結果プラス200ドルになるとすると、保険金額は1,200ドルになります。

これを1ドル=110円のときに換金して受け取ると、132,000円となり、「32,000円」増えたことになります。

これが為替差益です。

逆にデメリットにもあるように、円高になれば為替差損を被ることになります。

同じ例でいくと、保険金額1,200ドルを1ドル=80円のときに換金して受け取ると、96,000円になり、「4,000円」減ったことになります。

さらに、このように為替レートに左右されるため、保険料と保険金額は加入した時には確定しません。

収支の管理がしにくいとも言えます。

加えて、先ほどの例では考慮しませんでしたが、為替手数料や諸費用もかかります。

諸費用というのは商品によって異なりますが、契約締結時にかかるものや特約を付加したことでかかってくるものもあります。

参考サイト⇒ソニー銀行「円定期計算」三井住友銀行「マーケット情報チャート」

円建て学資保険とドル建て保険のシミュレーション

次に、円建て学資保険とドル建て保険のシミュレーションをしてみます。

フコク生命の「みらいのつばさ」ジャンプ型(18歳、22歳のときにそれぞれ1,000,000円を受け取る)と明治安田生命の「つみたてドル建終身」の2つを比較してみます。

・共通の条件 「契約者25歳男性(「みらいのつばさ」の子どもは0歳)」

保険料払込期間は、「みらいのつばさ」が14歳まで、「つみたてドル建終身」が15年間とし、保険料は「みらいのつばさ」が11,452円、「つみたてドル建終身」は10,000円として、なるべく条件をそろえて比較します。

なお、ドル建ての保険料は為替レートにより毎月変動します。

2019年6月28日現在の1ドル=108.29円が15年間続くと仮定します。

<フコク生命「みらいのつばさ」>

・毎月11,452円を14歳まで払い込んでいく(合計1,923,936円)
・18歳のときに1,000,000円、22歳のときに1,000,000円、合計2,000,000円を受け取る。

→返戻率は103.9%になり、76,064円増える。

<明治安田生命「つみたてドル建終身」>

・毎月10,000円を15年間払い込んでいく(合計1,800,000円)。
・1ドル=108.29円が続くと仮定すると、ドルでは合計16,622ドルとなる。
・予定利率は2.10%とする。

[15年後に解約すると]

・解約返戻金 17,998ドル
・返戻率 108.2%

→円で受け取る場合

・1ドル=87.29円のとき 1,571,054円、87.2%、228,946円減る。
・1ドル=95円のとき 1,709,810円、94.9%、90,190円減る。
・1ドル=115円のとき 2,069,770円、114.9%、269,770円増える。
・1ドル=127.29円のとき 2,290,978円、127.2%、490,978円増える。

[16年後、21年後に解約すると]

年数 返戻金 返戻率 円で受け取る場合
16年後 18,262ドル 109.8% 1ドル=95円のとき 1,734,890円、96.3%、65,110円減る。
1ドル=115円のとき 2,100,130円、116.6%、300,130円増える。
21年後 19,644ドル 118.1% 1ドル=95円のとき

1,866,180円、103.6%、66,180円増える。

1ドル=115円のとき 2,259,060円、125.5%、459,060円増える。

学資保険の場合、返戻率は103.9%になります。

一方で、ドル建ての場合、15年後に解約すると1ドル=95円のとき94.9%、1ドル=115円のときに114.9%になります。

学資保険と同じ103、4%になるのは、1ドル=104円のときです(返戻金は1,871,792円)。

大学に入学する数年前の、契約から16年後に解約すると、1ドル=95円のとき96.3%となり、1ドル=115円のとき116.6%になります。

115円の場合、学資保険の103.9%より12.7%アップします。

ドル建ての場合、デメリットでも解説したように、円高になってしまうと、経過年数によっては元本割れすることがあります。

参考サイト⇒フコク生命「試算計算」明治安田生命「つみたてドル建終身 シミュレーション」

学資保険はどう選んだらいい?

次に、学資保険の選び方について解説していきます。

各家庭によって、選び方(加入目的で決めるか、保険料で決めるか等)は異なります。

保険の返戻率を理解する

まず保険の返戻率について理解を深めましょう。

返戻率は「受け取る保険金または解約返戻金の総額÷払い込む保険料の総額×100」で求められ、「%」で表されます。

いわゆる元本割れとは、100%以下になった状態のことです。

例えば、保険金が3,000,000円、保険料が2,800,000円だと、返戻率は「3,000,000円÷2,800,000円=107.1%」になります。

返戻率は学資保険に限らず保険を契約する上で、あらゆる場面で出てくるものですので、覚えておきましょう。

保険加入の目的を明確にする

加入の目的を重視して選ぶことについて、説明していきます。

ここでは、加入の目的を「貯蓄を重視するケース」と「保障を重視するケース」の2つに分けてみます。

貯蓄を重視するとは、「より多くのお金が貯まることを第一とすること」です。

保障を重視するとは、「医療特約が付加できることなど保障の充実を第一とすること」です。

どちらを重視するかで加入するべき保険は変わっていきます。

「貯蓄」を重視するケース

貯蓄を重視する場合、より返戻率の高いもの、高い返戻率を見込めるものを選びましょう。

円建て学資保険の商品の中から選ぶ際には、子どもの医療特約が最初から付いていないもの、特約は付けられるけど付加しないことも選択できるものを選びましょう。

そういった特約の付いていないものは、より高い返戻率、貯蓄性を期待できます。

ドル建てを選ぶ際には、積立利率の高い状態で保証されるもの、利率変動型のものを選びましょう。

運用に期待でき、貯蓄性、返戻率が上がります。

「保障」を重視するケース

保障を重視する場合、医療特約が付加できたり、育英年金を受け取れるなど保障が充実している商品を選びましょう。

どのような特約を付加するかで、保障の充実度は変わります。

学資保険の場合、例えば、入院給付金を受け取れるものでもどのくらい受け取れるかによって、保障の充実度も異なってきます。

さらに、育英年金は、契約者が死亡または高度障害になった場合に、満期になるまで年金を受け取れるものですが、この特約を付加することで、万一のときでも安心できます。

さらに、学資保険には「契約者が万一死亡・高度障害になったときに、以後の保険料の払い込みが不要になりつつ保障は継続する」という特徴がありますが、商品によっては、「+α三大疾病や要介護状態になった場合にでも払い込みが免除され保障は継続する」ものもあります。

ドル建て保険については、三大疾病になったときに保険料の払い込みが免除されるものや保険金が受け取れるものを選ぶと良いでしょう。

シンプルなドル建て保険よりも様々な特約を付加できる商品がおすすめです。

ただ、このように「保障」を重視する場合には注意点があります。

それは、他の保険と保障が重複することです。

無駄な保険料を払ってしまうことにもなるので、今一度加入している保険を確認するようにしましょう。

毎月の保険料から保険を選ぶ

次に、保険料を重視して選ぶことについて解説していきます。

保険料は毎月毎月払っていくものなので、あまり家計の負担にならないように設定することが重要です。

払えなくなり途中で解約すると、元本割れの可能性が大いにあります。

大学費用の中で一番お金がかかるのが「大学入学時」です。

大学入学時にかかる費用(受験料、初年度納付金)は、およそ1,000,000円~1,500,000円以上です。

なので、この時期に重点を置いて払い込んでいくとして保険金を2,000,000円で設定すると、毎月の保険料は15,000円程度になります(払込期間は10年間)。

大学まで進学させたいと考えている人は、毎月15,000円程度は教育費として充てていけられると良いでしょう。

厚生労働省の調査によると、29歳以下の世帯主のいる1世帯あたりの所得の平均は3,500,000円となっています。

毎月15,000円を1年間払い込んでいくと、180,000円になります。

所得に占める割合は5%です。

学資保険以外でも教育費を準備していくとなると、割合は高くなります。

学資保険のみで大学の入学時に重点を置いて貯めていくとなると、所得の5%は教育費に充てていかなければならないことを覚えておきましょう。

この割合をより低くするためには、より保険料の安い商品・プランを選ぶようにしましょう。

以下、保険料の安い学資保険を挙げています。

契約者は男性25歳、子どもは0歳、保険金額2,000,000円、10歳まで払い込むという条件で、2商品ご紹介します。

・ソニー生命「学資金準備スクエア」 月15,532円、約107.3%

・明治安田生命「つみたて学資」 月15,899円、104.8%

なお、同じ保険金額でも払込期間を長くすることで毎月の保険料は安くなりますが、総額は増え返戻率も下がります。

参考サイト⇒生命保険文化センター「大学受験から入学までにかかる費用はどれくらい?」、文部科学省「私立大学等の平成28年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」厚生労働省「Ⅱ 各種世帯の所得等の状況」

円建ての学資保険を賢く選ぶポイント2つ

次に、円建て学資保険を賢く選ぶポイントを2つご紹介します。

①できるだけ早く加入する。

学資保険は加入する年齢が若ければ若いほど、保険料は下がり返戻率は上がります。

先ほど、貯蓄性か保障性を重視するかということを解説しましたが、貯蓄性を重視する人はなおさら早めに加入した方が良いです。

保障性を重視する人も、特約を付加する等しつつも、できるだけ早い年齢で加入して返戻率もアップさせたいところです。

出産予定日の140日前から加入できる商品がほとんどですので、出産前の加入もぜひ検討してみましょう。

②返戻「率」に惑わされない。

返戻率に惑わされないようにしましょう。

実際に見てほしいのは、「どれだけお金がプラスになるか」です。

例えば、保険金額が2,000,000円で保険料が1,862,400円(月15,520円を10年間払い込む)だとすると、返戻率は107.3%になります。

107.3%は現在の商品の中では、高い返戻率ですが、実際に増えた金額(保険金額総額-保険料総額)を計算してみると、137,600円となります。

「107.3%なのに、130,000円しか増えないんだ」と感じる人も中にはいると思います。

「他の保険でも貯めていこうかな」「もうちょっと検討してみよう」「130,000円も増えるのは大きい!」などと計算することによって分かること、気づくことが沢山出てきます。

なので、ぜひ学資保険を選ぶ際には、「率」だけに注目しないで、「実際に増えた金額」を計算してみましょう。

ドル建て保険を賢く選ぶポイント2つ

次に、ドル建て保険を賢く選ぶポイントを2つご紹介します。

ドル建てに関しては、損失を最小限に抑えることが重要になってきます。

加入後保険料を払い込むときと受け取る時に為替レートの影響を受けることは仕方ないとして、加入前、選んでいる段階で賢く、なるべく損をしないような商品選びをしたいものです。

①為替手数料の安い商品を選ぶ。

0.01円のところもあれば、0.5円のところもあります。

例えば、保険金30,000ドルを受け取るとき、0,01円で300円、0.5円で15,000円となります。

大きな差ですよね。

②クレジットカード払いのできる商品を選ぶ。

クレジットカード払いができる会社は限られていますが、クレジットカードで保険料を払い込んでいくことで、ポイントが貯まっていくのでお得感を得られます。

ただし、商品によっては、各カード会社の専用の高いレートが適用されることもあるので、注意しましょう。

学資保険の返戻率をアップさせる方法

次に、返戻率をアップさせる方法をご紹介します。

特に貯蓄性を重視したい人は参考にしてみてください。

以下の4つになります。

①保険料払込期間を短くする。

各商品払込期間の種類がいくつかあります。

より短いものを選ぶようにしましょう。

さらに、お金に余裕のある人は、一括払いも検討してみましょう。

②なるべく早く加入する。

加入を先延ばしにすると契約年齢が上がり、返戻率も下がってしまいます。

③特約をはずす。

医療特約が付加されていたり、育英年金を受け取れる商品は避けて、保障のシンプルなものを選びましょう。

④保険金額自体を大きくする。

保険金額を大きくすることで返戻率が下がる商品もあります。

保険金額を上げることはなかなか難しいかもしれませんが、余裕があれば検討してみてください。

保険を利用して上手に教育費を積み立てる方法

教育費はいくつかの保険を併用して貯めていくのも1つの方法です。

高校入学までに貯めるのにはA保険、大学資金はB保険で貯めていくのもアリです。

ドル建て保険で積み立てていきたいけど、リスクが怖い・解約のタイミングを計るのが難しそうと心配になる人もいると思います。

ドル建て保険は良くも悪くも為替レートの影響を受けるため、解約のタイミングを計るのが難しい商品でもあります。

その場合は、他の円建て保険を併用し、リスクを分散させても良いでしょう。

保険以外で教育費を積み立てる様々な方法

保険以外で積み立てる方法もあります。

事実、銀行預金で貯める人も多いですし、割合は少ないですが財形貯蓄や教育ローン、投資などで準備している人もいます。

保険以外で積み立てていくにしても、その方法の仕組み・メリット・デメリットをしっかり理解した上で利用しなければなりません。

例えば、銀行の定期預金にしても確実貯めていけますが、学資保険よりは貯蓄性は期待できません。

財形貯蓄は会社の給与から天引きされる形で貯蓄していくものですが、そもそもこの制度を導入している会社は少ないのがデメリットになります。

参考サイト⇒ソニー生命「子どもの教育資金に関する調査2018」

おすすめの学資保険5選

最後に、おすすめの学資保険とドル建て保険をご紹介していきます。

まずは学資保険を先ほどの貯蓄型・保障型に分けて、5つご紹介します。

①ソニー生命「学資金準備スクエア」<貯蓄型>

この保険は、医療特約などが付いていないシンプルな商品で、返戻率も他社と比べて高くなっているので、より高い貯蓄性が期待できます。

以下、いくつかの契約例を挙げてみます。

保険金額2,000,000円、10歳払い込み、Ⅲ型(17歳、18歳、19歳、20歳、22歳のときに受け取る)の場合

契約者の年齢・性別 子どもの年齢 保険料 返戻率
25歳・男性 0歳 15,532円 107.3%
25歳・男性 1歳 17,568円 105.4%
30歳・男性 0歳 15,540円 107.2%
30歳・男性 1歳 17,576円 105.3%

②明治安田生命「つみたて学資」<貯蓄型>

この保険もソニー生命同様、医療特約などが付いていません。

さらに、ソニー生命よりもよりシンプルで受け取る時期は大学時の4回の1種類のみで、払込期間は10歳まで・15歳までの2種類のみとなっています。

以下、いくつかの契約例を挙げてみます。

保険金額2,000,000円、10歳払い込み

契約者の年齢・性別 子どもの年齢 保険料 返戻率
25歳・男性 0歳 15,899円 104.8%
25歳・男性 1歳 17,705円 104.5%
30歳・男性 0歳 15,910円 104.7%
30歳・男性 1歳 17,716円 104.5%

③かんぽ生命「はじめのかんぽ」<保障型>

はじめのかんぽは、入院・手術・放射線治療・先進医療に備えられる医療特約を付加できる商品です。

入院も日額1,500円から付けられ、その他入院初期保険金として日額の5倍の保険金を受け取れます。

④第一生命「こども応援団 Mickey」<保障型>

第一生命の学資保険は、「こども応援団 Mickey」ですが、保障型の色が強いのは「こども応援団」です。

「こども応援団」はA型の1プランのみとなっており、契約者が万一のときの払込免除の範囲が広いのが特徴です。

「がん・急性心筋梗塞・脳卒中・要介護状態・身体障害状態・死亡」となっています。

通常の学資保険の「死亡・高度障害」だけでは不安という人は、検討してみるのもありです。

⑤太陽生命「わくわくポッケ」<保障性>

「わくわくポッケ」は、「こども応援団」よりもより保障を手厚くできる商品です。

保険料払込免除の範囲には、「所定の働けない状態」も含まれます。

さらに、育英年金特約や医療特約も用意できます。

ただし、こういった保障を充実させることで、返戻率はかなり下がるので、その点注意しましょう。

参考サイト⇒ソニー生命「10秒でできる!学資保険シミュレーション!」明治安田生命「つみたて学資」かんぽ生命「特約保障のご案内」第一生命「こども応援団 Mickey」太陽生命「わくわくポッケ」

おすすめのドル建て保険1選

最後に、ドル建て保険についてです。

こちらについては、貯蓄と保障の両方を備えている商品を1つご紹介します。

①メットライフ生命「USドル建終身保険 ドルスマートS」

「ドルスマートS」は、積立利率が3%以上最低保証されています。

つまり、3%を下回らないということです。

なおかつ、利率変動型なので、運用が上手くいけば利率は上がります。

ここ3年間の積立利率の推移を見てみると、1番高かったのが3.36%でした。

もっとさかのぼると4.0%以上の時期もありました。

さらに、「低解約返戻金プラン」もあるので、保険料を抑え返戻率をより上げることができます。

保障の面からみると、三大疾病・介護給付終身保険特約を付加することができ、所定の条件を満たした場合には保険金が受け取れます。

死亡・高度障害に加え、がんと診断確定された場合、心疾患・脳血管疾患または要介護状態によって所定の条件に該当した場合に、保険金が受け取れます。

参考サイト⇒メットライフ生命「USドル建終身保険 ドルスマートS」メットライフ生命「積立利率」

まとめ

以上、子どもの教育費を積み立てていくことについてでした。

ドル建て保険だけで教育費を積み立てていくのは、リスクがあると感じます。

為替レートは、世界各国の情勢によっては大きく変動する可能性もあります。

教育費は、いくつかの方法で積み立てていくのが良いと思います。

どの方法で積み貯めていくかは、各家庭によって異なります。

将来子どもが大きくなったときにお金の心配をかけさせないためにも、有効な積立方法を見つけていきましょう!

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